ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
明日(1月26日)は、朝4:30に起きて、羽田空港から7:25発のANA便で萩・石見空港に行き、現地でカミさんと一緒に津和野・萩の観光をするので、今夜中に記事を書いておきます。
現地では、たくさん写真を撮ってきますね。
さて、H.オーグラー著『アドラー心理学入門』の第9回目です。
アドラーの「精神生活の3つの入り口」
1.きょうだいとの関係における子どもの位置
(=いわゆる「家族布置」)
2.最初の児童期記憶
(=いわゆる「早期回想」)
3.夢
のうち今回は、3.の「夢」についてです。
著者のオーグラーは、フロイトの夢に関する功績を次のように認めつつ、アドラーの独創性を次のように書いています。
フロイトの最も注目すべき発見の1つは、アドラーがしばしば指摘したように、夢と、夢を見る人の感情生活との密接なつながりである。フロイトはもちろん、アドラーも、夢の解釈を利用しない心理学はみな不完全である、と信じている。
しかしながら、個人心理学の夢の解釈は、フロイトの精神分析とは違う。パーソナリティの統一性という立場から、アドラーは、夢をもっぱら夢見る人の統一性と関連させて考える。
別な言い方をすると、夢と、夢を見る人とは、切っても切れない関係にある、ということです。
さらには、アドラーの夢の理論として、次の点をポイントとしてあげています。
1.夢の目的は、夢見る人を常識(コモン・センス)の道から誘い出す感情や情動を喚起すること。別の表現では、夢を見る人に、常識の範囲を超えて心を遊ばせるのに十分な弾みを与えることが夢の仕事
2.夢が人間に与える刺激には、人間を助けて当面の問題をより容易に解決させようとする意図がある。夢はまた、未来に向かって方向づけられている。
3.夢でどんなイメージを選択するかは、夢を見る人のライフ・スタイルに近づく鍵を与えてくれる。
4.夢の解釈にあたっては、夢を見る人と関連して、また、夢を見る人が夢を見たときに置かれていた状況と関連してのみ解釈されるべきである。
もう1つ重要なことは、アドラーは、夢に出てくるイメージを象徴解釈しないことです。この点もフロイトの夢解釈とは大きく違います。
ただし、置かれている状況と関連して解釈するとしたら、次のような可能性があることも考えられます。一例をあげます。
落ちる夢・・・・・自尊の感情を失うことの恐れを示すもの
飛ぶ夢・・・・・野心的は人々を示唆するもので、他人をしのぐような仕事の成就を目標として自分に課している
試験の夢・・・・・不安な気分を喚起する効果がある。また、何年も前に恐怖を乗り越えて試験をパスしたいきさつを教えて、夢を見ている人を励まし、その人の現在の問題の解決を助ける。
動物や怪物に追いかけられる夢・・・・・自分自身を弱虫だと考え、他の人々を強くて優秀だと認めている。
この本には、アドラー自身の興味ある夢が載っていますが、紙面の都合で割愛します。
アドラー自身は、夢を「精神生活の3つの入り口」の1つとして重視していますが、後継者たちの多くは、夢解釈のトレーニングを怠ってきました。
幸い私は、ペルグリーノ博士という夢解釈のベテラン・スーパーバイザーを得ています。今後次のような講座をヒューマン・ギルドで開催します。
夢としっかりとしたお友だちになれますよ。
◎夢を 読み取る! アドラー派による「夢のワ ーク」1日講座
アドラー心理学の夢解釈 の特徴は、現実の生活体験と結びつけて問題解決にたどり着けることで す。講義だけでなく演習や討議も交えて多彩に展開します。
日 時:6月6日(日 ) 10:00-17:00
講 師:岩井俊憲(ヒューマン・ギルド代表)
会 場: ヒューマン・ギルド研修室
料 金:会員12,000円 /一般15,000円
◎アドラー派の夢解釈ワークショップ(ジョセフ・ペルグリーノ博士指導、通訳付き)
詳細は、別途ご案内します。
日 時:8月7日(土)、8日(日) それぞれ10:00-17:00
会 場: ヒューマン・ギルド研修室
また、このブログには、「アドラー心理学による夢解釈講座」のカテゴリーもあります。
ご参照ください。