おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私の監修本の紹介です。
『アドラー心理学を深く知る29のキーワード』(岩井俊憲監修、梶野 真著、祥伝社新書、840円+税)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/aa/b37f5ee464e9e2ffcad4e43e000fff69.jpg)
昨日(2月23日)、祥伝社から見本が5冊が届きました。
ミネソタのアドラー心理学心理学大学院で6年間学び、昨年帰国された梶野 真さんのデビュー作です。
私は「はしがき」に次のとおり書かせていただきました。
『アドラー心理学を深く知る29のキーワード』の本の監修者として、この本の持つ意味と、著者の梶野 真さんの人となりについて「はしがき」に書かせていただきます。
2013年12月発刊の『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著)がベストセラーになったのを契機に、アルフレッド・アドラーの名が「自己啓発の源流」として認知度が高まりました。それに伴い、「アドラー心理学」を知る人、語る人、学ぶ人が多くなり、書店では「アドラー」を名乗る本をたくさん見かけるようになりました。
30年以上アドラー心理学の普及・啓蒙に従事してきた私には、これはこれで好ましいことですが、一方で、著作の一部に次のような傾向があることを私は憂えています。
(1) アドラー心理学を学んだことがない人が、アドラー心理学の関係書を漁るように読み、もっともらしく1冊の本に仕上げている。
(2) アドラー心理学をほんの少し学んだだけで、アドラー心理学のある部分だけを本に書いているだけなのに、さも全体がアドラー心理学のようにして出版している。
(3) アドラーの言葉でないものを「超訳」と断ることもなく、さもアドラー自身が言った言葉のように引用している。
(4) 著者や一部の人の見解に過ぎないものを断定調に書いて、「これぞ正当のアドラー心理学」というように表現している。
天国にいるアドラー先生は、誤解・曲解を招きやすいこの状態を喜ぶどころか迷惑に思っているに違いありません。アドラーは、その高弟であるルドルフ・ドライカースの著書『アドラー心理学の基礎』に寄せた序文で次のようなことを述べています。
「ある人はこれ(アドラー心理学のこと)を理解するでしょうが、これを誤解する人の方が数は多いでしょう。多くの支持者を得るでしょうが、さらに多くの敵もできるでしょう」
アドラーは、今日の、あるいは近未来の日本のありようを見通していたかのようです。
こんな出版状況に『アドラー心理学を深く知る29のキーワード』が入るわけですが、この本は「29のキーワードをしっかり理解すれば、アドラーから始まり、その後も進化を重ねている心理学の全体像が把握できる」という内容を伴って発信されます。しかも、本場の、最新のアドラー心理学が盛り込まれているのです。先ほどの(1)から(4)に相当する本を書いている著者がこの本を読めばきっと、複雑な思いを抱くことでしょう。
この本は、第1編「『自分』とは何か」、第2編「『3つのライフタスク』とは何か」で構成されています。自分自身をよりよく理解でき、さらには、他者との関係がより円滑になり、さらには、自分が直面するさまざまな課題(ライフタスク)への対処がより適切になることでしょう。
また、本は3つの役割を兼ね備えています。
(1)これだけ知っておけばアドラー心理学の他の本、あるいはアドラー自身の本を読むための基礎知識が得られるという学びのガイド
(2)アドラー心理学をもとによりよく生きるための知恵の書
(3)アドラー心理学のキーワードを集めた用語集
<以下「この本の著者の梶野 真さんについて」は省略>
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