おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(4月28日)の夕方、タクロウが夏服を取りに家にやってきました。
1時間ほどのオンライン・ミーティングを終えてから一緒に食事をしました。
半年ぶりことでした。
マーケティングの最先端にいる人なので、相変わらず話題が豊富です。
私も途中からノートを手にしてメモをしながら聴きました。
仕事のことから You Tube「アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルド のことまで有益なヒントを提供してくれました。
私にとってタクロウはメンターに相当します。
限りない尊敬と信頼の念を抱いています。
一方では、子どもに嫉妬する親の話が 致知出版社 の致知BOOKメルマガ(4月24日配信)で紹介されました。
致知出版社 の書籍編集部の次長 の 小森俊司さん の許諾を得て転載します。
オリジナルは私の『経営者を育てるアドラーの教え』(致知出版社、1,400円+税)です。
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アドラー心理学を学ぶと
なぜ経営の問題が解決するのか――。
『経営者を育てるアドラーの教え』
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日本では当時ほとんど知られていなかった
アドラー心理学と出逢って約35年――。
船井総研の船井幸雄氏か
ら「勇気づけの本物の伝道師」として称賛されるなど、
アドラー心理学を日本に広めた第一人者として、
経営者層からの支持も厚い、
ヒューマン・ギルド社長の岩井俊憲氏。
18万人以上にアドラー心理学の研修や
カウンセリングを行ってきた岩井氏が、
初めて経営者向けに書き下ろした
アドラー心理学の著書が
『経営者を育てるアドラーの教え』です。
本書の内容の一部をご紹介します。
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経営者の嫉妬で最も多いのは
二代目の息子への嫉妬
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アドラー心理学では
「感情には目的がある」
と考えます。
先に述べたように、
怒りの感情にも目的があります。
そういう感情は排除するべきだと
考えるかもしれませんが、
それは何らかのサインとして必要なものなのです。
自分はどうしてこんなに焦っているのだろうかと
不安を感じれば、それに対処しようと備えますが、
怒りの感情もそういうサインであり、
必要なシグナルなのです。
特に経営者は自分の感情と
真摯に向き合わなくてはいけません。
自分はなぜ今、漠然とした不安を感じているのだろうか、
なぜこんなに部下に対してやきもちを焼いているのだろうか、
と感情を客観的に見る必要があります。
経営者の嫉妬というのは結構あります。
一番多いのは、創業社長が
二代目の息子に嫉妬するケースです。
息子が社長になった最初の頃は
「いろいろ教えてやろう」という心の余裕がありますが、
二代目が少しずつ力を発揮するようになると
排除したくなるのです。
タナベ経営の若松孝彦社長によれば、
仮に二人の男の子がいるとすると、
長男は母親に似るそうです。
すると、妻と関係が悪い社長であれば
長男を疎ましく思い、次男を可愛がるようになります。
長男と次男が争ったときには、
次男に助け船を出してしまうという
経営者が多いようです。
嫉妬の二つ目の理由は学歴です。
大体において後継者のほうが創業者よりも
学歴が高い場合が多いのです。
そうすると創業者は、
後継者が自分にない知識や人脈を持っていることに
嫉妬して、後継者を遠ざけようとします。
こうした嫉妬の源にあるのは、
創業経営者が後継者に対して
尊敬や信頼を抱いていないことです。
このような場合は、自分が息子に対して
ぎくしゃくした気持ちを持っていないかどうかを
点検してみたらいいと思います。
それが嫉妬の感情を確かめるためのサインになります。
なぜならば、自分にないものを持っていることに対する
陰性感情が嫉妬の本質だからです。
そういう感情がある限り、
経営はうまくいきません。
アドラーは言います。
「嫉妬は他の人をけなし、
非難などをするのに役立つだろう。
しかし、すべては他の人から自由を奪い、
呪縛、拘束するための手段である」
(『性格の心理学』)
と。
だから、後継者に対する嫉妬があったとしても、
その感情をコントロールしなくてはいけません。
相手を一人の人間として尊敬・信頼し、
自分の創業した会社を伸ばしてくれる存在として
認識する必要があります。
そのために、感情を自分のパートナーにする
ということが大事なのです。………
目 次
………
序 章 令和時代の経営者に求められる四つの条件
・自己変革をしない社長には社内の変革はできない
・経営者にこそアドラー心理学が必要な三つの理由
・恐怖・不信・軽蔑→尊敬・信頼・共感・協力の人間関係へ
・経営者の意識と行動が変われば、会社は変わる
第一章 尊 敬(リスペクト)
・アドラーで唱える尊敬の定義
・アドラー心理学を用いた叱り方の二つのポイント
・失敗をした人には必ず敗者復活のチャンスを与える
・やる気を引き出すために行う内発的動機づけ
・内発的動機づけの四つの要件
・「仕事の上の人間関係は尊敬に基礎を置かなければならない」
・経営者の嫉妬で最も多いのは、二代目の息子への嫉妬
・経営者といえどもメンターが必要
・配偶者は最も身近なメンターである
第二章 信 頼(トラスト)
・信用と信頼はどこが違うのか
・経営者は耳学問の大家になれ
・どちらが勝つ? 全力を出した四人組と手抜きした八人組の綱引き
・スタッフが牛耳り始めた会社はおかしくなる
・イノベーションの生まれる原点
・期待にはハシゴをかけろ
・目標の基準はグ・タ・イ・テ・キに
・目標と現実の乖離によってこそ、人間は努力し成長する
・信頼は人間を前に進ませる大きな力
第三章 共 感(エンパシー)
・共感とは、相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じること
・共感と同情の違いを理解する
・相手を効果的に説得する五つのポイント
・イノベーションの一番の抵抗勢力になるのは、社長自身?
・五年後にあなたの名前をネットで検索したときにどうなっていたいか
・社長の姿勢が変革のモデルにならなくてはいけない
第四章 協 力(コーポレーション)
・経営者はスタッフを結合し、化学変化を起こす仕掛け人
・何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすか
・困ったときは十のアイデアを出せ
・フィードバックを受ける力と、フィードバックを求める力
・ネガティブなフィードバックを歓迎する上司は必ず成長する
・「何を求めているか」でモチベーションを上げる方法は違ってくる
・原因追及のWHYではなく、協力のWHYを使う
・社員の一人ひとりが、どうユニークなのかを見極める
・感謝の見逃し三振はしてはいけない
・国も会社も人も、あらゆるものはミッションから始まる
まとめ
・生産性を高めるためには、人間性を復活させよう
・異質な個性のぶつかり合い(異床同夢)が会社力を高める
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『経営者を育てるアドラーの教え』(岩井俊憲著、定価=本体1,400円+税)
(注)ヒューマン・ギルドにも在庫がございます。
嫉妬は経営面だけでなく一般家庭でも多く見られます。
最近2冊ほど「毒親」に関連する本を読みました。
「毒親」の期限には「嫉妬」が付きものであることが納得できました。
タイトルだけ紹介しておきます。
『母という病』(岡田尊司、ポプラ新書、780円+税)
『毒親』(中野信子、ポプラ新書、860円+税)
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<お目休めコーナー> 4月の花(24)
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