アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
2024年(令和6年)があと2日半で幕を閉じようとしています。
そんな年末だからこそ広い視野でこのニッポンという国を俯瞰し、未来への道標を考える示唆をします。
私は、14年連続で自殺者数 3万人以上1998年から2011年の間の2000年に「勇気の伝道師」のミッションを抱き、アドラー心理学の「勇気づけ」を教育、ビジネス、家庭などに広げようと邁進してきました。
しかし、道半ばです。
それでも、この志の灯を多くの仲間たちと共に未来を担う人たちに引き継ぎ、ニッポンが蘇ることを信じています。
ただし、以前のような経済大国ではなく、文化・技術大国として蘇ることをひたすら願っています。
そこで今日は3つのことについてお伝えします。
1.1人当たりGDP、最低の22位
2.ペリーが驚愕した日本の文化
3.『1日1分アドラー』の「おわりに」提出
1.1人当たりGDP、最低の22位
2024/12/23 共同通信社のニュースで次のことが報道されました。
・内閣府の12月23日の発表によれば、2023年の日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)がドル換算で3万3849ドルとなった。
・これは、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中22位(比較可能な1980年以降で、22年と並び最低順位)。
・21位の韓国を2年連続で下回り、23位のスペインとの差も前年から縮小した。
・これには、慢性的な低成長に加え、為替相場の円安進行が響いた。
図表は、次のとおりです。
もう1つ悲観的なグラフをお見せします。
「労働時間あたりGDPーアジア・太平洋版」です。
これを見ると、日本はアジア・太平洋の中位で、シンガポールからはるかに離され、オーストラリア、台湾、香港、韓国の後塵を拝しているのです。
思い切った言い方をすると、日本はもはや先進国ではなく中進国なのです。
私は、このように日本を長らく襲っている「ディプレッション(Depression)」が精神医学用語と経済用語で日本語で違った意味で使われていることを指摘しています。
精神医学用語では「うつ病、うつ状態」、経済用語では「不景気、不況」。
共通するのは、「エネルギー(活力、氣)が低下した状態」を意味します。
「失われた30年(大前研一氏によれば35年)」によって日本が失ったのは、経済的な活力だけでなく精神的な活力も、なのです。
2.ペリーが驚愕した日本の文化
ここからは「日本」ではなく活力がみなぎる「ニッポン」で表現します。
現代ビジネス 2024.12.27でこんな話を目にしました。
「黒船」が日本にきたとき、実は「ペリー」もまた「驚愕」していた…彼が「日本人」について語った「驚くべき内容」(播田 安弘氏)
↓
https://gendai.media/articles/-/144083?page=3
概要は次のとおりです。
・ペリーの日本来航時のエピソードをまとめた『日本遠征関連逸話集』(在NY日本国総領事館のウェブサイト)によれば、ペリーは寺子屋や藩校などで学ぶ日本人の教育水準の高さや、職人の腕のよさ、礼節を尊ぶ国民性に感嘆している。
・中国や他の東洋諸国では女性が夫の従属物のように扱われ無知の中に放置されているのに対し、日本女性は夫の伴侶であり、教育や品位があるとし、既婚女性のお歯黒は奇異ではあるが一夫多妻制もない日本は、道徳や規範において東洋諸国のなかで異質であると、好感を表している。
・日本人が潜在的に持っている技術力の高さを見いだし、こう述べている。
ー日本人の手工業上の技術の完全なことはすばらしく、日本の手工業者は世界の中でも最も成功していると言っていいだろう。
ー他の国民の物質的進歩の成果を学ぶ彼等の好奇心、それらを自らの使用にあてる敏速さによって、日本国民と他国民との交通から孤立させている政府の排外政策の程度が緩和されるならば、まもなく最も発達した国々の水準まで達するだろう。
ー日本人が一度文明世界の過去及び現在の技能を所有したならば、強力な競争者として、将来の機械工業の成功を目指す競争に加わるだろう。
次に、数年前の2021年版米誌USニュース・アンド・ワールド・リポートの「世界最高の国ランキング」の発表に注目してください。
調査はペンシルベニア大学ウォートンスクールなどと共同で毎年実施しているもので、世界78の国・地域を対象に、生活の質や市民の自由度、文化的な影響力、政治の安定などを76項目の指標で評価、ランク付けした結果です。
ニッポンは、世界の中でカナダに続いて「最高の国」の第2位のポジションにあります。
ニッポンの文化度の高さの指標とも言えます。
ペリーの残していた言葉と「世界最高の国ランキング」からすると、ニッポンが取り戻すのは経済大国への道ではなく、文化・技術面の復興かもしれません。
その意味では、アドラー心理学の貢献分野は、大きく期待されています。
3.『1日1分アドラー』の「おわりに」提出
昨日は、ひたすら2月21日発刊の『1日1分アドラー 悩みがゼロになる心の処方箋 72の言葉』(熊野 英一さん著、岩井俊憲監修、かや書房、税込み1,320円)の原稿のチェックを行い、それと共に私の分担の「おわりに」を書いて編集担当の末永 考弘(すえながたかひろ)さんに提出しました。
何だかよい年越しになったような気がします。
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<お目休めコーナー>12月の花(29)