時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

加計呂麻島への定期船で出逢ったものは。 [ in 奄美の旅 ]

2012-04-30 | essay

 

奄美の旅紀行、まだ続きます!

奄美地方はもう梅雨入りしたと、7時のNHKニュース。
披露宴は一週間前だったから、ギリギリいい時期に披露宴が出来てよかったね。(てか。雨だったけどね!)
そして、旅したわたしたちも、いい時期に呼んでもらえてよかったワ~。

さて、マングローブの森を後にして、県道をまっすぐ瀬戸内町へ。



瀬戸内町 古仁屋は、新郎:ともだちMっちが生まれ育った町なんだな。彼のブログでよく見かけるあの橋が見えてきた。
彼は現在の本業とは別に、ドラマーでイラスト描きでその上すごくいい写真を撮るひとでもあるので
この橋ももっとドラマティックに写るんだよなあ。

さて、いよいよこの古仁屋の港から加計呂麻島へと渡る。
レンタカーを「海の駅」に停めさせていただいて、(翌日まで停めても無料。良心的だ~)
フェリーに乗るつもりが、時刻を読み間違えていたことに気づく! あら、行っちゃった。
フェリー乗り場の係員さんに教えていただいて、定期船「エリザベス」に乗ることに。
モーターボートみたいな定期船に乗るのは初体験。
なんだか親戚のおじさんの船にでも乗せてもらっているみたいな気持ち。ひとり300円也。

   

乗り合わせた、よく陽に焼けた釣り人のオジサン方と少し話していたら、
中のオジサンが、「外見てごらん!潜水艦が上がってるよ」と教えてくださり、外を見てびっくり!!

  うわっ。潜水艦の上部がぽっこり!しかも上に立つ人影が!

この下は、一体どれだけ大きいのだろう!!
こんなの初めて見ましたよー! と興奮してオジサンに言ったら「俺だって初めてよー!」と、島のひとも驚いてらした。
昨今のミサイル絡みやらS諸島絡みやら、重要な任務中なのでしょう・・・と、ちょっと引き締まった気持ちで眺めていたら・・・。
すれ違う時になんと日の丸を背負うお二人、朗らかに大きく手を振ってくれてこれまたびっくり。
こちらも嬉しくなって、大きく振り返しておきました~。
釣りのオジサン達に、軍事機密を写真に撮ったからタイホだなーと、後ろから冗談で脅かされましたが。

島のひとは皆、気軽に話しかけてくれて、束の間、お仲間にしていただけたような嬉しい気分。
この先の旅でも、すれ違うひとは皆、朗らかに会釈をしてくださることに気付いて、なんだかほのぼのとした気持ちに。
都会では、知らないひととはあえて目を合わさないことが礼儀みたいになっているけれど、
にこっと微笑んでくれるひと、気軽に話しかけてくれるひと。お互いにそれが当り前の世の中って、いいねえ。
こういう感覚ってすっかり忘れていたなあ・・・と、しみじみ想う。

  

エリザベス号は15分程でいよいよ加計呂麻の生間港へ到着。
この日は、ともだちの紹介してくれたペンションに予約をとってあったので、
夕方まで、景色を堪能しながら島をぐるりと回ってみることに。 

電話で予約しておいたレンタカー屋のおばちゃんと暫しおしゃべりして、軽のバンをお借りしていざ出発。

長くなるので、今日はここまで。

                                    まだまだ、つづく!








マングローブ原生林をカヌーでゆくのだ。[奄美の旅Ⅱ]

2012-04-28 | essay



奄美大島からもう帰ってきたというのに、なんだかココロが半分くらいまだ戻ってきていないようで、
どうも体とココロにずれを感じてしまいます。きっちり体に納めないとね!

奄美大島、そして加計呂麻島は、想像以上に素晴らしい場所で、もうすっかり圧倒されてしまいました。

コトバで、すばらしさを伝えることはわたしにはとてもできそうにないので、「旅の記録」として書き残そうと思います。


*******************************  *********

いよいよ奄美へ。ともだちのウェディングに。彼は、二十代半ばに目黒F社で出逢って以来のともだち。
そんなに頻繁に行動を共にしていたわけではないのに、なぜだか不思議とココロの繋がる性別を超えた20年来の心友だ。

以前から行ってみたかった奄美!こんなビック・イベントでもなければ、なかなか行かれない!
ひとりでも、もちろん行くつもりでいたのだけれど、高校時代のともだちと飲んでいる時に
思いつきで気軽に「一緒にいくー?」と言ってみたら・・・!
近年とってもフットワークの軽いともだち eme が、これまたとっても気軽に「行く行く!」と即答してくれた。
さすが。類は友を呼ぶ?たいへん心強い道連れだ~。

さて、いざ出発。
一時は着陸が危ぶまれる条件付き飛行のアナウンスまで流れていたものの、どしゃぶりの奄美空港に無事着陸。
天空では穏やかな空色の世界が広がっており、ほとんど揺れは無し。だいすきな雲の世界に無になってただ浸る。

レンタカーを借りて、名瀬市内のホテルへ。
わたしは20年来ペーパーなので、運転は全部彼女担当。ありがたや~。

わたしはともだちの披露宴へ。(前ページ参照 )
彼女は町を散策。(の予定がどしゃぶりの為、ホテルのレストランで夕食後部屋でBeerで寛いでいたらしい)




奄美大島の旅。二日目。

ぜひとも行ってみたかった場所。
マングローブ原生林へ。

前日のどしゃぶりの名残りの小雨の中、名瀬のホテルを出て住用町へ。
予約をせずとも、「は~い、だいじょうぶですよ~」と受付をしてもらってカヌー乗り場へ。

その頃には、雨も納まり薄日が差し始める。
朝一番乗り!マングローブの森、お客はふたりきりの貸し切り状態。
乗り込む前に、ガイドのお兄さんにパドルの動かし方を指導していただく。

すでに干潮が進んでいたのだけれど、雨のせいで流れが早い為、一人乗りではなく二人乗りに。
普段、お互いマイペースだけれど、これは上手に息を合わせないとね。
(ガイドのお兄さん曰く、夫婦モノはケンカになりやすいそうだ~)

  

マングローブの森では、なんだかいろんなことを知ったなあ。

まず、「マングローブ」ってのは、木の名前ではないのだと聞いて驚く!(勉強不足です)
生えている木はほとんどが、ヒルギという名の木だそうな。
「マングローブ」というのは、熱帯・亜熱帯の河口など、塩性湿地に生えている森林を総じてそう呼ぶんだって!
海水と淡水の混ざりあった場所なのね。なので、大きなシジミもいればデッカイ蟹もシャコもいるらしい。








干潟にカヌーを停めて、暫し生き物観察。

じ~~~っと目を凝らして見ていると、図鑑でしか見たことのなかったシオマネキが、
小さな穴から、小さな白いハサミだけをチョキチョキと振り上げる。両のハサミが同じ大きさなのはメスなんだって。
こんなに小さな蟹だったとは知らなかったなあ。
青い苔みたいなのは、アオサだそうです。



そして、何より感動したのは、この木々たちの生態。
手前の木々が低いのは、まだ若いからではなく、後ろの木にもちゃんと陽が当たるように
自分で成長を止めて調節しているというのだ。。。感心だなあ。

それに、木に取り込まれた塩分は、ところどころの葉に凝縮され黄色に変色してハラリと落ちる。
その黄色の葉は、ちぎって舐めるとほんの少し塩っぽい。
すごいことだなあ・・・自ら塩分を抜いて自浄しているのね。
自然の営みには、ニンゲンも学ぶべきところがたくさんあるね。

にょきにょきっと突き出た新芽がとてもかわいらしい。

 これは、ガイドさんが浮かんでいたのを拾ってみせてくれた植物のタネ。

なんて名の木のタネか覚えていないのだけれど、これがプカプカと川や海を流れて、流れついたところで目を出すのだそうだ。

ところで、このタネ、なんとウルトラマンのモデルになったそうな!?ほんとそっくり。
お子さんは喜んで持ち帰りますよって勧めてくださったけれど、海のない街に持ち帰るのは忍びないので、プカプカとリリース。



 盛り土はシャコの巣。ひとつで一匹分だそうです。豪邸です。



昔は、この平たい木の根を切り出してまな板を作っていたそうです。硬い木なのでしょうねえ。



帰りには、かなり潮が引いてきていて、流れも逆なので、ほどんどガイドのお兄さんに牽引してもらってる状態~。
おかげさまで、のんきに写真も撮れました。すみません~。

干潮のときは、細い場所には入っていけないけれど、根っこの様子もよく見えるし
干潟も興味深いしなかなかいいものだなあ。

初めてのマングローブ原生林。初めてのカヌー漕ぎ。
なんにもにおいのない澄んだ空気。そして鳥の声とパドルの当たる水の音だけの世界。。。

ガイドさんのおかげで、いろいろ勉強にもなりました。
カヌーを自在に操ってどこへでも漕いで行けたなら、面白いだろうなあ~。またどこかでチャンスがあったらもっとトライしてみよう!


このあとは、ぐんぐん車を走らせて南下。空もだんだん晴れ上がりコバルトブルーの海に「ひゃー」とか「お~~」とか
歓声をあげながら、オンナ二人旅、一路 瀬戸内町 古仁屋の港へ。

午後は、いよいよ加計呂麻島へ渡ります。


                             [ to be continued ]



 


白と空色だけの空間  [ 奄美の旅 Ⅰ]

2012-04-26 | essay



空の中へ。

白と空色だけの 神聖な世界。

ともだち MっちのWedding Partyへ向かう空。
富士山が純白のウェディングドレスのように見えるね。

はじめての奄美大島へ。



奥様には初めてお逢いしたのだけれど、
とてもとてもすてきな女性で、彼にはもったいないくらいだ。(いろんなひとにそう言われてたね~)

よき理解者に巡り逢えて本当によかったね。

「あおおにくん」の めでたしめでたし。に、なんだか感無量!ほっとしました~。(あれ。年下なんだけど親目線・・・?)


島の披露宴は、島唄ありダンスあり新郎バンドの演奏あり奥様の熱唱ありの、たいへん賑やかで楽しいひと時でした。
そして、初めての奄美大島は、コトバにするのはムズカシイほど素晴らしいところ。

いつかは訪れてみたいと思っていたこの土地に、こうして空を飛んでとうとう足を踏み入れることができたのも
おふたりの出逢いのおかげなんだなあ。

ひととひとの繋がりって、つくづくオモシロくて不思議です。 


   

 この満面の笑み    おめでとう  末永~くおしあわせに。

 

 


ドレミファブック 「ドロップスのうた」

2012-04-20 | 「ドレミファブック」 のこと

子どもの頃って、童話や歌に出てくる食べものを、ちゃんと想像して味わうことができたものだよね。

ドレミファブックのなかの歌にも、おいしそうなものがいろいろ。
「ふしぎなポケット」の増えるビスケットや、「アイスクリームのうた」のとろけるアイスクリームなどなど。
ちいさな頃、ビスケットをポッケに入れてたたいてみて、粉々になって困った経験のあるひと!大勢いるはず。

レコードを聴くたびに、勝手に味わっていたものだから、
今でも絵をみるだけで、あの頃の想像のテイストが口の中に蘇ってきてしまうほど。

この「ドロップスのうた」の中にでてくるドロップスも、
そこいらのあめちゃんとはひと味違うんだな。

なにしろ、「 なきむしかみさまが ゆうやけみてないて あさやけみてないて ぽろんぽろん」と出来たドロップスなんだもん。
ちなみに、二番では、「かなしくてもないて うれしくてもないて・・・」と続きます。



子どもゴコロに、「かみさま」って怖そうだけど、本当はやさしいんだなあって、思ったものです。
こんなに純真な歌詞って・・・いったいどなたが?と、改めて作詞者を見たら
ああ やっぱり!なるほど~。 まど・みちお先生でした!

ドレミファブックの歌の中でも特にだいすきだったこの歌。

サクマの缶入りドロップスの硬いフタを母に開けてもらうたびに、
この中にも「かみさまのドロップス」がまざっているかも・・・と そっと のぞいてみたものです。








魅惑のレトロな計器たち

2012-04-19 | 古い建物 のこと

  春休みに訪れた横浜で、改めて魅了されてしまった氷川丸。

操舵室にある計器類が、とにかくカッコイイ。   


  

 

機器に明るくなくとも、これらの計器類を頼りに、こんな大きな船を動かしていたんだなあ・・・と思うと感慨深いね。

 

こちらは、無線室。緊迫したやり取りが行われていたのでしょう。



ひとつひとつの計器のがっちりとした頼もしい重厚感がいいねえ。 

 

 嵐の中でも、この舵を握っていたひとが確かにいたのよね。

そして、船底にある機関室。
今は、しんと音のない世界だけれど、航行していた頃には想像もできないほどの音と熱気に溢れる場所だったのだろうな。
静かに機械が整然と並ぶ様がなんだか美しい。
きれいに化粧直ししてもらって、まだ動きたそうにも見えるね。

  

  



 氷川丸の底深い魅力。機会があったらぜひ乗船してみてください  

 

 


奇妙な夢

2012-04-18 | essay



奇妙な夢。

いつものわたしのケータイで、風景を撮っているのに、
そこにはいない別のひとが写る。60年代風の服装の男のひとの後ろ姿。
別の場所では、そこにいない大勢のひとが写り込む・・・。
するとその後、まったく同じ風景に遭遇し、そばにいる友達に「ほら見て!この場面、前に撮ってる」とケータイの画面をみせている。

どうやら、わたしのケータイは、その場所の過去や未来が写ってしまうらしい…。 という夢。シュールだ~。

この夢がひどくリアルだったのは、そういう写真が撮れてしまう時には、
決まって時空間が歪むような奇妙な感覚が手に伝わること。

気味が悪いほど、目覚めてもその奇妙な空間のブレを手が覚えていた。。。 ホラーだ~。

でも・・・目覚めた時に異様に肩が凝っていて痛いほどだったんだよねえ。
肩こりのせいで手が痺れた???? 実は身体的な黄色信号だったりして。

夢って、つくづくオモシロイねえ。

 

 


のぼりたてのやわらかな月

2012-04-17 | essay

古本市でみつけた黒井千次氏の第一エッセイ集をひらく。

本の中で、黒井氏が、読んだ本に書かれている事柄について驚いているくだりを読んで、
わたしもまた同様に驚いてしまった。

月の見え方について書かれているくだりだ。

「ごく自然に人が月を見る限り、地平線から離れたばかりの月、または地平線に没しようとする月は
天心にある月よりも明らかに大きく見えるが、紙の筒や望遠鏡を通してそれを見れば、
どちらの月も同じ大きさに見えるという指摘である。」

え~~~!まじですか?

「最初にそれを読んだとき、そんなバカなことがあるものかと、ぼくは思った。」 と続く。

いや、ホント、まったくおっしゃる通り。それを読んで、こちら側からも相槌を打ちたくなるわたし。

「地平線に近い月は、周囲の物体との相対的な関係の中で必要以上に膨らんでみえてしまうということらしい。」のだ。

錯視ってやつですね。

それでもやっぱり、どう見ても、のぼりたての月はやわらかな暖色で大きいし、夜中の高い月は、凛として銀色に硬く輝く。
同じ大きさとは思えないよ。

黒井氏のこのエッセイの本題は、このあと発展していくのだが、
わたしはもう、このテレビの中のテレビを観るような感覚の、
本の中の本で知ってしまった事実に、時間の壁を超えてすっかりこころを揺さぶられてしまった。

のぼりたてのやわらかなオレンジの大きな月は、わたしのすきなものリストの上位に入ってる。(ココロの中のね)

いやはやまったく、驚いたなあ。
錯覚したまま鵜呑みにしている事柄って、人生には、実はいっぱいあるのだろうな。
この事象だって、たまたまこの本に出逢わずにいたなら、一生知らずにいたかもしれないもんね。
本との出逢いもまた、ひとつの縁です。

錯覚だらけの人生。謎と不思議に満ち満ちているこの世界。

ひとつ勉強になったけれど、
それでもやっぱり、わたしにとっても、のぼりたての月は大きくてやわらかいもの。
それでいいのだ~。





 


青空個展へ

2012-04-16 | essay

「青空個展」ってネーミングがすてきね。

あちこちで開催されているらしい「てづくり市・青空個展」に初めておじゃましてみた。
お天気のいい日曜日の午後、吉祥寺パルコの屋上へ。

先に来ていたkさんと合流して、いろいろな作風の作品をじっくり見てまわる。
いろんなひとの作品をみると、すごく刺激されるなあ。

てしごと好きな者の端くれのひとりとして、
ものづくりに対する情熱あふれる作品をみることは、とても勉強になるし
なにより、たのしい気持ちにしてもらえる上に、こちらの制作意欲まで上げてもらえるんだな。

今回、一目ボレしたモノたち。
東京湾の貝殻で創られている白い白いブローチ。  

世界にふたつとない、海からのおくりもの。なんかこう、ロマン~。
ビーチグラスを使ったアクセサリーも とてもキレイでした。

それから、飛びついてしまった小枝のエンピツ!  

ホントに書けてびっくり~。5cmほど芯が入っているそうです。

こちらのお店の作家さんは、廃材のレトロなすりガラスを素材に、すてきなオブジェなども作ってらっしゃる。
これ、すごく惹かれた~。
店舗にも行ってみたい~って思ったら、三重県からのご出展とのこと! ちなみにお名前は[夢あ・ん]さん。

こういうてづくり市って、いろんな作家さんと直接こうしてちょこっとおしゃべりしたりできるってのが またいいんだよねえ。

いい刺激をもらって、ついでにコットン・フィールドでちょっと生地を購入して、そばにあるお気に入りのカフェでお茶タイム。

日曜日だというのに、おともだちとのんびりカフェでおいしいケーキセットをいただくというゆとりの時間。。。しあわせだ。

たまにはいいよねえ!


次回のわたしたちの「一日だけの雑貨屋さん」の予定ももう来月だー。 おかげさまで、ちょっと予熱 はいりました!


 

 


HIKAWAMARUの魅力

2012-04-14 | 古い建物 のこと

 

横浜・山下公園のシンボルともいえる「氷川丸」

船の中へ入るのは、何十年ぶりだろう?
娘と一緒にちょろっとのつもりで入ったのだけれど、気付いたらたっぷり2時間近く経過していた。
もう、すっかり船の魅力にやられてしまった~。

昔、家族と品川で暮らしていた娘時代、横浜は川向うって感覚だったので、
ともだちのハマっ子Mちゃんとよく横浜で遊んだ。
学校帰りに何人かでワイワイと元町辺りでハンバーガーかなんか食べて、
氷川丸にも、みんなで一度だけ乗り込んだのを覚えている。
当時は、船底近くの油のにおいのする機関室しか印象に残っていなかったものだけれど、
今回、見学してみたら、内装の美しさ、調度品の品の良さ、計器類のカッコよさにすっかり魅せられてしまった~。

歳を重ねると、やっぱり目線って変わるのかな。

氷川丸は、昭和5年(1930年)にシアトル航路用として造られた大型貨客船。
一等客室など、船内はフランス人デザイナーによるアール・デコ様式。

  階段もうつくしい~。



 

  柱の彫刻もみごと!

  

 

こんな船室でのんびり船旅がしてみたいものだなあ。。。
なんだか、アガサ・クリスティーの小説みたいな空間。
美しいデザインの船時計もあちこちに据え付けられている。

  

 

  

  

 [船長室]

氷川丸。
山下公園の風景のひとつとして、見慣れてしまっているけれど、
氷川丸の歴史を改めて読み解いてみると、昭和史そのものが見えてくる。

1930年以来、華やかなシアトル航路船として航行していたこの大型貨客船「氷川丸」。
しかし戦争が始まると、海軍病院船そして引き上げ船として政府に徴用され、
傷病兵や復員兵を乗せ、南方の島々と日本とをピストン輸送で何往復もし、多くの日本兵の命綱となったそうだ。
しかも戦時中、三度も触雷しながらも唯一沈没しなかった大型船はこの氷川丸だけだという。

戦後はまたシアトル航路に戻り、華やかな航海を続けた後、1961年に引退。
ここ横浜に係留されてからしばらくは、観覧コースのほか、修学旅行生の宿泊施設として賑わっていた時期もあったそうだ。

すべてのものに歴史あり。。。
そのものの歴史を知ると、みえてくるものも違ってくる。
今まで漠然とカタチだけ見えていたものが、突然はっきり色鮮やかに浮かび上がって見えてくる不思議な感覚。

ひとりで、静かな一等喫煙室に佇んでいたら、80年間積った みえない時間の層の重厚さに圧倒されてしまうよ。
(娘はどんどん先に行ってしまうし~。)

氷川丸、とことん、深いです。
そして、計器類がこれまためちゃカッコイイ!それはまた別の機会に~。

  




「言ってる意味わかる?」というコトバ

2012-04-12 | essay



上司に言われてプレッシャーを感じる言葉のNo.1は
「言ってる意味わかる?」 だそうだ。

この言葉に、昔、これを連発する上司が居たことを思い出した。
「上司」といっても、途中から上司になった、同世代のひとだったので、
何かを説明するたびに、≪言ってる意味わかる?≫と、じっと顔を見る彼に、段々じりじりとしてきて、

「そのコトバ、ものすごく見下されてるみたいで気分悪いから減らしてください。」と言ってみた。(エラソーだな。若かったからね。)

すると、彼はものすごく驚いて、そんなふうに思わせたならごめん、と謝った。

なぜ、そんなに驚いたのかというと・・・。
当時、人を動かす立場になったばかりの彼にとっては、真逆の気持ちから発せられた言葉だったからなのだ。
彼曰く、その言葉は、自分の説明に自信がないから、ちゃんと相手に伝わっているかどうかを確認して安心するために
発していたらしいのだ。連発しすぎだったけどね。 

コトバのニュアンスって難しいね。
でも、立場が上のひとにそう言われたら、そりゃあプレッシャーに感じるのは自然なこと。

それでも、相手を慮るあまりに発している場合もたまにはあるってことを
ちょっと思考の幅に入れておくゆとりがあるといいかもね。

共通の言語を遣っていても、こうやって簡単にひずみが生じていく。
コトバってものは、正に蠢く生き物。捉まえどころを間違えると形を変えることも多々ある。

上司と部下といったって、同じニンゲン同士。
思ったことを正直に言ってみると、案外、距離が縮まることもあるものだ。
お互い警戒心から、みえない武装をして、ついファイティングポーズを取ってしまうことも多いけれど、
たまには丸腰で向き合ってみると、相手のみえなかったものがみえてくる場合もある。

どんな場面でも、「柔軟なココロ」がたいせつだよね。








 


青い目の人形の任務

2012-04-09 | essay



山下公園の側にある「横浜人形の家」 ずっと以前観に来たことがあったのだけれど、
娘を連れて訪れるのは初めて。

写真撮影可!という表示に、おもわず撮りまくり!
世界中の人形が集められているここは、人形好きにはたまりません~。

 今も昔も、人形は少女のあこがれ。





 

あんなのや、こんなのや、そんなのや、ヘンなのや。

  思わず見惚れちゃう男前なテディベア。



懐かしい面々。ブーフーウー。昔々の「おかあさんといっしょ」のキャラ人形ね。



あんま似てないビートルズ人形。

  

ほんまもんのローズ・オニールのキューピーちゃんに、昭和の文化人形たち。
他にも、魅力溢れる人形たちでいっぱいのこの夢の館。
人形って、それぞれにみえない物語を持っている。その時代時代で、誰かにたいせつにされてきたからこそ
ここにこうして現存しているんだよね。




そして今、「横浜とアメリカ~友情人形交流にみる横浜」という特別展が開催されている。
現存する青い目の人形や答礼人形たちが、奥ゆかしい面持ちで静かに展示されていた。(こちらは、撮影禁止)

日米友好のために海を渡ってやって来た青い目の人形たち。
各地で歓迎式典が催され両国の友情の、かわいい架け橋となった。

それなのに・・・、その後起こった太平洋戦争の最中、敵国アメリカ生まれというだけで、
焼かれたり、可哀相な目にあわされてしまったというたくさんの青い目の人形たち。。。

現存する人形たちは、そんな狂気の時代にも、こころある人々によって、
こっそりとたいせつに隠されて難を逃れた、いわば生存者たちなんだよね。

この人形たちは、85年も前に特別な任務を背負って来日して以来、
平和の大切さ、ひととひとの繋がりの大切さを、そのちいさな体と存在そのもので
わたしたちに、こうして今でも伝えてくれている。

今回展示されている答礼人形は(日本人形ね)、いずれもアメリカから里帰り中とのこと。
日本で修繕され、こうして展覧会を回ってからアメリカへ戻るそうだ。

歴史的価値の高いこの人形たち・・・これからも、こうしてたいせつに保存・保管されていくことでしょう。
個人的には・・・、ちょっとの間だけぎゅっとハグしてあげたいところだなあ。
長い長い任務、おつかれさまです。。。


「横浜・人形の家」は、山下公園のすぐお向かい。
ファミリーにも、カップルにも、もちろんじっくりおひとりでも、おススメのスポットです。

 Z Z Z・・・

 

 


馬車道とお馬さん

2012-04-08 | 古い建物 のこと



横浜・馬車道。

「馬車道」 って聞くだけで文明開化のかほりがするよね。
ともに午年の娘とわたし。
馬には、結構惹かれます。
この馬の像の向こうに、古い建築物発見!

 



  

そりゃあ、横浜といえば大きな近代建築の宝庫。
でも今回は時間的に建築物までは見て回れないだろうな・・・と、ノーチェックで来てしまったのだけれど、
チェックせずとも、あっちにもこっちにも魅惑的な建物がいっぱいで、何度も足が止まる。

「ちょっとだけ、ちょっとだけ」と、ムスメを引っ張って建物の周りをぐるり。このレンガの感じ、いいなあ。

後で調べてみたら、ここは「旧帝蚕倉庫事務所」の大正15年(1926年)竣工のビルで、
今はアートスペースになっているそうだ。
中も見てみたいものだなあ。

ドアも味わい深い~。



こちらも、もちろん有名な「神奈川県立歴史博物館」
旧横浜正金銀行本店だ。 竣工は明治37年(1904年)
ここは今度時間をかけてじっくり見に来ることにしよう!

馬車道駅にエスカレーターで降りていくと、なんだか遺構に潜るような心持ちが・・・。
壁には、おもむろに、巨大な金庫の扉が遺跡のように貼り付けられている。



壁の説明書きを読むと、ここは旧横浜正金銀行本店別館跡地の地下に当たる。
そして、遺跡に入るような錯覚が起きたのも、それもそのはず。
説明書きによると、
「この壁面は古い建物の記憶を保存・展示する場所としての役割をもつように設計されました。」
とある。 なるほど~~。

しかも、こう続く。
「現在展示物がない場所には今後壊されていく古い建物のパーツなどを設置していく予定です。
この地区周辺の記憶が、駅とともにこの場所に蓄積保存されていくことを望んでいます。」

う~ん。。。今後壊されていく・・・、かあ。 かなしいけれど、ここは古い建築物のパーツの博物館的セメタリーなんだね。
なんだか、ただの駅構内じゃない空間の深さに、うなってしまうよ。

  ムスメも、金庫の扉の大きさにびっくり~。


 歩道のかわいいお馬さんは、娘が発見。


馬つながりで。「氷川丸」船内、児童室の古い木馬。 

久しぶりの横浜は新たな発見に満ちていて、歴史の深さを改めて実感!

 


 


大仏さんとお天道さん

2012-04-06 | essay



三分咲きくらいの鎌倉のさくら。 



2歳頃の次男坊。大仏さんに駆け寄るなり、頭を指さして「りんごがいっぱいちゅいてるーー!」
と叫んで、辺りに温かい笑いのさざ波を巻き起こしたんだ~。
「鎌倉の大仏さん」での懐かしいできごと。

我が家での伝説の場所に、初めて実物を拝観する娘を連れて訪れた。
春の鎌倉・高徳院。

大仏さん、ご無沙汰しております~!



大仏さんといえば、子ども時代関西在住だったわたしには「奈良の大仏っさん」の方が馴染みがあるのだけれど、
改めてこうして眺めると、こちらの大仏さんは大きな空の下、開放的で気持ちがいいね。

でもね、始めから外に座らされていたわけじゃないんだよね。。。
以前、最初に知った時には全然実感が湧かなかったのだけれど、
実は500年くらい前、地震によって起きた大津波で、大仏殿は流されてしまったそうなのだ・・・。
今となっては、悲しいことに、もう想像ができてしまうところが恐ろしいよね。
しかも、ここは海岸線から800mくらいもあるらしい・・・。
日本中、課題は山積み。。。

大仏さんは、津波に耐え、以来こうしてお陽さまに当たり雨に当たり風に当たり雪が降っても、
こうしてここに坐禅を組んで座っていらっしゃるんだねえ。。。 感慨深い。

  所変わってこちらは、ほぼ満開の横浜・山下公園の桜。



枝垂れ桜と氷川丸。ここ、絶景ポイントかも。

  たまたま映っていたよその赤ちゃんとお母さんがとっても微笑ましい

鎌倉・江ノ島・横浜への小旅行。ホントは日帰りできるんだけれどね~。
大阪の父に会いに行く予定が頓挫してしまったので、
代わりに娘と二人だけで、のんびりお泊まりで行くことに急遽決めたのでした。

ちょうどお花見もできたし、たのしい春休みの思い出になりました。




こどもの目線

2012-04-03 | essay



知らない町で、高くそびえる鉄塔を見上げながら一緒に歩いていた娘が

「フーセン、フーセン!」と空を指す。

どこ、風船?? と訊ねると

「ほら!あれ!フーセンガムを膨らませてるところに見えるよ。」

おーーー。な~るほど。

子どもの想像力って逞しい。
なにものにも囚われないピュアな感覚、このまま忘れないでね~。
わたしも、取り戻したいよ~。



          ハクモクレンも白い花を咲かせはじめました。

 

 


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