如来立像(青森市)
ポストカードより
一見、無表情に見えても
近づいてよく見ると小さいお目と無造作にひと彫りしたお口が!
なんとも味のある仏さまや山神様の並ぶ展覧会。
『みちのく いとしい仏たち』東京ステーションギャラリーにて。
写真不可だったので、こちらを。
たくさんの仏さまを拝見しつつ、何だかだんだん観るだけで拝みもせず歩みを進めるのが申し訳なくなってきて、こころのなかで合掌。
くすっとこちらも笑顔になっちゃうにっこり微笑む仏さま。
強がってるのに全然怖くない鬼の表情。
どの仏さまも地元の方々にたいせつにたいせつに祀られてきたお方たち。
じっくり拝見しつつも、出品リストを何度も確認。
これまでたくさん展覧会を観てきたけれど、こんなにもどこの所蔵なのかが気になって手元の出品リストを覗き込むのはわたし史上初のこと。
あぁこの方は八幡平市の神社から、この方は青森市のお寺から、こちらは秋田市の寺院から!
美術館の光の下、澄まして並んでいらっしゃるけれど、普段は奥まった所に鎮座されて祀られ江戸の時代からずっと庶民の祈りや願いをそれぞれに受け止めていらしたのだなぁ…と思うと感慨深い。
たいへんお疲れさまでございます。
それぞれのお家へ早く帰りたいのではないかなぁと少し心配になりつつも
ニンゲンが皆帰って静まりかえった夜の館内では、もしかしたら夜な夜な仏さまたちの宴会が繰り広げられているかもしれない?などと想像してみる。
だって、十王像さんたちはともかくほとんどの仏さまが長い年月ぽつんと独りでお堂や祠に祀られてきたわけだもの。
今回の展覧会で初めて他人ならぬ他仏と相まみえた方々も多いのではないかしら。
「うちとこは山ん中ですねん。海はみたことあらしません。」
「わたしは漁村で漁師らを護ってますのや」
「震災のときはたいへんでしたなぁ…」
などなどと話は尽きないかもしれない?(あ、関西弁はイメージです笑。東北弁はわからないので。)
仏師ではなく地元の大工などの手によって彫られたとされるこれらユニークな出で立ちの仏さまたち。
個性派約130体が一同に介するとても貴重な機会に立ち会えたこと、有り難く思います。
『みちのく いとしい仏たち』は東京ステーションギャラリーにて2024年2月12日まで!