時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

さよならミラー

2020-08-19 | 古い建物 のこと



最近見つけた夕焼けスポット。

遠回りしてもみたい景色。

公共施設が取り壊されてから何年間も放置されていた広大な空地。

西に開けた大きな空が見える貴重な場所だったのにな。

久しぶりに仕事帰りに遠回りして夕やけ空を見に行ったら…、重機が入り整地が始まっている模様。

かつての出入口に立つ錆びた鉄扉とカーブミラーも近いうちにさよならだね。

ちょうど西に向いてキレイな茜空を映してくれていたのにな。

これが見納めかもしれない。
綺麗な夕焼け雲をありがとう!





寺院のイキモノ

2020-02-05 | 古い建物 のこと


タージマハール!?

ではありません。
 
近くに用事があったので
少し遠回りして築地本願寺へ。
 
ここへ入るのは20年振りくらいかも。
 
以前来た時に印象に残っていたイキモノたちの像が見たくなって。
 
建築家伊東忠太氏設計の築地本願寺。
その全貌を目の当たりにすると、
異国に来たような不思議な気持ちになります。
 
まずは、ガーゴイルのような狛犬のような像たちをじっくり観察。
 








あ・うん のお口をしているからやっぱり狛犬さんなのね。
 
お次は、そうそうこの子たち!
また見たくなったのはこの牛さん、おんまさん。





ねこっぽいけれど、多分トラ。
ユーモアのあるお顔です。



こんな所におさるさんも居たのね。
 
そしてこの度一番ココロを奪われたのは、なんともすてきな笑みをたたえたぞうさん。
 
厳かな大理石の階段にそれぞれ一対ずつ据えられています。



見所が有りすぎてなかなか本堂に辿り着きません。
 
近代建築すきな者としては、階段ひとつとっても、なんとも味わい深い!
 
しかし、ここはお寺ですので
もちろん拝んでおきました。
 





細部にこだわった、つくづくうつくしい建築であります。
 

うずまきまきー

このざらっとした石が温かみがあってすきです。



いい建物です。
 
 
「築地本願寺」
 
古代インド仏教様式の現本堂は
伊東忠太氏設計により1934年落成。
国の重要文化財。
 

中之島図書館と星々の悲しみ

2019-10-10 | 古い建物 のこと








いつも父の入院や手術の為に緊急で行くことがほとんどな大阪。

父が元気な時にと思い立って、今回は仕事の隙間の三日間小旅行気分。

友達とも会えたし
父と久しぶりにゆっくり話せてよかった。

最終日、父と自転車さんぽ。
中之島図書館へ。

今まで何度か来たことがあったのだけれど、タイミングが悪くいつも閉館。
今回初めて中へ。

明治37年の近代建築。
入り口には右から「大阪図書館」とある。大阪初の図書館なのだそうだ。

入口の階段が素晴らしく美しく、ドームの屋根のステンドグラスがこれまた綺麗。

時間の余裕がなく、残念ながら入口の階段を見学しただけ。

近かったらここに通いたい。。。

中之島図書館。
実はまだ見ぬうちからこころの中でその空間を想像で作り上げていたのであります。

というのも…
20年以上前に読んだ宮本輝の「星々の悲しみ」にこの図書館が出てくるのです。

そして、輝氏ご本人もまた学生時代に足しげく通い、たくさんの古典文学に触れたのもここ中之島図書館だったそうで。。。

短編の中で一番すきな「星々の悲しみ」。

わたしの脳内では勝手ながら建物内はもっと薄暗いイメージだったのだけれど、とても明るくきれい。
写真を撮っているひとも多く(撮影は入口のみ)、図書館の入口というよりもすっかり観光地と化しているようです。

「星々の悲しみ」
また読んでみようかな。

あたらしいお札の主。

2019-04-10 | 古い建物 のこと
お札が刷新、のニュース。

で、つい先日
といっても1月頃たまたま通り掛かって、こんなとこにいらしたの!?と見上げたばかりです。

そしてなぜだか一枚パシャ。

新一万円札の主となる渋沢栄一氏の像。



工事中の橋の近くでひっそりと、現在の東京を眺めておいでです。





すぐそばに
昭和の名残が色濃いラーメン屋台を発見!なかなかいいですねー。食べてみたいです。

あと半月で昭和は二元号昔となるのですねえ。

たかだか半世紀ちょいの若輩者なのに、いぶし銀になっちゃったような気分です。


ばったり出会う近代建築

2017-09-07 | 古い建物 のこと

時間の積もった建物、大好物。

ともだちと上野のお隣稲荷町で待ち合わせたところ、
通りの向こうに見えるあの建物は・・・!



都内に残る近代建築では有名な「比留間歯科医院」さんではありませぬか!

昭和初期の木造2階建洋風建築。
なんてかわいらしい建物。

ばったり出会えて良かったなあ。

しかもこちら、今も現役の歯科医院!
近かったらここにお世話になってみたいわー。

すっかりビルに囲まれているけれど、ほんの数十年前にはきっと同じ時代の建物が
並んでいたのでしょうね。

街ち合わせ時間までちょっと街歩き。



銅板建築のお宅もまだちらほらと見受けられる裏通り。
(ん?電信柱傾いてない??)

戦火をくぐり抜けたタフな建物たち、いつまでもがんばって建っていてほしいものです。


古い駅の佇まい

2017-04-13 | 古い建物 のこと

先日、旧友3人で埼玉県西部の秩父市長瀞へさくら散策へ。

渋いなあ。。。秩父鉄道。
PASMOやSuicaが使えない電車に乗ったのは本当に久しぶり。
ボール紙くらいの硬い紙の切符を切ってもらう時のあの「ちょきん」という音!
あまりに懐かしく、降車するときに「持って帰っていいですか?」と聞いてみたら
裏に無効という印を押して持ち帰らせてくださった。







木造駅舎の長瀞駅。なんだか懐かしい風情だなあ。
大正初期の建築なのだそうだ。木製のベンチもいいねえ。



大きな汽笛にびっくり。ちょうどSL機関車が!(蒸気でよくみえません!)





今年は桜の時期が長くて、早咲きのサクラ+遅咲きのサクラ、
そして、菜の花や様々な花までどんどん花開いて、いっぺんで春景色です。



こうしてのんびりと知らない町を歩くのもいいもんだなあ。
何だか大笑いしつつお喋りの尽きない旧友たちとの散策。ありがたいことです。





帰りは長瀞のお隣の野上駅より乗車。この駅もいい感じねえ。





列車の日帰りトリップ。たのしい一日でありました。


記憶の中のギーガー・バー

2017-01-28 | 古い建物 のこと


昔の会社のOG会でいろんな懐かしい話をしていたら
「ほら、あれ、行ったよね?バブリーなバー、エイリアンのやつ!」

あ~~~行った行った、ギーガー・バー!

当時、白金に期間限定で突如現れた異様なバー。
あれは、バブルのハシリのころだったのかな。

全然バブリーじゃない弱小ビンボー出版社だったわたしたちも
誰かが言い出して、一度だけみんなで出かけた。

今みたいにケータイもない時代。(あ、例のでっかいのはブチョーが持ってた(笑)
写真も撮っていないのに、あの外観も内装もなんだかくっきりココロに焼き付いてる。
まるごとゴテゴテにあの「エイリアン」に出てくるブラックメタル系の異様なオブジェが貼りついていた。
あんなに建物丸ごとアーティスト色が出ているものってそうそうないよねえ。

短い期間だったとはいえ、よく建築許可が下りたものだなあ。
消防法とか大丈夫だったのかなあ??と今更ながらフシギだ。

あの頃、どこの街もなんだかとても賑やかで
街自体がイキモノみたいに蠢いていた。

渋谷の街の中に遊園地のアトラクションみたいなのが期間限定で出現したり
芝浦辺りの海の近くの倉庫には、現代アートのギャラリーが出現したり消えたりしていた。

アート好きな仲間と興味本位でいろんな場所に足を踏み入れたものだ。
マニアックな小さなバーや、フシギな場所にあるアンダーグラウンドなディスコ・・・
面白い店ができたと聞くと、仕事帰りにわいわい繰り出した。

今、遠い現在のここからあの頃を眺めてみると・・・
コワイものなしな時代だったんだなあと思う。
場違いでも、敷居が高くても、仲間が一緒なら平気だった。
若さってすごいなあ と今更思う。

自分の20代なんて、ついこの前のように思えちゃうけれど、
しっかり時間は廻り廻って
いよいよ「就活」の我が家の長男二十歳。

どうか居心地の良い「場所」と「ひと」にめぐり逢えますように。。。
自分らしい歩き方を見つけられるよう、親はこころで祈るのみ!

そして、若いうちにしかできない冒険も いっぱいしてほしいものだなあ。



 


山本有三記念館のさくら

2016-03-31 | 古い建物 のこと



以前ここを訪れたのは、二年前の ハナミズキが満開の春のこと。

その時に、庭の片隅にある桜の老木の瑞々しいきみどりの若葉が
それはそれは綺麗に芽吹いているのを見て、
花の咲いた姿も観てみたいものだなあと思ったことをふいに思い出して行ってきました。
思い立ってお誘いした恩師T先生と、のんびりたのしいお散歩の一日に♪


まるで崖に咲く花のよう。桜の木の幹の積年の苔と桜の花の饗宴がなんともうつくしい。



想像していた通り、とても趣があって気品を感じる桜でありました。

庭の東屋から眺めるお屋敷。

こんなお庭のある家に住んでみたいものだなあ・・・。
と、しばし妄想の世界へ。。。

いろんなところへレンズを向けるわたしに
先生が笑って云うには、わたしはちょっと目のつけどころが変わっているらしい。
まあ、、、それは否めません。(ちょいちょいともだちにもそう云われます。)

多分、わたしのほぼ半分は「夢想」で出来てる。
ということは、わたしの実体の半分はあってないようなもの。

ココロを透明に。どこまでも自由~でありたいものです。


山本有三氏が「ミタカ少国民文庫」として近隣の子どもたちに蔵書を開放していたこともあるこの洋館。
華美すぎず清楚でとてもすてきな建物です。


「山本有三記念館」は
三鷹駅から玉川上水脇の「風の散歩道」をのんびり歩いて約15分。
可愛らしい門が迎えてくれます。
春の風が気持ちのいいお散歩コースです。


魅かれる物体

2016-03-29 | 古い建物 のこと



うわ。めちゃイイ色合いのタイル。
信号待ちで立ち止まっていたら目に飛び込んできたこの物体は
警察の交通標語か何かが書いてあるモニュメント(?)の土台のタイル。
なんとものんびり昭和な物体にほのぼのしちゃう。
このタイルの雰囲気は70年代?

横断歩道を渡ったところには
浅草の老舗「神谷バー」。



スクラッチタイルのこの壁、いい味わい~。
浅草は、昔仕事の取引先があってよく来たのだけれど
すきな舟和の芋ようかん方面にばっかり足が向いちゃって
惹かれつつ、ここ神谷バーに足を踏み入れたことは一度もないのだなあ。

現存の建物はなんと大正10年(1921年)に建てられたものなのだそうだ。
ぜひ建物の内部もじっくり観てみたいなあ。


雷門の前には外国人観光客がぎっしり。
しばし便乗して「ニッポン」を感じる、新鮮な一日でありました。


1922年創業の洋食屋さん

2015-12-07 | 古い建物 のこと



小江戸*川越にある老舗洋食屋さん「太陽軒」
先日、初めてお店の中へ。

1922年創業の太陽軒さん、現在の建物は昭和4年竣工 木造漆喰塗り2階建ての洋館とのことです。

 
淡い桃色のかわいらしい外観が印象的。



 

 
窓の鍵もいいですねえ。 この小窓にも魅かれます。

 会計のカウンターの奥にあったこの魅惑の扉・・・!
昔の冷蔵庫跡とのこと。
お店の方の許可をいただいて写させていただいちゃいました。

昭和初期のモダン建築「太陽軒」
外観もさることながら、お店の中もとてもかわいらしい素敵な洋館でした。

川越散策の際はぜひ見つけてみてください。



 


スクラッチタイルの頃。

2015-11-29 | 古い建物 のこと



昭和初期のころの建物に多く使われていた「スクラッチタイル」
いい味わいだなあ~と思う建物にはこのスクラッチタイルが使われていることが多々ある。

 
古い建築物好き仲間Yさんと 久しぶりに再会。
この日は、お喋りしながらぶらぶら川越近代建築物さんぽ。

スクラッチタイル、ドアノブ、階段のアイアンの飾り手摺りなどなど
古い建物の細部の、すきな部分まで似ている稀少なおともだちYさん。

東京界隈の近代建築はほぼ制覇しておられる彼女が
以前から観そびれているという古い病院へ。



 
昭和初期のまま時間の止まったような空間。
院内には昔の白い医療戸棚や、
簡素で清潔感のある医療用具がそのままに並んでいるのかもしれないなあ・・・と勝手に想像する。

ぶらりぶらり大通りの近代建築の大御所を眺めつつ 川越スカラ座。

 わたし、この横手のトタン感がすきなんです。

 お隣、洋食の太陽軒(昭和4年建築)
有形文化財のこのこじんまりとしたかわいい洋食屋さんでお昼にしようと思ったら予約でいっぱいでした~。


こちらも有形文化財。レンガ造りの教会へ。中は拝見出来ず残念。

 門がかわいらしい。
レンガの建物だけを見ているとイギリスの田舎にいるみたいな気持ちに。






シンプルなドアもすてきです。

 オーソドックスなこのドアノブ。いいですねえ~。
Yさんは、近代建築物つながりで古い邦画にもとても詳しい。
ドアノブや古い鍵、古い病院の出てくる市川昆監督の「鍵」(1959年制作)がお薦めとのこと。深いなあ。
近々探してみよう!

久しぶりの建築散歩。
古い建物は、そこにそうして存在しているだけで、たくさんのことを黙って伝えてくれる。

保存のご尽力に想いを馳せつつ
どうかどれもこれもそのままで・・・と祈ります。

  


父と歩く古い道

2015-06-29 | 古い建物 のこと



母のお墓参りの鳥取の旅。
姉とわたしは羽田から。父は大阪から。

ほんのひと月前に大阪の病院で手術を受けた時には
しっかり病人らしい顔をしており
まさかこうして翌月に一緒に鳥取の地を踏めるとは思いもしなかったのだが。。。
さすが、悪運の強い父!
毎度危ないところを切り抜けて
奇跡的に快復を遂げる父の「鳥取、早く日程決めて!」というツルの一声に
つい乗せられてしまう姉とわたし。(弟は残念ながら都合がつかず。)

でもね、そうね、行ける時に行っとかないとね。
さすがの父も、高齢の親戚たちも、そして自分も、持ち時間は永遠じゃない。

待ち合わせた鳥取駅で
遠くに見つけた父に大きく手を振る。

あれれ? 近づいてくる父のそばにはもうひとりオジサンが。。。?
姉と小声で 「え?だれ?きいてないよ?」 ??
それもそのはず、父もびっくり!駅でばったり出くわした父の従弟とのこと。
仕事で東京から来ていた従弟にバッタリ会うとはなんという偶然。

わたしたちは初対面。
二十年以上前に父の伯母夫婦である、今は亡きご両親にはお逢いしたことがあった。
幼少時、父はその家でも育てられていた時期がある。
「あんたのお父さんは苦労したんや・・・」と呟いたそのお爺さんの言葉を思い出す。。。

次の飛行機で羽田へ帰るというそのおじ様とともに駅の喫茶で暫しのお茶の時間。
並んで座るふたりを見ながら、血の繋がりのフシギ・・・をまたも想う。



父方のお墓に三人でお参りしたあと、
父が子ども時代を過ごした城下町を親子3人でそぞろ歩く。
へび道みたいな細い路地。山裾の鬱蒼とした墓地。




変わるものと、変わらないもの。。。

子どもの頃、ともだちが住んでいたという家。
いつも通っていたという路地。
勉強しにきたという山の岩穴。

80歳の父の子ども時代があった町。
ほとんど姿の変わらないのんびりとした静かなこの町。
それでも戦中、戦後という激動の時代、ここにもやはり違う空気が漂っていたのだろう。



 


 
父の親族はもう随分前にこの町を離れ、東京へ。
現在はお墓が残っているだけ。

赤ん坊の頃に満州で父親を亡くし、母親とは引き離され
小説になりそうなほど複雑な半生を送った父。
父が祖父母や親戚たちと共に暮らした想い出の家も今はもう影形も無く、その土地は今では駐車場に。
 かつて暮らした土地に立つ、年老いて尚、少年のような父。

ユカイな不良オヤジ。呑みトモダチはほとんど20代~40代だと云う。
毎日をたのしんで、いつまでもいつまでも元気でいてほしいものです(^-^)

 

 

 

 


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