時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

マドモアゼル・ジェジェ

2009-08-19 | essay
知る人ぞ知る、「マドモアゼル・ジェジェ」
70年代にセキグチから発売された少女向け抱き人形。
当時でも五千円くらいして、おもちゃにしては高価だったので、
小さい子より高学年以上の女子の間で静かに流行したみたい。
(ほぼ同時期に同じセキグチ製のモンチッチが大流行!)
この子は、わたしが五年生の誕生日に父にねだって買ってもらったもの。
わたしが父に物をねだるなんて、と~っても珍しいことだったので、
すんなり買ってもらえた。
仲良しの友達三人で、それぞれ自分のジェジェを持ち寄ってよく遊んだ。
さすがに、五年生ともなると、ひとりで人形を抱いて歩く勇気はなかったけれど、
三人一緒ならどこへでも抱いて出かけた。
近所のスーパーで、よそのおじさんに「ほんものじゃないよね?」
とジェジェの頭をつつかれたこともあったっけ。
確かに、母性が芽生えるお年頃だったから、人形遊びというより
赤ちゃんを抱いている気分で歩いていたような気もするなあ。

洋裁の上手な祖母が、わたしの着られなくなった服をほどいて、
ジェジェの着せ替え服をたくさん作ってくれたので、
毎日違う服を着せ、夜はネグリジェに着がえさせて
自分と一緒の布団に寝かせていた。
あまりに愛おしくて、だいじにだいじにしていたので、
キズがついたらどうしよう、髪が抜けたらどうしようと、
失うことを恐れるほど溺愛しちゃってたなあ。

その後自分も成長し、さすがに抱いて遊ばなくはなったけれど、
たいせつに戸棚に飾ったまま月日は流れた。
幸いほぼ昔の可愛い姿のままで現在に至っている。
根強い愛好者も多いらしく、近年には復刻版も出たみたい!

この子は、今では娘の手に渡り、時々着がえもしてもらって
第二の楽しい人生(?)を過ごしている。
かつて、デパートにたくさん並んでいたジェジェたち。
同じ顔をした人形達もそれぞれ違う場所で違う運命を辿る。。。
ふしぎな廻り合わせだなあ。
あなたはうちにきてしあわせだったよねと思いたいな

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