「キネマの神様」原田マハ著
2011年 文春文庫発行
これはこれは!
久しぶりにワクワクする物語に出逢ったキモチ。
後半は滂沱の涙を流しながら一気にエンドロールへ。(本だけど笑)
家で読んで良かったわ〜。
なんだろ、知ってる人たちみたいに思えてきて勝手に凄い臨場感に包まれてしまった。
映画を愛する人たちばかりが出てくるこの物語。
映画好きだった父がこの物語のゴウちゃんに被る…。
そして同じくヘップバーンがすきだったわたしの母。
振り回されっぱなしだったところまで似ている。
新社会人になったばかりの1980年代の終盤頃、仕事帰りに足繁く通った銀座文化劇場。
古き良きたくさんの名画を銀幕で観ることができたのはあの銀座文化のお陰。
往年の映画ファンに混じってハタチそこそこの私も昔の映画にすっかりハマっていた。
2週間毎に名画が入れ替わるので、一体何本観たか分からないくらいだ。
気に入った映画は会期中に2度、3度と足を運んだ。
「雨に唄えば」「ドクトル・ジバゴ」「パリの恋人」「スミス都へ行く」「ローマの休日」などなど今でもだいすきな映画。
小説の中にも出でくるシネスイッチ銀座。
わたしが銀座文化に通っていた頃、映画館の半分がシネスイッチになった頃だったような気がする。
「ニュー・シネマ・パラダイス」がかかっていた頃も覚えているが何故かわたしはその時ここで観ていない。
古い映画にこころ奪われていたあの頃、
多分横目で見ながら銀座文化へ吸い込まれていたものと思われる。
もちろん「ニュー・シネマ・パラダイス」は後に観ている。何度みたかな。
あの映画はきっと誰にとっても時のない特別な映画。
ラストシーンを思い出すだけで涙腺が緩む。
「キネマの神様」を読んだら映画館へ行きたくなったなぁ。
古き良き佇まいをそのまま残すすきな映画館。川越スカラ座へ。
しばらく行ってなかったなぁ。何がかかってるか調べてみよう。
そして久しぶりにシネスイッチ銀座へも。まだ少しは銀座文化の面影が残っているかな。