アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月29日)は、ヒューマン・ギルドにスタッフが全員そろいました。

ジョセフ・ペルグリーノ博士(モントリオール個人心理学研究所理事長)のワークショプの準備も着々と揃い、駆け込み参加申し込みにもしっかりと備えています。

いよいよ東京も梅雨明けですね。


さて、『生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと』(アルフレッド・アドラー、 長谷川 早苗訳、興陽館、1,700円+税)を遅読で学んでいて、そのことは、

7月14日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:アドラーの『生きる意味』(1)
7月20日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:アドラーの『生きる意味』(2)

で書いています。

生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと
Alfred Adler著、長谷川 早苗訳
興陽館

今回は、その3回目です。

1.人間の究極目標についてアドラーは、どう考えていたか?

2.大船渡高校の国保監督の佐々木投手登板回避問題をどう捉えるか?

をテーマに論を進めます。


1.人間の究極目標についてアドラーは、どう考えていたか?

【目的】と【目標】の違いを強調する立場の私は、「どこに向かって?」の【目標】を「当面」「短期」「長期」とたどって行きつく先の「究極目標」は、「何のために?」の問いで得られる【目的】とニア・イコールになると考えています。

ここで、『生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと』から「人生を読みとる心理学の道具や手法」の章からアドラーが人間の努力の「究極目標」≒「目的」をどう捉えていたかを見てみることにしましょう。

「個人心理学は進化を重視し、人間のすべての努力は、完全を目指す努力という進化のなかにあると考えています。生きる意味は、肉体的にも精神的にも、この努力としっかり結びついています。そのためわたしたちの知るかぎりでは、どのような精神的な動きも、マイナスの状況をプラスに向ける行動になるのです」(P.35)

人類の進化を重視するアドラーの立場から「完全を理想の目標とした」(P.34)ことが窺えます。

ただし、だからと言って、すべての人が完全を目指すかというとそうではなく、個々人によって違います。
あくまで人類や人間全般のことを言っているのです。

この「完全」という「究極目標」≒「目的」から今沸騰しているトピックに入ります。

2.大船渡高校の国保監督の佐々木投手登板回避問題をどう捉えるか?

この夏の高校野球最大の注目だった佐々木朗希投手を擁する大船渡高校の国保監督が、25日の岩手県大会決勝で佐々木投手を登板させなかったことで花巻東高校に敗れ、甲子園出場は叶わなかった ことについては、「甲論乙駁」、まさに反対意見、賛成意見がインターネットで飛び交っています。

まずは、反対意見から2つの記事を。

・毎日新聞2019年7月26日 21時54分(最終更新 7月27日 09時47分) 佐々木投手登板回避 大船渡高に抗議相次ぐ 約9割が「なぜ投げさせなかったのか」

・WEDGE Infinity 2019年07月29日 07:35  ダルも長友も『NO』を突き付けた張本発言、高校球界も怒り爆発 - 新田日明 (スポーツライター)

この2つは、この夏の甲子園での大船渡高校の佐々木朗希投手の活躍を見られないことについての抗議・批判です。

まともな論調では、賛成意見の方が圧倒的に多ようです。
その中から2つを紹介。

・「週刊文春」編集部 2019/07/29 05:30  「163キロ投手の肘のダメージは未知数」大船渡佐々木・登板回避に元日本代表クローザーは「英断だった」

こちらは、一部を転載。

「チームの甲子園出場がかかっていたわけですから、苦渋の決断だったと思います。でも、“十年に一度の逸材”を預かる指導者として、英断を下したのだと思います」

 そう語るのは、かつて日本を代表するクローザーとして活躍した元福岡ソフトバンクホークスの馬原孝浩氏(まはらたかひろ・37)だ。

・日経online 2019/7/28 12:52 大船渡の采配「佐々木君の未来守った」 ダルビッシュ  登板回避「勇気ある行動」 

こちらは、全文を転載。

【ミルウォーキー=共同】米大リーグ、カブスのダルビッシュ有投手は27日、全国高校野球選手権大会の岩手大会決勝で大船渡高が最速163キロのエース佐々木朗希投手を起用せずに敗れたことに言及し「何で投げさせないんや、とか言ってる人たちは子どものことを全く考えていないと思う。これほど全国から注目されている中で佐々木君の未来を守ったのは勇気ある行動」と国保陽平監督の采配に理解を示した。ミルウォーキーで行われたブルワーズ戦の際に取材に応じた。

投手の肩や肘の故障防止には、かねて強い関心を示してきた。「熱中症対策や球数制限など、子どもたちや野球の未来を考えれば普通にやるべきことができていないってことが問題」と現状に苦言を呈した。

さて、あなたは、「当面」「短期」の甲子園出場という立場と、「究極目標」≒「目的」の立場のどちらを採用しますか?

この夏を活躍に期待するファン心理としては前者でしょうが、10年後の佐々木投手のメジャーでの活躍を夢見る人は、後者の方を選ぶのではないでしょうか?

人気ブログランキングへ 
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(16



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月27日)は台風の中、大阪で株式会社バンタン(Vantan) グループ の中の バンタン高等学院(大阪校)の保護者の研修を行ってきました。

新幹線の中で ジョセフ・ペルグリーノ博士(モントリオール個人心理学研究所理事長)の 5つのライフタスク ワークショップ (8月10日・11日(土・日)両日共に10:00~17:00開催) のテキストの翻訳にしっかりと取り組むことができました。

アドラーは、人生の課題(ライフタスク)を仕事、交友、愛/性の3つとして捉えていましたが、アドラーの死後30年経ってドライカースらはセルフとスピリチュアルの2つを加えました。

永藤かおるさんが訳したテキストに手を加えながら感動しました。

セルフとスピリチュアルの2つのタスクに関して日本で訳されたり紹介されているどの本よりも明快なのです。

ジョセフ・ペルグリーノ博士 の学識の深さに改めて驚嘆しました。


新幹線の中では、ダイヤモンド・オンライン 2019.7.26 15:15
「佐々木登板せず」で敗れた大船渡高が発した無言のメッセージ(小林信也:作家・スポーツライター )を読みました。

7月2日付けブログ【目的】と【目標】の違いを知らない人が多すぎる を裏付ける措置だと、大船渡高校野球部の国保陽平監督の英断を快挙だと思いました。

記事は、こんなふうに始まります。

この夏の高校野球最大の注目だった佐々木朗希投手を擁する大船渡高校が、25日の岩手県大会決勝で花巻東高校に敗れ、甲子園出場は叶わなかった。

佐々木投手を甲子園で見たい、と期待していた高校野球ファンにとっては残念な結果。
しかも、決勝戦に佐々木投手が「登板しなかった」ことがさまざまな議論を呼んでいる。

国保陽平監督は試合後、「投げられる状態にはあったかもしれませんが、私が判断しました。
理由としては故障を防ぐため。朝の練習で伝えました。
笑顔で『わかりました』と言っていた」と報道陣に語ったという。

(一部略)

その決断が、国保監督と佐々木投手、そして大船渡ナインにとっては予測できたこと、ずっと共有していた『高い意識』に基づいた覚悟だったことがうかがえる。

決勝戦の試合後には、準決勝の試合前、県高野連の医療スタッフに佐々木投手自身が右ひじの違和感を伝えていたとも報じられた。それであればなお、登板回避はごく当然の判断だったろう。

続いて、

「甲子園だけが高校野球のすべてか?」  大船渡ナインが覆した“常識”

国保監督の英断の背景に 筑波大学と米国でのプレー経験

「過酷な予選日程」の改革こそ 今の高校球界に最も必要だ

と展開しながら、結びをこう書いています。

このリスクをも回避した国保監督の見えないファインプレーは、やがて佐々木朗希投手がプロ野球、メジャーリーグで大活躍したとき、感謝され、称えられることになるだろう。

国保陽平監督が、肘に不安を抱えスピードに伴う体力が育ちきっていない佐々木選手を甲子園で酷使することよりもメジャーリーガーとしての大活躍できる将来のビジョンや自分のミッションのもとに英断を下したことにエールを贈りたいです。


ところで、大阪での 株式会社バンタン(Vantan) グループ の中の バンタン高等学院(大阪校)の保護者対象の研修では、このことをスライドを使ってしっかりとお伝えしました。

「目指せ甲子園」「甲子園での優勝」と過酷なスケジュールで試合が展開されますが、決勝、準決勝と進んだチームの主力投手が肘を壊してしまっていることからすると、「甲子園」は、短期目標重視のスポ根モデルの残滓。

長期目標や目的からしても、科学的な知見からしても、好ましからざるスポーツ・モデルだと、あえて警鐘を投げかけたいと思いました。

人気ブログランキングへ 
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(15



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月26日)は、9:00~12:00、13:00~16:00と 可児市役所 で課長級研修を行っていました。

タイトルは

管理職(課長級)研修~勇気、やる気、元気、本気による変革型リーダーシップ~

内容は、市長公室秘書課人事係の河合真琴さんと事前に綿密なやり取りをして、かなりカスタマイズされた研修で臨めました。

ご要望によりリレーションづくりに簡易型の「ライフスタイル診断」を入れました。

公務員の受講者たちの6割は「コントローラー」に分類されました。

その後は、次の3つを柱にしました。

1.職場・組織における現状とマネジメントの今日の課題

2.やる気とリーダーシップの心理学

3.部下を「勇気づけ」する具体的な実践方法

研修の中でタイムリーなトピックとして話題に乗せたのは、広島カープの緒方監督による野間選手へのビンタ事件でした。

なお、この件は後で触れます。

可児市役所 は、2020 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に関連して、明智光秀の生誕の地と言われていることからかなり意気が上がっていました。

お昼休みに、河合さんの許可を得て、役所内の写真を撮らせていただきました。

 

河合さん、事前の折衝と当日のご対応に感謝申し上げます。


さて、広島カープの緒方監督による野間選手へのビンタ事件の件です。

外野手出身の監督としてさの采配ぶりを評価していた私からすると、とても残念でした。

「知将」の印象を持っていたからです。

次の2つが参考になります。

・ジャストニュース 2019.07.25 広島・緒方監督が野間をビンタも…謝罪と厳重注意の大甘処分にネットの声は

・Yahoo ニュース 7/25(木) 7:30配信 広島・緒方監督の時代錯誤“鉄拳制裁”は謝罪と厳重注意の大甘処分で済ますべき問題なのか?

特に後者では、「殴ることでしか指導できない人は、そもそも指導者としての能力、資格がないのだ」とまで書かれています。

まったく同感です。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(14



コメント ( 2 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

この7月は、対話の歓びをしみじみと味わえた機会が3回ほどありました。

その1つめは、7月5日(金)の「人間学を学ぶ月刊誌」『致知』致知出版社)9月号(8月1日発売)のための「アドラーとドラッカーに学ぶ人間学」のテーマとする対話でした。

原稿のチェックも済ませておりますが、私としては、身震いするほどの内容になったと思っています。

書店では手に入らない月刊誌ですが、ヒューマン・ギルドでは、数10冊仕入れることにしています。

◆対談風景をお知りになりたい方は、7月6日付けブログ「月刊『致知』アドラー×ドラッカー 人間学対談」 をお読みください。

その2つめは、7月17日(水)の晩に 樫村周磨さん(ゼスト株式会社 代表取締役CEO、 一般社団法人グローバル人事塾 代表理事)、嶋尾かの子さん(むすび株式会社 ブランド構築研究開発室 室長/ブランディング・ディレクター)にヒューマン・ギルドの 目次 心さん と私の4人での、神楽坂での懇親会でした。

嶋尾さんのラオスでの民族音楽の研究話から始まり、話は多岐に渡りました。

狙いとしては、一般社団法人グローバル人事塾 (人事のチカラで世界を変える! 経営層&人事向けのHR勉強会)での私の講演の細目の打ち合わせもあり、すごいタイトルが決まりました。

内 容: 【アドラー流リーダーシップで最強の人材としなやかな組織をつくる】
日 時:9月18日(水)19:00~21:00(受付開始18:30)
場所:プルデンシャル生命保険株式会社 セミナールームABC 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 6F(総合受付)
 東京メトロ半蔵門線、都営新宿線、都営三田線「神保町駅」よりA9出口を出て左手へ。
(徒歩約2分)
「神保町一丁目」交差点先ビルがテラススクエアです。
料 金:3,000円(当日支払い)
申し込み:一般社団法人グローバル人事塾のサイトからか電話にて
 サイト:http://www.global-jinji.org/ (まだこちらからは応募受付ができません)
 電話:03-3374-6090


3つめは、 木村 孝さん株式会社ヒューマックス 代表取締役、一般社団法人 ビジネスエニアグラム協会 代表理事)が仕掛け人になった、横浜での4人でのランチ会でした。

羽山 暁子さん (株式会社Pallet 代表取締役)は、仙台からこのためにお越しでした。

そこには、太田彩子さん(株式会社ベレフェクト 代表取締役、営業部女子課代表理事)も同席。

たった1時間余のランチ会でしたが、実り多い対話が展開されました。

冒頭に羽山さんからデンマーク語で「居心地がいい時間や空間」という意味の言葉「ヒュッケ(hygge)」が紹介され、4人での会話の共通項は、それぞれ個性豊かな人たちが対話を通じて新たなものを創造していこう、というところにありました。

本業の他に営業部女子課の代表理事、大会社の非常勤取締役、内閣府の委員などをしながらこの4月に筑波大学大学院で博士前期課程を修了された太田さんからは、女性活躍や登山体験などについてお聞きできました。

デンマーク人がロウソクを灯しながら語り合う「ヒュッケ」の、「居心地がいい時間や空間」が味わえたランチ会でした。

このような夜と昼の4人での語り合いを通して思い出した言葉があります。

それは、四字熟語の「同床異夢」ならぬ「異床同夢」という私の造語です。

30年近く前によく使っていました。

それぞれバックグラウンドが違っていても、一つの夢や志の実現に向かって語り合い、協力し合って実現に結びつけるのです。

これからの組織のあり方のヒントになりそうです。

この考え方を9月18日(水)の 一般社団法人グローバル人事塾 での講演でぶち上げるつもりです。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(13



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月21日)の11:00~13:00は、ヒューマン・ギルドで アドラー心理学ゼミナール を行っていました。

講師は 本橋悦子さん(フェイスブックブログ、ELM勇気づけトレーナー、人おこし・組織おこしリーダー、塾講師)。


用意されたレジュメは、次のとおりでした。

◇はじめに

◇事故にあったこと…

◇集中治療室で…

◇リハビリ病院を探して…

◇失意の底で…

◇リハビリテーション病院への転院

◇復学した学校生活で…

◇おわりに…

本橋さんは、抑制的な話し方で、2014年3月、息子さん(当時8歳、この7月で14歳)が交通事故に遭ったときに、絶望的でありながら「悲しい」感情もなく、「なんで私がこんな目に?」と思ったことから話し始めました。

その後、高次脳機能障害を負って生きていくことが判明したことについて、覚悟を決めながら、意識の戻らないベッドサイドで読み聞かせをなさいました。
その時に脳波と呼吸が変化していることが語られたとき、聴衆の多くは、息を飲むようにして耳を傾けていました。 

リハビリ、転院を通じて苦悩と向き合いながらもたくさんの方々に助けられ勇気られた話は、ご家族の結束があってこそだと思いました。

ただ、そんな本橋さんも、悲しみ・苦しさの中で絶望的な時期もあったようです。

そんな時期の私の『失意の時こそ勇気をー心の雨の日の過ごし方』(コスモス・ライブラリー、1,500円+税)に出合って勇気づけられたことも語りました。

失意の時こそ勇気を
―心の雨の日の過ごし方
岩井 俊憲
コスモス・ライブラリー

写真、動画をもとにリハビリ風景、学校の様子を見せてくれました。

息子さんの障害と一緒に生きていくために「アドラー心理学はとても私を納得させてくれて、生きる勇気をもらいました」とし、「起こること全てに意味がある」「人生なるようにしかならない」「全てはベストのことしか起こらない」「幸せはもうここにある」の4つと家族の絆を中心にお伝えくださった本橋さんには、24名の参加者が深い感動の渦に巻き込まれました。 

 

最後近くになって、ヒューマン・ギルドの関係者からも大いに支えられ、内田若希さん(九州大学講師)の本『自己の可能性を拓く心理学』(金子書房、2,300円+税)からも勇気をもらい、息子さん「みんなのできるものができないけれど、自分にできることを頑張る」という言葉を紹介し、「劣等性はあっても劣等感がない」と息子さんを評しました。

自己の可能性を拓く心理学:
パラアスリートのライフストーリー
内田 若希
金子書房

また、磯野 茂さん(日本伴走家協会代表 伴走家®)にこの2月から息子さんが個人指導を受け、その動画では、運動能力が明らかに好転していることが明らかでした。


(補足的な説明をされる磯野さん)

講演の最後には、私の『失意の時こそ勇気をー心の雨の日の過ごし方』の結びの言葉で締められました。

   あなたの心の雨の日々の体験は  
 あなただけのための体験ではありません

 現在のあなたの周囲にいる人
 あなたがこれから出会う人のために  
 あなたに必要な体験なのです

   心の雨の日々は、決して無駄ではありません
 それは、再出発・再創造のためにかけがえのない日々です

   心の雨の日々に必要なものは  
 変えることのできないものを受け入れる平静な心  
 変えることのできるものを変える勇気  
 そしてそれらを見分ける知恵

   心の雨の日に  
 絆の維持・回復に向けて  
 勇気を発揮するのは  
 あなた

最後には、本橋さんの小学校時代からのお友達を筆頭に参加者からご発言をいただき、第70期 アドラー・カウンセラー養成講座 の同期生を代表して 高見澤(Hideo Takamizawa)さん からプリザーブドフラワーの贈呈がありました。

*本橋さんの アドラー心理学ゼミナール でのお話は、彼女の ブログ に書かれています。
 お時間があるときに訪問してみてください。

◆次回の アドラー心理学ゼミナール(第147回)は、次のとおりです。

タイトル:「ストレスや悩みに打ち勝つ ― 『援助要請』をどう勇気づけるか」   
講 師:池田亜紗氏(国際基督教大学大学院博士後期課程在籍中)
日 時:9月16日(月・祝) 11:00~13:00
受講料:2,160円(税込) 当日会場でお支払いください。

※講師からの内容説明※  ストレスや悩みを抱えたときに他者に援助を求めること(援助要請)は、重要なストレス対処方略のひとつです。しかしながら、「自分の問題は自分で解決しなければならない」という考えから、問題やストレスを一人で抱えこんでしまうケースは少なくありません。そこで、「援助を求める力」をどう育むことができるかが課題となります。援助要請を促進・抑制する様々な要因や、現在行っている調査についてご紹介させていただきます。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(12 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

このところ研修が続いています。

これからの1週間も5日も研修が入っていますが、今日は休日(在宅勤務)です。

今日は、「人間学を学ぶ月刊誌」『致知』致知出版社)9月号(8月1日発売)でアドラー×ドラッカー対談が「アドラーとドラッカーに学ぶ人間学」のテーマで9ページにわたって掲載されることになる原稿をチェックする日になります。

この対談が11万人を超える読者に届くことを考えると、身が引き締まります。

◆対談風景をお知りになりたい方は、7月6日付けブログ「月刊『致知』アドラー×ドラッカー 人間学対談」 をお読みください。

最近、『生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと』(アルフレッド・アドラー、 長谷川 早苗訳、興陽館、1,700円+税)を遅読で学んでいることは、7月14日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:アドラーの『生きる意味』(1) で書きました。

生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと
Alfred Adler著、長谷川 早苗訳
興陽館

今回は、その2回目です。

学校の先生や親御さんと子どものことについて話していると、こんな話がよく出てきます。

「ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもにどう対処したらいいでしょうか?」(ある小学校の先生)

「うちの子がアスペルガーと先生から言われているのですが、今後どう関わっていったらいいんでしょうか?」(ある母親)

私は、症状の名前はさておき、明らかに診断がつけられた子どもなら、それなりの理解に基づく対応法を学ぶ必要があるでしょうが、そのような傾向があるだけでひとくくりの対処法はいかがかと思います。

アドラー心理学では「子どもは一人ひとりユニーク」です。

このような考え方のヒントになるアドラーの考え方が、『生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと』に出ていました。

類型学を扱うときにはわたしはとても注意します。
人間のタイプというのはなにかしっかり構成されもの、それだけで十分なものだと学習者が錯覚しやすいからです。
そして、だいたい似ている構造と見ることをせず、タイプを基本として扱ってしまうからです。
もしそこで停止して、犯罪者や不安神経症者や統合失調症と聞いたときにもうその個人をわかったような気になるのなら、探求の可能性を絶つだけでなく、患者とのあいだに生じる誤解から逃れられなくなるでしょう。
(8.「育てにくい子どもたち」P.134 の冒頭)

読めば読むほど奥深い文章です。

アドラーは、「活動性」(これを「勇気」と呼んでいる)の尺度から、育てにくい子どもは「共同体感覚が欠けて」いるとみなし、別の視点から「自分から動かないタイプ ー 怠惰、横着、従順だけど依存的、引っ込み思案、気弱、うそつきなど」と「自分から動くタイプ ー 支配欲が強い、短気、気が高ぶる、はげしく興奮しやすい、邪魔をする、容赦ない、自慢、逃げる、手癖が悪い、性的に興奮しやすい」の分類を提案しながら、「症状を見て失敗を取り除こうとしても、けっしてうまくいかないでしょう。確かな成功は、共同体感覚を向上させることでしか期待できません」と断言しています。

アドラー心理学は、個性的なものを記述することに特色がある、特定の個人をありのまま記述していくことを目的とする研究法である「個性記述的(idiographic)」な立場に立っています。

なお、このところは、アドラー・カウンセラー養成講座 でしっかりお伝えしています。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(11 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月17日)は、某航空会社の研修を3時間ずつ2回、計94名に対して行ってきました。

4年前からご指名をいただいております。


さて、7月10日付けブログ 体罰を巡って:瞑想のきっかけと桑田真澄氏の言葉 を書いていましたが、体罰に関して必読の記事を見つけました。

ダイヤモンド・オンライン 2019年7月7日(日) 8:17の 体罰大国ニッポンが「1億総パワハラ社会」になる必然 です。

「愛があれば」「やりすぎでなければ」、という前提付きで体罰やパワハラを認める日本人は、実は非常に多い。 子供を持つ親はもちろん、テレビのコメンテーターやMCでさえ、堂々とこうした自説を述べる。 つまり、日本はそれほどに「愛ある暴力」信仰が染み付いている国であり、これが変わらない限り、パワハラはなくならないだろう。

と、ノンフィクションライターの窪田順生氏が鋭い切り口で迫ります。

なくせ、撲滅だ、と叫びながらも、企業や教育現場でのハラスメントや陰湿なイジメは一向になくならない。
ここまで多くの人が「体罰」というものの教育効果を認めているのなら、このような「一億総パワハラ社会」になるのも、なんら不思議がないのだ。

我が子をしつけたい親の「愛のムチ」と、理不尽なパワハラなんかを一緒くたにするなんて不愉快だ、と今すぐ筆者の横っ面をはたきたい衝動にかられている方も多いだろうが、実はこの2つの原動力となっている思想はほとんど変わらない、いや、全く同じと言ってもいい。

で始まり、

・体罰には、「暴力は絶対ダメだけど、私の暴力は愛があるからセーフ」という、なんとも御都合主義的な「ダブルスタンダード」が存在すること

・行動分析学の世界では、「体罰」には一定の「効果」があるというのが常識であるけれども、体罰依存が進んだ社会では、そこで得られる効果より、失うものの方が圧倒的に多いこと

・「ムチ」では信頼関係が築けないこと

・体罰を受けた人に「暴力の再生産」が行われること

・暴力には、「良い暴力」も「悪い暴力」もなく、殴られた側からすれば、そこで生じる痛み、感じた恐怖は何も変わらないこと

を指摘し、

しかし、なぜか日本人の多くは、この2つが違うという強い思い込みがあり、多くの家庭、多くの部活動などでは、この「良い暴力」が、子供を「良い子」へ成長させると考えられているとし、その「良い暴力」信仰を持った人間が、毎年、百数十万人も社会に送り出されることで、「パワハラ社会」にならない方がおかしいではないか。

と迫り、

皆さんの会社でも、当たり前のようにパワハラ研修をやっていることだろう。
その前段階の学校でも「イジメは良くない」「暴力は良くない」「相手の気持ちを考えよう」という教育を耳にタコができるほど受けてきたはずだ。

しかし、この世の中が何も変わらないのは、実は会社や学校に入った時点で、もう既に手の施しようがないほど「良い暴力」に対する信仰が固まってしまっているからなのではないか。

日本の家庭が「愛があれば良い暴力」というダブルスタンダードから脱却できぬ限り、日本社会からパワハラが消えることはない。

と結論づけています。

私は、子どもへの体罰には「尊敬(リスペクト)」の感覚が欠如してることを見てとっています。

「尊敬(リスペクト)」の感覚があれば、つい子どもに手を挙げたい気持ちになることがあっても、ふと大切な子どもの命とお互いの関係性をより良くしたいという原点に立ち戻って、ふっと我に立ち返ることができると信じています。

私の研修を受けた、小学校4年生のお嬢さんを持つお母さんがこんなことを言っていたのが思い出されます。

「子どもを大声で叱ったり、時に手を挙げたくなったときは、『リスペクト、リスペクト・・・・』と、呪文のように繰り返せばいいのですね。これからそうします」

それでも、なかなかセルフトレーニングが徹底できない人には、次の過去記事をお勧めします。

◆ 2017年08月20日付けブログ 子どもへの尊敬を取り戻す詩:『頬』(竹内 てるよ)

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(10 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

3連休のうちに8月3日(土)から始まるペルグリーノ博士の3つのワークショップのうちの 自尊心を高めるワークショップ (8月3日・4日(土・日))と 面接・質問技法 (8月7日・8日(水・木))のテキストの翻訳のチェックが終わりました。
残るは、5つのライフタスク (8月10日・11日(土・日))だけになりました。

今年の申し込み状況は、今年の天気のように例年より少々湿りがちのところがあります。

北米地区に伝わるアドラー心理学のシカゴ学派、ニューヨーク学派、サンフランシスコ学派の3つを学ばれた ジョセフ・ペルグリーノ博士 の直接指導を受けられる絶好の機会(通訳付き)です。

受講ご検討のほどよろしくお願いしますね。

さて、カウンセリング演習(土日、祝祭日コース 平日コース)の指導をしていて、カウンセラーからの質問について、私がかなりうるさく言っていることがあります。

「自分で準備している質問を次々と繰り出してはならない」ということです。

ひと言で言うと、「アマチュア・カウンセラーは、自分の聴きたいことを質問するのに対して、ベテラン・カウンセラーは、クライアントの語りたいことを質問する」ということです。

前者は、準備している質問を自分ペースで発することです。

それに対して、ベテラン・カウンセラーは、あらかじめ質問したいことを頭に入れていたとしても、クライアントとの関係性とTPOに応じて、臨機応変の質問を発します。

私は、後者を「創発する質問」と呼んでいます。

面接・質問技法 ワークショップのテキストの翻訳チェックをしていて、7.「面接・質問技法に関するアドラー派のいくつかの情報源」のところでペルグリーノ博士が次のように書いているのを見つけました。

私がデモンストレーションをすると、参加者からしばしば次のような質問を受けます。
(1)「正しい質問をどうやって探しているのですか?」
(2)「あらかじめ何を質問するかわかるのですか?」
(3)「どのように正しい質問を選ぶのですか?」
(4)「尋ねる質問が効果的になるということがどうやってわかるのですか?」
(5)「なぜ、確実な質問を選べるのですか?」
(6)「他の質問も選んでいたんですか?」
(7)「そんな特別なやり方で言ったのは、なぜですか?」
「他のやり方でもそう言えたのですか?」等々

私の答えはいつも次のようなものになります。

私はアドラー心理学を教え、実践しているので、私の1回ごとの、そしてすべての面接と質問は常にアドラー心理学、その基本原則と概念、面接・質問技法についての記述に基づいています。
私は自分の言動を、一人ひとり違うクライアントとその問題に合わせて調整する必要性があり、クライアントの置かれた状況で彼らに適切だと思われるやり方でなにか言うこともあります。
つまり私はクライアントを援助するために考えなければならないし、独創的で創造的であらねばなりません。


まさに、「創発する質問」に言及した部分です。

面接・質問技法 ワークショップでしっかりとアドラー派のカウンセリングでどう面接し、質問を投げかけるかについて学びませんか?  

ペルグリーノ博士の「創発する質問」をライブで観察する格好の機会です。

日時:8月7日・8日(水・木)10:00~17:00

会 場:ヒューマン・ギルド研修室

受講料:会員 48,600円、一般 54,000円(通訳・日本語テキスト付き)

内 容:カウンセリングや心理療法で用いられる面接・質問技法に焦点を当てて、小講義、個人およびグループ演習、ケース分析、デモンストレーションを通じて身につけるワークショップです。
このワークショップに参加されると、ご自身がカウンセリングや心理療法に限らず日常場面で面接や質問の仕方が上達します。

申し込み方法:https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/268 こちらから詳細確認及びお申し込みができます。

なお、2日のうち1日しか参加できない方には、1日だけの受講も受け入れています。
ご相談ください。
(1日のみの参加の受講料:25,300円)

 人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(9 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月13日)は、一種の「研究日」でした。

ある大学の准教授からアドラーの「攻撃性」「攻撃的衝動」について質問を受けていたので、アドラーの文献(日本語、英語)からアドラーの文章を抜き出して回答しました。

ところで、最近は『生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと』(アルフレッド・アドラー、 長谷川 早苗訳、興陽館、1,700円+税)を遅読で学んでいます。

生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと
Alfred Adler著、長谷川 早苗訳
興陽館

アドラーの1933年の本で、“Der Sinn des Lebens”(『人生の意味』)のタイトルでドイツ語が原典です。

英語では“Social Interest”として1938年に出版されています。

日本では、アルテから岸見一郎さんの訳で『生きる意味を求めて』(2,000円+税)として出ています。

生きる意味を求めて―アドラー・セレクション
Alfred Adler著,岸見 一郎訳
アルテ

 

翻訳は、独日翻訳の専門家の長谷川 早苗さん。

330ページのうちのまだ1/3くらいしか読んでいませんが、「です、ます」調の平易な訳で、編集協力、編集補助の人たちがアドラー心理学をわかっている人たちのようで、筋違いな用語の使い方はありません。

その上、巻末に『生きる意味を求めて』にはない「個人心理学チェックリスト」が入っています。

ただ、難点は、『生きる意味を求めて』と比べて小見出しがないため平均20ページの15の章を読み切らなければならない気持ちになることです。

同じ原典でも、訳が違うとまるで違った本のように新鮮で、マーカーを引く場所が違うのが面白いし、いろいろ考えながら読むことになるので、遅読の効果が出るようです。

アドラーの出版のピークの1930年、1931年の本と比べると、アドラー自身が自分の打ち立てた理論を初期から振り返ったかのような印象を受けました。

本書の目次は、次のようです。

はじめに 子どもたちを待つ過酷な試練とは
1.自分と世界をどうとらえればいいのか
2.人生を読みとる心理学の道具や手法
3.人生の3つの課題に出会ったとき
4.肉体と精神はいかに影響しあうのか
5.体形、行動、性格
6.劣等コンプレックス
7.優越コンプレックス
8.育てにくい子どもたち
9.甘やかされたひとの架空の世界
10.そもそも神経症とはなにか
11.性的倒錯者たち
12.いったい「自我」とはなにか
13.母親と父親が子どもの成長に与える影響
14.白昼夢と睡眠時の夢
15.「生きる意味」とはなにか

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(8 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月11日)は、大阪にやって来て2010年から毎年お手伝いをしているT社の新任管理職研修を行っていました。
今日は、2日目を担当します。

T社の研修を17:25に終えてから新大阪の 株式会社 タナベ経営 をお訪ねしました。
ご依頼をいただいている経営者を対象とするビジネス情報誌『FCCレビュー』(11月号から1年間の予定)のことで戦略総合研究所パブリッシングの吉永 亮課長、池山佑子主任、八田祐介さんと打ち合わせをしました。

私は 株式会社 タナベ経営 の創始者の田辺昇一氏(1922年3月15日 - 2015年12月22日)の本を大学時代から『関西商法 東京を占領した大阪の大将たち』(カッパ・ビジネス、1966 のち新潮文庫)を皮切りに10冊以上読んでいました。

経営者に役立つアドラー心理学を連載するのが楽しみです。

打ち合わせが終わって、池山佑子主任、八田祐介さんに加えて戦略総合研究所 人材開発の新島泰久也さんを加えて懇談の場を設けていただきました。


(私の左が池山さん、右が新島さん)

お酒の入った懇談の場にも関わらず、私はとても有益な話の連続で何度もメモを取ることになりました。

初対面にも関わらずこのような場を設けてくださった池山さんに心から感謝申し上げます。


さて、これからが本題です。

7月4日(木)配信のヒューマン・ギルドのメルマガをこのブログに掲載します。

ペルグリーノ博士との20年

ジョセフ・ペルグリーノ博士(モントリオール個人心理学研究所 理事長、ヒューマン・ギルド最高顧問)との交流を振り返ると、最初の出会いが1999年4月末のことですから、20年に達していることになります。当時博士が教鞭をとられていたモントリオール・アドラー心理学大学院でのことでした。

早速、モントリオール・アドラー心理学大学院の副理事長のトゥルーディー・フリードマンさんと共に来日を要請し、その年の8月に東京、札幌、仙台、長岡でワークショップを開催したところ、どういうわけかペルグリーノ博士に人気が集中しました。

2000年からは、ペルグリーノ博士単独でお招きするかたちになり、心臓のバイパス手術をされた年を除いてほぼ毎年、そして今年で23回目の来日になります。

2000年の11月の来日時には、ペルグリーノ博士が東京で最後のワークショップを終えたタイミングで、最愛のライサ夫人がこの世を去るという衝撃的な事件がありましたが、ペルグリーノ博士は、この喪失感を克服しながらも日本でのご指導に情熱を捧げてくれています。

ペルグリーノ博士は、私や家族の誕生日をしっかりと覚えてくれていてそのたびに、また、私のブログもグーグル翻訳で読み、折に触れてご丁寧なメールをくださいます。

私が不義理をしていて久しぶりにメールをすることを詫びると、「トシ(私のことをこう呼びます)の忙しいことはブログで十分知っているよ。君の活躍をとても喜ばしく思っている。そもそも君とは『義兄弟』の契りを結んでいるから信頼の絆は人一倍強い」と書いてくれたりして、私は思わず涙ぐんでしまうことがあります。

「ウォーキング・エンカレッジャー(存在そのものが勇気づけの人)」の博士は、精神的な健康の要件としての「自己受容、所属感、信頼感、貢献感、責任感、勇気」を備え、よい人間関係の条件の「尊敬、信頼、協力、共感、平等、寛容」で人に接する人で、「精神的な健康のバロメーター」としての共同体感覚そのものの人です。

そのペルグリーノ博士が8月1日(木)に来日され、3つのワークショップをそれぞれ2日ずつ担当されます。通訳は、22回目の埴原由美さん。ペルグリーノ博士、埴原さん、そしてファシリテーターの私は「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれています。

現在テキストを永藤かおるさんと共に翻訳中ですが、以前に行ったワークショップのテキストにも大幅な修正が施され、その箇所は5割以上に及びます。また、「5つのライフタスク」は、「博士の20年にわたるご指導の中でも初開催の講座」であることが売りになっています。

今までお会いしたことのない人だけでなく、数度となく会っている人も、今年の盛夏にペルグリーノ博士のワークショップに参加されることを期待しております。

*追記:ご都合により2日間のワークショップのどちらか1日しか出られない方には、便宜を図ります。
また、ヒューマン・ギルドの会員であれば、延払いも相談に応じます。

◆ジョセフ・ペルグリーノ博士の講座

今年も博士のデモンストレーションに魅了される6日間になりそうです。多くの方々のご参加をお待ちしております。

※以下会場まで3講座共通

 3講座共に2日間コース

 料金:通訳:ファシリテーターは3講座共通

 時間:両日共に10:00~17:00

 通訳:埴原由美氏

 ファシリテーター:岩井俊憲

 受講料:会員48,600円、一般54,000円

 会場:ヒューマン・ギルド研修室

-----------------

自尊心を高めるワークショップ 日程:8月3日・4日(土・日)

このワークショップの狙いは、自尊心(セルフ・エスティーム、自己肯定感・自己受容ともいわれます)を高めることにあります。劣等感に負けない本物の自尊心を身に着けるために、色々なワークやディスカッションを通して学んでゆきます。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/269 こちらから詳細確認及びお申し込みができます。

-----------------

面接・質問技法  日程:8月7日・8日(水・木)

カウンセリングや心理療法で用いられる面接・質問技法に焦点を当てて、小講義、個人およびグループ演習、ケース分析、デモンストレーションを通じて身につけるワークショップです。このワークショップに参加されると、ご自身がカウンセリングや心理療法に限らず日常場面で面接や質問の仕方が上達します。2017年8月5・6日開催の「アドラー派のカウンセリング~」との重複はほとんどありません。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/268 こちらから詳細確認及びお申し込みができます。

-----------------

5つのライフタスク 日程:8月10日・11日(土・日)

アドラーは、人生の課題(ライフタスク)を仕事、交友、愛/性の3つとして捉えていましたが、アドラーの死後30年経ってドライカースらはセルフとスピリチュアルの2つを加えました。

この2日間のワークショップでは、その5つのライフタスクをさらに深く堀り下げるものです。

アドラーの時代から進化の著しい現代のアドラー心理学に基づき、現代に生きる我々が日々直面するタスクをしっかりと学べる、討議、演習、デモンストレーション付きのワークショップです。

博士の20年にわたるご指導の中でも初開催の講座です。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/267 から詳細確認及びお申し込みができます。

-----------------

 ◆ペルグリーノ博士23回目歓迎パーティー 日時:8月10日17:30~

会場:SOPRA ACQUA(ソプラアクア)

※当初の会場から変更になりました。ヒューマン・ギルドの斜め前です。

 参加費:5,000円

※講座にお申込みの方はご一緒にお振込みください。

 https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/490 から詳細確認及びお申し込みができます。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(7 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

このところブログの更新頻度を1日おきにしていますが、ありがたいことに訪問者数も閲覧数もほとんど変わりがありません。

私としては、時間を有効活用できて助かっています。


さて、今日のテーマは「体罰」です。

2019/7/9 1:30日本経済新聞 電子版 尾木直樹氏「耳を傾けて」/桑田真澄氏「なぜ」教える  体罰なき子育て~インタビュー編(上) では、

体罰禁止を初めて盛り込んだ改正児童虐待防止法が成立した。
体罰根絶に先行して取り組んだ教育、スポーツの専門家は「体罰は逆効果」と指摘し、子供に耳を傾ける姿勢が自発性を生み出すとアドバイスしている。

として2人のインタビューが載っていました。

この体罰の記事から私は、小学校4年生の時に担任のS教諭から受け続けていた激しい体罰を思い出しました。

一度や二度の体罰ではなく、それこそ1学年のうちに10発近くのひどいビンタを受けていました。

頬が手のひらのかたち(「紅葉腫れ」とS教諭は呼んでいた)に腫れ、歯ぐきから血が滲んでいる状態で家に帰った私は、正座している母親の前で「あんな学校行きたくないよ」と訴えていました。

当時、PTAの副会長でもあった母親は、ひたすら「辛抱するんだよ」と言うだけなので、私は、1年生から3年生までの通信簿をビリビリと破りながら号泣していたことが思い出されました。

その当時の私は、今なら確実にADHDと診断される注意欠陥/多動性/衝動性の傾向があったので、それを持て余したS教諭は、暴力で押さえようとしたのでしょう。

9歳から10歳であった小学校4年生にして私は、世の中で初めて「憎悪」(怒りよりも「こいつをいつか殺したい」と思うほどの、復讐心を伴う激しい憎悪です)の感情を抱いたことを思い出していたのです。


そこで私は、無力だった母親と一体化しようと、瞑想を行いました。

私は、イメージで母親の胎内に入りました。
そして、生まれ育つ過程を振り返る瞑想。

私には宇宙に浮かぶとても心地よい空間を味わえましたが、母の立場になると、4人も子どもがいるので、望まない妊娠だったことでしょう。

その上、2歳上の兄は、昭和22年8月15日という終戦の翌日の生まれ。

満足に乳も出ず、おまけに当時のひどい食料事情。

その兄がまだ手のかかる2歳4か月の時に私は生まれたのです。

周囲も医師も出産を阻止しようとしたにも関わらず、「何としてもこの子を産む」と私を産んだ母。

新憲法が発布されたばかりの年に「憲」を使うことを認めようとしなかった市役所の戸籍係の職員の発言に抗して押し通したという名前にまつわる伝聞。

「俊憲」というのは、「優れた手本」を意味すると伝えられたこども時代。

母は、体罰を受け続ける私に無力のように思えたけれど、きっと何かの動きをしていたのでしょう。

5年生になったとき、女性のM先生が担任になりました。

その事情を聞くことができないまま今日を迎えていますが、両親に生涯一度も体罰を受けたことがなかった私は、人一倍体罰を憎みます。

体罰をする側は、「愛情」だとか「教育」だとか、都合のよいことを言うでしょうが、体罰を受ける側は、ほとんどそんなことを思うことはないでしょう。

アドラーが書いてます。

「子どもの人格形成について、・・・・罰を与える、叱責する、お説教をするという方法は、子どもにとって得るものは何もない」(『生きるために大切なこと』P.24 )

子どもに得るものは何もないのです。

私は体罰をする親や教師に強い警告を与えると共に、 尾木直樹氏「耳を傾けて」/桑田真澄氏「なぜ」教える  体罰なき子育て~インタビュー編(上) の桑田真澄氏の言葉を記しておくことにします。

――2012年に大阪市立桜宮高校のバスケットボール部員が自殺した問題を受け、スポーツ界では体罰根絶の機運が高まりました。桑田さんは以前から、体罰のない指導を提言しています。

体罰で子供は自分で考える意志をなくします。
プレーも失敗を恐れて消極的になる。
例えば野球の守備で、ボールを後ろにそらさないよう膝をついて体で止めるようになる。
送球までの動作が遅くなり、ランナーをアウトにする本来の目的から逸脱してしまう。
体罰では子供は上達しません。

――体罰なき指導はどのようなものですか。

「なぜならば」を教えることです。
なぜこの練習が必要なのか、時間をかけて伝えて自発的に取り組んでもらう。
そのためには指導者も最新の理論を学ばなければいけません。
自分の経験だけで指導はできない。

そして、子供に敬意を払い、意見を引き出す。
子供の発想から指導者が学べることもあります。
私はバットを握る左右の手をくっつけるように指導していました。
しかし、「離した方が手首が返しやすい」という子がいた。
実際にやってみると確かにそう感じた。今ではパワーのない子には離した握り方も試してもらっています。


創造的な子どもに敬意を払い「子どもの目で見、子どもの耳で聞き、子どものこころで感じる」共感に基づき、信頼の態度で接すれば、暴力的な問題解決の方法である体罰など思いつくはずもないのです。

体罰を受けた子がいじめをしたり、やがて大人になってパワハラをしたり、自分の子どもに体罰の連鎖を食い止めるためにも、アドラー心理学は、まだまだ影響力を発揮する余地があります。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(6 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

一昨日(7月6日)と昨日(7月7日)は、東京と大阪で 株式会社バンタン(Vantan) の保護者の研修を行ってきました。

どちらも時間は13:30~15:00でしたが、私は、15:30から30分ほどミニ・カウンセリングの時間を設けました。

講座のタイトルは

ご家庭で実践できるアドラー心理学勇気づけセミナー

内容は

1.たちまち力を発揮する人になる秘訣
2.思春期の理解
3.勇気づけのかかわり

を伝えました。

いつもながらの2人一組で討議・演習を交えながらの展開で、最初は面食らう人たちもいましたが、終わってみると、アンケートには必ず「2人一組で話ができたのがよかった」と書いていただいています。


ところで、雨の東京から30度を超える蒸し暑さの大阪の行き帰りの新幹線の中で遅読で学んでいた『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』(ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン&マーク・ブラゲン 著/今井康博・日野遼香 訳、川島書店 3,800円+税)をやっと読み終えました。

アドラー心理学を生きる
―勇気のハンドブック
ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン &
マーク・ブラゲン 著
今井 康博,日野 遼香訳
川島書店

2人の訳者による訳語の不統一などの問題はありますが、アルフレッド・アドラー以来の進化を遂げているアドラー心理学を体系的にしかもガッツリと学ぶことができる本です。

第1部「理論的基礎」では、「勇気」と「共同体感覚」と「ライフタスク」について網羅的に学ぶことができます。

第2部の「社会生活の勇気」では、5つのライフタスクを「勇気」と関連づけてがしっかりと理解できるようになります。

第3部の「意義と実践」では、「勇気を高める技術」として、勇気づけの技術と勇気を高める技法が「これでか、これでもか」というくらい21種類も提供されます。

初めての人、アドラー心理学の本を数冊読んだ程度の人は、読みこなすのが困難でしょうが、 アドラー心理学ベーシック・コース を受講した人であれば、根気は少々必要でしょうが、読める本です。

私がこの本をここまで強くお勧めする理由は、

1.「勇気」についてこのレベルまで書かれた本は — 私の『勇気づけの心理学 増補・改訂版』(金子書房)と比べても — 存在しないこと

2.主要著者のジュリア・ヤン(台湾出身の在米アドラー心理学者)の学びと体験がいかんなく発揮されていること

3.訳者の一人の今井 康博さん(上智大学言語教育研究センター准教授)の熱い思い入れが「訳注」や「訳者あとがき」を通じて伝わっていること

4.「図」や「表」が抜群に素晴らしいこと

などです。

今井さん、いい本を出してくださりありがとうございました。


◆この夏にアドラー心理学の本場の北米地区(カナダ)からジョセフ・ペルグリーノ博士による23度目の来日で「勇気」と「ライフタイスク」をしっかりと、それぞれ2日間ご指導くださります。

共に2日間コース

料金:通訳:ファシリテーターは3講座共通

時間:両日共に10:00~17:00

通訳:埴原由美氏

ファシリテーター:岩井俊憲

受講料:会員48,600円、一般54,000円

会場:ヒューマン・ギルド研修室

-----------------

自尊心を高めるワークショップ 日程:8月3日・4日(土・日)

このワークショップの狙いは、自尊心(セルフ・エスティーム、自己肯定感・自己受容ともいわれます)を高めることにあります。劣等感に負けない本物の自尊心を身に着けるために、色々なワークやディスカッションを通して学んでゆきます。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/269 こちらから詳細確認及びお申し込みができます。

講座のアウトライン:

1.導入、グループづくり、アイスブレイク、守秘義務について
2.ワークショップの説明・目的・進め方
3.自尊心の概念:いくつかの定義と概観
4.自分自身の自尊心を査定する(個人演習)
5.自尊心はいかに発達するのか ― その影響と結果
6.自己批判:その発達と影響
7.ペルグリーノ博士の個人的なケースおよび正常な自尊心の増加と維持のメソッド
8.自己宣言:信念、態度および行動
9.実験的演習:悪い状況を満足なものに変える
10.自尊心を高めるための有用な考察
11.自尊心を高めるための心理的影響の解決
12.実験的演習:未来とのつながりを築く
13.新しい個人的な信念のためのメタファーの作成
14.ワークショップの終わりに

5つのライフタスク 日程:8月10日・11日(土・日)

※当初の予定から会場がヒューマン・ギルドに変更になりました。

アドラーは、人生の課題(ライフタスク)を仕事、交友、愛/性の3つとして捉えていましたが、アドラーの死後30年経ってドライカースらはセルフとスピリチュアルの2つを加えました。

この2日間のワークショップでは、その5つのライフタスクをさらに深く堀り下げるものです。

アドラーの時代から進化の著しい現代のアドラー心理学に基づき、現代に生きる我々が日々直面するタスクをしっかりと学べる、討議、演習、デモンストレーション付きのワークショップです。

博士の20年にわたるご指導の中でも初開催の講座です。

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/267 から詳細確認及びお申し込みができます。

講座のアウトライン:

1.導入、グループづくり、アイスブレイク、守秘義務
2. このワークショップの序論・目的・進め方
3.ワークショップのトピックの導入
4.ワークタスク(仕事のタスク)
5.社会的タスク=交友のタスク
6.セルフタスク(自己のタスク)
7.スピリチュアルタスク
8.愛のタスク(セクシャルタスク)
9.ワークショップの終わりに

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(5)
 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月5日)のビッグ・イベントは、「人間学を学ぶ月刊誌」『致知』致知出版社)9月号(8月1日発売)のための 佐藤 等さん(ドラッカー学会 理事、公認会計士、法務・会計プラザ代表) との対談。

致知出版社 取締役、致知編集部 副編集長 藤尾 允泰さん の巧みな手綱さばきで13:30~15:30に

テーマ:「アドラーとドラッカーに学ぶ人間学」

1.アドラーとドラッカーの共通点

2.それぞれの偉人との出逢い

3.我が人生に及ぼした影響

4.心に残るアドラーとドラッカーの言葉

5.いま、二人の偉人から私たちが学ぶべきこと

6.特集テーマ「読書尚友」についての所感

の内容について進められました。

対談が始まってしばらくすると、藤尾 秀昭代表取締役と柳澤 まり子取締役副社長もご来席。


佐藤先生も私もこの対談のために資料をしっかりと準備していました。

佐藤先生は、2003年からドラッカーの読書会を始め、その回数は800回に及ぶとのことで、しかも、日本語訳のドラッカーの本や論文をすべて読みこなしていらっしゃることに刺激を受けました。

私は、アドラー心理学との最初の出合いが、大学時代のW.B.ウルフの『どうしたら幸福になれるか 上・下』(岩波新書、絶版)で、この本を一光社から監訳で『どうすれば幸福になれるか 上・下』として出して、両方を合わせると20回ほど読み込んだことをお話ししました(写真左)。

本当なら内容を詳しく書きたいのですが、どうか『致知』9月号(8月1日発売)を楽しみにしてください。

対談が終わってからは、藤尾 秀昭代表取締役、藤尾 允泰 副編集長も交えて写真撮影。

藤尾社長からは、ブログ掲載のご許可もいただきました。

同席した 目次 心さん も含めた3人で 致知出版社 を辞去すると、社長を筆頭に関係者の方々は、私たちが坂道を降りて左折するまで見送ってくださいました。

佐藤先生と私たちは、表参道のStarbucksでコーヒーを飲みながらさらにお話しができました。

弊社のニュースレターの行事予定に目を通し、アドラー心理学の講座に関心を持たれた佐藤先生のお人柄に魅了されると共に、アドラーとドラッカーの本をさらにしっかりと読みこなそうとの意を強めた刺激的な午後でした。

なお、このような展開へのきっかけを作ってくださったのは、致知出版社 営業部の係長の 松澤 広幸さん → 書籍編集部課長の小森俊司さんでした。

松澤さん、小森さんを初めとする致知出版社 の方々、対談相手の佐藤先生に心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。

◆「人間学を学ぶ月刊誌」『致知』は、書店で購入できません。
定期購読をお勧めします。

私は、発刊以来41年のうち39年ほどの読者です。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(4)
 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月3日)は、ブログの更新を休みましたが、訪問者数は更新した日とほとんど変わりませんでした。

このことが確認できたので、これからは、この頻度で行こうとの意を強めました。


さて、半月ぶりの「遅読で学ぶアドラー心理学」シリーズで、今回は5回目です。

◆今までに4回ほどブログに書いていますので、ご興味のある方はお読みください。

第1回目 5月17日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』
第2回目 6月4日付けブログ   遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【勇気】について
第3回目 6月11日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【共同体感覚】について
第4回目 6月17日付けブログ 遅読で学ぶアドラー心理学:『アドラー心理学を生きる』から【ライフタスク】について


第5回目の今回は私が遅読で学んでいる『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』(ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン&マーク・ブラゲン 著/今井康博・日野遼香 訳、川島書店 3,800円+税)から第2部「社会生活の勇気」の前半部分です。

アドラー心理学を生きる
―勇気のハンドブック
ジュリア・ヤン、アラン・ミリレン
& マーク・ブラゲン 著
今井 康博,日野 遼香訳
川島書店

第2部「社会生活の勇気」は、下記の6章で構成され、この本の1/3強を占めています。

第4章 仕事の勇気
第5章 愛の勇気
第6章 友情と家族のための勇気
第7章 所属の勇気
第8章 存在の勇気
第9章 精神的な幸福の勇気

理論的には、主要部分と言っていいでしょう。

この第2部からは「ソクラテス式問答」が登場します。

読者がこの問いかけに対して回答しながら読み進めることで、この本の価値が増します。

その点では、アドラー・カウンセラー養成講座 を修了している人たちがグループを形成して読書会を行うのに適している本でもあります。

この第2部の内容に話を戻すと、私は、第4章「仕事の勇気」、 第5章「愛の勇気」から重要なヒントを得ました。

第4章「仕事の勇気」には、こんなことが書かれています。

アドラー的な枠組みにおける職業は、「コミュニティにとって役に立つあらゆる種類の仕事」と定義され、 様々な遊びの活動、家事、子どもたちの学校の勉強、あるいは生涯を通じ人生における役割を果たすための有給・無休の仕事なども仕事に含まれる。

仕事のタスクのことが明確に語られています。

その後に、最初の「ソクラテス式問答」が入って、「個人の劣等感」「集団の劣等感」に続いて「新しい恐怖:プロティアン・キャリア」に入ります。

「プロティアン・キャリア」というのは、変化する能力で知られるギリシア神話の海神・プロテウスになぞらえたキャリア論で、

21世紀のキャリアは、プロテウス的で、個人によって突き動かされ、その時々の自身の内部あるいは外部の変化に応じることによって再構成される。 プロティアン・キャリア志向を持つ今日の労働者にとっての働く勇気とは、自律性、自由と成長に置いた中心的価値観、高い流動性、心理的な成功、満足感、そして仕事への専門的な関わりといった観点での成功を指す。

として、組織、昇進、低い流動性、成功の目安としての給与増、組織内部での責任の焦点を当てた伝統的なキャリア論とは一線を画しています。


第5章「愛の勇気」では、愛(love)を表す言葉を4つのギリシア語に分けて論じています。

ストルゲー・・・・親愛の情
フィリア・・・・友情愛
エロス・・・・性的な愛
アガペー・・・・神の愛

これは独創的です。

最初の3つは自然な愛、アゲペーは神からの愛、だとして、「これらの愛の4つともすべてには、愛の3つに絡み合った要素― 必要な愛、贈り物の愛、そして感謝の愛がある」と書いています。

その上で、P.70からはアガペ愛が対比表にさかんに登場し、「他者相手への関心=共同体感覚」をい1項として、エロスに基づく愛や結婚との対比が展開されます。


中間的な印象では「何だこの本は!」という、一種の違和感と共に感激を伴う『アドラー心理学を生きる ― 勇気のハンドブック』ではあります。

◆ライフタスクをテーマにペルグリーノ博士のワークショップ(通訳・日本語テキスト付き)を行います。
博士の20年にわたるご指導の中でも初開催の講座です。

5つのライフタスク  

日時:8月10日・11日(土・日) それぞれ10:00~17:00 
受講料:会員 48,600円、一般 54,000円(税込・テキストつき)

アドラーは、人生の課題(ライフタスク)を仕事、交友、愛/性の3つとして捉えていましたが、アドラーの死後30年経ってドライカースらはセルフとスピリチュアルの2つを加えました。  

この2日間のワークショップでは、その5つのライフタスクをさらに深く堀り下げるものです。  

アドラーの時代から進化の著しい現代のアドラー心理学に基づき、現代に生きる我々が日々直面するタスクをしっかりと学べる、討議、演習、デモンストレーション付きのワークショップです。 

https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/267 から詳細確認及びお申し込みができます。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(3)
 



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

1年の後半のスタートの7月1日(昨日)の午前中は、歯と目のそれぞれのクリニックに行って、定期点検をしてきました。

午後は、7月5日(金)のある月刊誌の対談のためにひたすら準備をしていました。

7月の2日目の今日は、何とかブログを更新しましたが、これからはブログの更新頻度を今までの半分くらいにしようと思っています。

私は、ここ数年、1年365日のうち360日くらいブログの更新を行い、それなりの訪問者に来ていただいていたのですが、更新のための時間は、かなりの負担になりつつあります。

ご容赦のほどよろしくお願いします。

 
さて、私がここ数年いらだちを覚えていることを書きます。

それは、【目的】と【目標】の違いを知らない人が多すぎることです。

特に、心理学の世界の人たちに多くて、R.ドライカースの「不適切な行動の4つの目標(Four Goals of Misbehavior)」を「不適切な行動の4つの目的」と書いている人たちが多いのです。

”Goal”は「目標」であって”Purpose"の「目的」とは違います。

頓珍漢な答えをする人は「目標を達成するために、まずは目的を目指す」みたいなことを平気で言います。

私自身は、経営学を学んでいる人間なので、【目的】と【目標】の違いを明確に説明できます(詳しくは後述)。

先日、『実践するドラッカー【行動編】』(佐藤 等編著、ダイヤモンド社、1,500円+税)を読んでいたら、実にストーンとくる【目的】と【目標】の違いに出くわしました。

実践するドラッカー【行動編】
佐藤 等編著,上田 惇生監修
ダイヤモンド社

「目的は、行動するときの理由」「目標は、どのレベルまで行うかという到達点」だと明快です。

お金を貯めるには、まず何のための貯金かの目的を決め、それから来年の海外旅行の資金とか、将来の住宅取得の頭金のためになど考えてから海外旅行なら30万円、住宅資金なら1,000万円というように目標を決めることが書かれています。

つまり、目的が決まってから目標を決める例を引いています。

こだわりの強い私は、【目的】と【目標】の違いについて、『「勇気づけ」でやる気を引き出す! アドラー流リーダーの伝え方』(秀和システム、1,500円+税)の56ページの「コラム覧」で詳しく書いています。

「勇気づけ」でやる気を引き出す!
アドラー流 リーダーの伝え方
岩井俊憲
秀和システム

まだ腑に落ちない人がいるかもしれませんが、55ページの表と一緒に読むと、すっきり理解できるはずです。

チラ見程度にその一部を記しておきますね。

 「目的」と「目標」の違い 

「目的と目標の違いを説明してください」と尋ねると、まとも に答えられる人が極めて少ないことに驚かされます。

英語はそこのところが明確で、「目的」は「purpose」、「目標」 は「goal」か「objectives」で、「goal」には「到達段階」のニュアンスがあり、「objectives」には「目標値」の意味合いがあります。

漢字でもわかるように、「目的」が「目指す的(まと)」で、「何 のために?」の問いに答える、やや抽象的な使命や理念やビジョ ンなどを含んだ価値観であるのに対して、「目標」は、「どこかに向かう段階での標(しるべ)」で、「どこに向かって?」の問いに対する、数値でも示されることが多い具体的な指標です。

「目標」に、数値目標や短期目標や長期目標があり、変更が多いのに対して、「目的」には、数値目的や短期目的、長期目的という表現はありません。
また、一度設定した目的が頻繁に変わるのはおかしいことになります。

こうとらえてみると、どちらを先に決めるのが望ましいかわか りますね。目的を先に決めて、その目的を具体化するために、目標設定が必要になってくるのです。

(以下略)

もうこれ以上勘違いしないでくださいね。

スタートは、目的からなのです。

ダイエットだってそうですよ。

「〇〇キロを◇◇キロに減らす」から始めないでくださいよ。

人気ブログランキングへ
(クリックして勇気づけを)

<お休めコーナー>7月の花(2)
 



コメント ( 2 ) | Trackback ( )



« 前ページ