小川洋子氏の本は、そんなに沢山は読んでいないけれど、なんだかいつもココロがザワザワと波立つ。
そしてその後、しぃんと静謐に包まれる。
「薬指の標本」は、静謐な上に官能的な物語だ。
冷たさの中に流れる一縷の生温かさ。
正善の中に潜む狂気。。。
しかし、なんとも読み口が良いので、あれよあれよという間にいつの間にかスルスルっと引き込まれ、もう後戻りはできない。
不思議な魅力に
また読みたくなってしまうんだなぁ。
すごい作家さんだ。
物語の中に出てくる建物がなんとも魅惑的で、古い建築物好きとしては訪れてみたいくらいな物件なのである。
小川洋子氏の世界観、すき。