おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
ここのところ「ユーモア」のことを考え、ペルグリーノ博士のワークショップを開催し、また『笑いとユーモア』(織田正吉著、ちくま文庫、絶版)を読み、ユーモアのことがだんだんわかってきました。
織田正吉氏によれば、笑いは3種類に分類できるのだそうです。
人を刺す笑い・・・・・ウィット
人を楽しませる笑い・・・・コミック
人を救う笑い・・・・・ユーモア
ユーモアの本質が「人を救う笑い」だとすれば、アルフォンス・デーケン先生(上智大学名誉教授)が「ユーモアの本質は『にもかかわらず笑うこと』」と日頃おっしゃっていることが納得できます。
ユーモアは、自分自身の窮地を救うことがあります。
夏目漱石が教壇に立っていたころの話。
授業中、和服のフトコロに右腕を入れて授業を聞いていた学生がいました。
漱石は、見るに見かねて、
「キミ、キミ、手を出して授業を受けなさい」
と言いました。
学生が右腕をフトコロから出すと、手を失っていた学生であることが判明しました。
漱石は、とっさにこう言いました。
「私だって、ない知恵を出して授業をやっている。キミも右腕を出して授業を受けてくれないか」
大学時代にどこかで読んで覚えていた話です。
出典がどこだったか忘れて残念。