時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

「帰る」の温度

2011-01-09 | essay

 

テレビドラマのなかで、実家に戻ってきた娘が
暮らしている場所に戻ることを「帰る」と気軽に言うことに
父親が傷つく・・・という場面があった。

「帰る」のはここで、それ以外は「行く」場所であってほしいと願う、
その父親の心情をとてもよく表しているシーンだった。

日本語はむずかしい。
「行く」と「帰る」では全然ニュアンスが違う。

例えば、ヨメにとっては、ダンナの実家は「行く」だけれど、自分の実家は「帰る」だ。

「帰る」には、説明のし難いほんのりほんわかとした温度があるのだよね。

鳥取の親戚から年賀状が届いた。
彼女はわたしには従姉にあたるひと。
けれど、10人兄妹の末っ子だった母とは四つしか違わず、
生後すぐ親を亡くしたため、祖母に引き取られ、母とは姉妹ように育ったひと。
そんなわけで、小さいころから「ヨーコおばちゃん」と呼んでいる従姉なのだ。

しかも、ヨーコというのが名前だと長年思っていたのに、
本名とは全く違うアダナだったと大人になってから知った!!
シンセキってのはわかっているようで、その実、ナゾに満ちているものだ。

そのヨーコおばちゃんの年賀状には、ひとこと
 「また帰っておいで」と書いてあった。

もう母も居らず、帰る実家がないわたしには、涙が出ちゃうほど嬉しいひとこと。。。


「帰る」という言葉の温度に気づくのって、親元を離れてからなんだよね。

いつかわたしも、温かい「帰る」場所になれるように元気ハツラツでいよう!

 


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