時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

寝言

2010-05-31 | essay
      

「寝言」は遺伝する。(?)

姉とわたしと弟、皆よく寝言を言う。
姉とわたしが、小さい頃寝言で掛け合いの姉妹ゲンカを
していたって笑い話を、いまだに従兄に言われる。

今でも、喋っている自分の声で目が覚めたりすることも!

うちの子どもたちも同じく。
特に、長男の寝言はあまりにはっきりしていて、
起きているのかと覗いてしまうほどだ。

長男が幼稚園のころ、回転ずしで初めて自分で
「まぐろのさび抜きください!」って注文が言えた日。
よっぽど嬉しかったのか、その晩寝付いてから
ふとんからおおきな声が…!

「えびの ぬけがらください!」

ええ~~!? 夫と大爆笑。

今でも語り継がれる名言だ~~
セミの“ぬけがら”もよく拾って歩いた頃だったもんね~


昭和の恐怖漫画

2010-05-30 | 本 のこと

     
 
コワイもの見たさで、恐怖漫画にハマったことがある。

中学生の頃につのだじろうの「恐怖新聞」というマンガが
流行って、怖いくせにどっぷり読み耽った。
夜中にうちにも新聞が来たらどうしようって恐れていたなあ。

その後、黒魔術の「エコエコアザラク」や、
梅図かずおの「おろち」や「恐怖」などの
おどろおどろしい世界に、
中二の一時期すっぽりと入り込んでしまった。
「洗礼」に至っては、クラス中で読み回していたっけ。

「洗礼」にしても「おろち」にしても、
梅図かずおのマンガは霊的な怖さではなく、
生身の人間の持つ本質の恐ろしさをリアルに物語っていて、
多感な中学生にはかなりの衝撃だったものだ。

でも思い返してみると、
なんだかたいせつなことを
それらのマンガからたくさん学んだ気がするんだなあ。
あの時代のあの年齢だからこそ、なんだろうな。

実は「洗礼」と「恐怖新聞」は、捨てられずに
屋根裏の箱の中に眠っているのだ~。
探し出して読んでみようか。
きっと受け取り方も、今ではまた違うんだろうなあ。
怖くて最後まで読めなかったりして


ぐるぐるぐる

2010-05-29 | essay
     

気になる症状があって、
紹介状を持って娘のおなかのエコー検査へ。

エコーと言えば、妊婦健診のたびに
楽しみに見ていたあの超音波検査とまったく同じ。

娘のおなかの中のエコー映像を見ながら、
ものすごく不思議な感覚に取り巻かれていた。

ほんの8年前に、わたしのおなかの中で
元気に動く胎児として見ていた子。

同じその子の体内をまたエコーで見ているわたし。
ああ、ちゃんと細かなところまで出来上がって
きちんと日々機能しているんだなあ。。。
幸い異常は見つからず、胸をなで下ろす。

改めて、生命の奇跡を想う。

ぐるぐると廻るいのち。
あらゆるものに感謝 


秘密基地

2010-05-28 | essay
    

誰にとっても「秘密基地」って、
子ども時代のワクワクする思い出のひとつなんじゃないかな。

先日、次男がふて腐れて帰って来た。
話を聴いてみると、3日もかけて「秘密基地」を
作ったのによそのおばさんに怒られた、という。

はは~ん、連日泥だらけだったのはそれか。

マンションの立ち並ぶ街中に住んでいるので、
子どもたちが遊べる場所は限られている。
近所では、整備された公園と学校くらい。

そんな中、神社の林で男の子数人が
秘密基地作りに夢中になっていたところを
神社近くのお宅のおばさんに
「何かあったら大変だから止めなさい。止めないなら
学校に電話します。」と叱られたという。。。

確かにちょっとした崖ではあるけれど、
長男だって小学生のころには、さんざん発掘ごっこをして
遊んでいた場所。
それほど危険なところではない。

普段静かな場所ゆえに、盛り上がって騒がしかったのだろうなあと
想像もつくけれど・・・

けれども、遊び場の少ない現代っ子が、
子どもらしい遊びをしている時くらいは、
大目に見てほしいものだなあ。。。

なんて思っちゃダメかなあ?
子ども寄りのワタシがオトナ失格なのか



ハマユウの想い出

2010-05-27 | 本 のこと

     

古本屋で買った文庫本に
ハマユウの写真のしおりが挟まれたままになっていた。

そのしおりに見入る。

ハマユウ。。。

記憶の奥の浜辺に咲くハマユウの花。

そして、「ハマユウが咲いたから見にいらっしゃい」と
電話をくださったあの老紳士。

そのひとは古くからのお客様でもあり、
見習うべき人生の大先輩でもあった。

1910年生まれのそのひとは
アンティーク時計がお好きで、
生まれ年に作られた時計が欲しいなあとおっしゃっていた。

95歳を超えても車を運転してお店にきてくださっていたけれど、
免許を返納してからは、こちらから遊びがてら
お宅へ時々お邪魔するようになった。

その趣のある古い御邸は、郊外の林の中にあり、
もと医師だった聡明なその老紳士は、
西洋の貴婦人を思わせる品のいい奥様と
ふたりきりで寄り添うように暮らしていた。

夏には、「カブト虫が出たから捕りにいらっしゃい」
と電話をくださった。

子どもたちも大喜びで、その御邸の広い庭や林を駆け回って
虫探しに夢中になったものだ。
こんな家に住みたいなあ、と子どもたちもお気に入りの場所だった。

時間がゆっくり流れるあの御邸と、
人生のたくさんの時間を積み重ねてこられた、
ユーモア溢れる素敵な老ご夫婦との会話の時間が
わたしもとてもすきだった。

少しご無沙汰しているうちに
奥様からの喪中葉書が届き、
そのひとが遠くへ逝ってしまったことを知った。
ちょうど100歳。

夫が急いで伺ってみたところ、
奥様はすでに身内のお宅へ引っ越された後で
あの家はもうひっそりとして、ひと気がなかったという。

あの素敵な老紳士の
「あっはっは」と笑う楽しげな高い声を想い出す。
ちゃんとお別れが出来なかった分、
また電話が鳴りそうな気がしてならない。

「ハマユウが咲いたから見にいらっしゃい」 


「ドア」

2010-05-25 | essay
   



「ドア」


何処かで ドアが開いたのだろうか

色を持たない風が 縫うように這い上がり

わたしの頬に触れる

それは わたしに何かを告げる

解読できないヒミツのコトバ


そして 唐突に

遠くで音をたて ドアが閉まる

気配だけをそのままに

途方に暮れるわたしを残して



     


バラの庭

2010-05-24 | essay
     

バラの季節。

あちこちの庭で咲き誇りはじめた。

母もバラを咲かすのがとても上手だったな。

わたしが生まれた、伊丹の伯母の家の庭から
譲り受けたバラの木を、母は引越しのたびに
大事に一緒に連れていった。
いつだって身勝手な父の、勝手に決めた引越しに
文句も言わずよくも何度もついて行ったものだ。

そしてそのたび、新しい庭に植えかえて
見事に咲かせていた。

品川のマンションへ越す時に、
母はあのバラを連れてゆくのを諦めた。

家族全員で暮らした最後のあの家の庭に
置いたまま引っ越したんだ。。。

母はどんなことも
騒がず怒らず自分の中に仕舞いこんで、
こころの中で折り合いをつけて
生きてきたんだよね。

いつだったか、
「あのバラ、げんきかな」とポツリ、つぶやいた母。

「バラ見せてくださーい、って訪ねて行ってみよっか!?」って
冗談で軽く流してしまったけれど、
元気なうちに本当に連れて行って、見せてもらえばよかった。。。


果して母のあのバラは今もあの庭で花をつけているのだろうか。

こころの中では、いつでもあのバラの花を
わたしでも満開に咲かせることができるよ。

母もきっと空の彼方で、今でもバラを咲かせているよね。


     

絵本「もりのなか」

2010-05-23 | 本 のこと




「もりのなか」(IN THE FOREST)USA,1944
マリー・ホール・エッツ作
1963年福音館書店発行

この絵本、自分も子どもの頃よく図書館で読んだ本。
そして、うちの子どもたちも小さい頃だいすきだった絵本。

ひとりの男の子がもりのなかを散歩するうち、
いろんな動物たちが散歩についてきて、一緒に遊ぶ…
という穏やかな穏やかな物語。

この本のすごさは、声に出して読んでみるとよくわかる

声に出して、ゆっくりと読み進めるうちに、
読んでいるほうも、聴いているほうも、
不思議とどんどん森の奥深くに入っていくような気分になるのだ。。。

外の雑音も聞こえなくなって、
森の静寂に包まれる感覚。

ラストの場面で、男の子と一緒にふいに人間界に引き戻される。

ふう~っと、しばらくぶりに息をするような、
止まった時間を体感できる。

しずかなしずかな、フシギな魔法の力を持つ絵本だ。

木炭画のようなシンプルな絵も
とっても可愛い、だいすきな一冊 


リカちゃんドレス

2010-05-21 | essay
楽しいイベント「一日だけの雑貨屋さん」が終わると、
ああ、あれも作りたかったなあ、これも作りたかったなあと
やけにアイデアが湧いてくるんだなあ。

そのままの調子で次回の秋の開催に向けて
制作し続ければかなりの作品数になるはずなのだけれど…!

暑くなるとものづくりからちょっと遠のいちゃうのだなあ。
夏は子どもらと一緒にサマーバケーション気分になっちゃうしね。

今回時間が足りずに手が回らなかったリカちゃん服を
急に作りたくなって、店番しながらちくちくちく。

以前、娘の(元はわたしの!)リカちゃん用に
デザインしたものの改良版。
本革のバッグも持たせてバチリ

   

ぎゃ~、かわいい~

調子にのって、おそうじセットも!

   

エプロンと三角巾。モップも持たせてみました~。
(ホントは金槌の柄

娘にとられないうちに、しまっとこ。


探検ともだち

2010-05-20 | essay
日曜日。
14歳の我が家の長男、久しぶりに探検の旅へ。

彼には貴重な「探検ともだちS君」がいて、
小学4年生の頃からふたりでよく「探検」へ。
最初の頃は、近所の小さい川の上流を目指して
川沿いを行くだけだったのが、だんだんと距離が延び、
自転車でかなり遠くまで探検に出るようになった。

六年の頃、一時期もう数人加わっていたこともあったけれど、
やっぱり「探検」にはそりの合う2人だけのほうがしっくりいくのか、
いつのまにかまたS君と二人旅に。

さすがに中学生になってからは、ちゃんと夜には帰って来られるように
なったけれど、小学生のころはヒヤヒヤだったなあ。

どこまでも走り過ぎて夜になっても帰れなくて、
最寄駅に自転車を止めて電車で帰る羽目になったり、
完全に道に迷って田舎道で立ち往生し、
S君のお父様が車で拾いに行ってくれたこともあった。。。

最低限のお金しか持たず、ケータイも持たせていなかったので
やっと見つけた公衆電話から「すぐ切れるから!」と
慌ただしく連絡してきていたっけ。

中学生になって、彼にケータイを持たせたのも、
思えば「探検」で公衆電話がなかなか見つからないってことからだったな。

今では、いっちょ前にケータイのナビなんか活用しながら
相変わらずどこまでも走る「探検」の旅。

「可愛い子には旅させよ」だね。

S君とこうやって貴重な時間を共有できるのも、
同じような考えのご両親のおかげ!

いい「探検ともだち」と出逢えてよかったね。
高校生になったら、寝袋を持って本当の「旅」に出るらしい~


  ===== 「探検の旅」のひとしずく =====

   
  
          


あかい葉っぱ

2010-05-19 | essay

 
   自然の色ってすごいなあ。

   

   なんの木だろう?
   緑の中に真っ赤な葉が数枚。
   木漏れ日を浴びて
   一際赤く光る。

   

   この柔らかなキミドリもやがて濃い緑となって、
   季節が廻れば、
   また皆が仰ぎ観る真っ赤な紅葉のスターになるのねえ。

   ぐるぐるぐる。
   地球の時間は止まらずにきちんと回っている。

   ニンゲンが愚かなことに時間を費やしていても。
  
   何をしようと、また何もせずとも。



REQUIEM

2010-05-18 | 古い建物 のこと

なぜだか、とてもこころ惹かれていた建物が
とうとう取り壊されてしまった。

       

昭和初期に建てられ、当時所沢の台所として
活気づいた場所だったという「青物市場」。

そこが「青物市場」だったと知るひとは、
古くからの市民以外、そう沢山はいないかもしれない。
いつの頃からかアパートとして改築され
近年までひとが住んでいたようだが、
ここしばらくは空き家となっていた。

数か月前に、建築予定のあの無機質な白い看板が
立てられているのを見たときには、
「ああとうとうきみもか…」と胸がズキリ。。。
ああ、無念だ。

この前、歌舞伎座が取り壊される前、
歌舞伎座の前で50年も甘栗売りをしていらしたおじいさんが、
「壊されるのを見たくない」から
店をたたむんだと仰っているのをテレビで見た。

長い年月を共に過ごしたからこその、重みのあるコトバ。。。

歌舞伎座は、わたしには敷居が高くて一度も内部には
入ったことはないけれど、若いころから前を通りながら
「もっとオトナになったらいつか入ってみたい」って
思っていたものだ。
もうとっくに大人になってかれこれ長いのに、
ついにご縁がなかったなあ。。。

かたちあるものは、いつかは無くなる。
わかってはいるけれど、やっぱり寂しいものだよね。

古いものが壊されるたびに、保存の道は本当になかったの???
と無念な気持ちでこころが満ちてしまうよ。


所沢青物市場・跡地。

忘れてしまわないように、せめてその佇まいをカメラと、こころに。

 

 

  

このちいさな丸い街灯がとってもすきだったんだ。。。


ままかなへび

2010-05-17 | essay
かつて長男がかなへびを捕まえてきては
庭に逃がしていたので、庭は大きな飼育箱のようなもの。
暖かなお日様が照る日には、あちこちで日向ぼっこ。

   

この子、どうやらお腹が大きい?
去年の初夏も赤ちゃんかなへびは何度も見かけたけれど、
おめでたかなへびは初めてみたよ。

しばらくしたら、またちいちゃいのがちょろちょろするかな?
   
先週次男が新たに三匹新入りを放していたから
またかなへび社会が広がるわね~。
ようこそ~かなへび天国へ!

   


わたしの「休み時間」

2010-05-16 | MUSICのこと

   

下北沢にママレイドラグのライブを聴きに行った。

その前にちょっとぶらぶら。

   

お気に入りの「木曜館」で、レトロボタンを購入。
このお店、レトロなものがいっぱいで
なんだかしあわせな気分になるんだなあ。

kさんと駅で落ち合って、
kさんおすすめのカフェ「モワ カフェ」で軽く腹ごしらえ。

     

ここ、もとは普通の古民家、静かな住宅街にある。
なんともすてきな空間のカフェ。
お料理も美味しかったな。

「下北沢GARDEN」でライブ。
ママラグ・田中氏は、近頃たいへん気分がいいそうで(笑)
とってもボリュームたっぷりのいいライブだった

日常を離れて、母でもなく、妻でもなく、
「わたし」のための休み時間。

こういうの、たいせつだよね。
たのしい休み時間を持てることに感謝~


絵本 「たいふうがきたひ」

2010-05-15 | 本 のこと

絵本「たいふうがきたひ」浜田桂子作
1991年福音館書店発行 

この絵本に出逢ったのは、歯医者さんの待合室。
この絵本のおかげで、うちの子たちは
歯科の待ち時間の恐怖心を克服できた、といっても過言ではない
それほどにこの絵本は、うちの子たちには魅力的なのだ。
以前、歯医者さんに行くたびにすぐにこの本をラックから取り出して
一緒に眺めていたものだ。

この登場人物の三兄妹。
最初に歯科でこの本に出逢った時、うちの三兄妹とほぼ同じ年恰好。

そして、大雨の後、がらくたで船を作って遊ぶ場面といい、
へびやカエルを捕まえる場面といい、
お風呂で三人で盛り上がって遊ぶ場面といい、
うちの三兄妹とと~ってもよく似ているのだなあ。

兄妹として共に過ごす、長いようで短い時間。
他愛のない幼き日々を
ぎゅっとたいせつに閉じ込めたような絵本。。。

いつかずっと先、またこの本のなかに
自分たちの姿を見つけて、想い出して欲しいなあ。

この絵本はすでに絶版で、手に入れるのは諦めていたところ、
たまたま入った古本屋さんで見っけ!!
嬉しくて「あっ!」って小さく叫んじゃったよ。

もううちでもいつでも見れるのに、
それでも、この前久しぶりに行った歯医者さんで
「あったあった!」と
やっぱりまたこの絵本を手にとって読む娘

もう儀式化しちゃっている!?

絵本の持つチカラってすごいなあ。


メッセージ♪

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