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一部追加補足版
〔速報〕 教皇フランシスコ新枢機卿の名前を発表
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新枢機卿がかぶる赤い帽子
(バチカン放送) 日曜日のお告げの祈りの後、教皇フランシスコは最寄りの機会に枢機卿として任命される人のリストを発表した。以下に教皇のアナウンスの全文を掲げる:
すでに以前に知らされた通り、2月22日のペトロの椅子の祝い日に、私は枢機卿会議を招集することを喜びとする。その中で私はローマの教会と世界中の教会の深い教会的関係を代表する世界のあらゆる部分からの12の国の16名の新枢機卿を指名するだろう。その次の日(2月23日)私は新枢機卿たちとの荘厳な共同司式ミサを主司式するだろう。他方、2月20日と21日にはすべての枢機卿たちと枢機卿会議を開き、家庭のテーマについて考察するだろう。
以下が新枢機卿の名前である:(全員の名前が続くが、私は関心のある2-3の名前にコメントするにとどめる。)
ピエトロ・パロリン:アクアペンデンテの大司教(国名はないがイタリアだと思う)。ベルトーネ枢機卿の後任として教皇フランシスコが国務長官に任命した人。就任直後病気を理由にすぐに職務に着かなかったので心配したが、今は順調に教皇を補佐している。
ゲルハルト・ルードヴィッヒ・ミューラー(ドイツ):教理省長官。
英国、スペイン、ニカラガ、カナダ、アイボリー・コースト、ブラジル、イタリア、アルゼンチン、韓国、チリー、ブルキナ・ファソ(アフリカでも最貧の小国)、フィリッピン、ハイチ、(そのほか私には国が良くわからなかった人もいて、とにかく合計16人)
詳細は1週間後にはカトリック新聞にも出るだろうから、そちらに譲るとして、今日神学校の夕食のメインテーブルの司祭たちの雑談から拾ったことも含めると、軽い話としては、ハイチの候補の事だと思うが(もし聞き違いだったらごめんなさい)、長髪でジーンズ姿の若者向けには実に恰好のいい枢機卿が生まれるとか・・・・。
ブラジルの Orani Cyprine Lacroix リオ・デジャネイロ大司教は、先のWYDのホスト役だったが、レデンプトーリスマーテル神学院を誘致し新求道期間の道を積極的に進めている。私はキコがイスラエルのガリレア湖のドームスガリレアに司教達を招待した時、たまたま食卓を共にし、親しくなり、2012年夏にリオに招待されたが、諸般の事情で実現しなかった。
アイボリーコーストとブルキナ・ファソのアフリカの二人の新枢機卿も、何れも新求道期間の道を自分の教区に導入しており、第2バチカン公会議の教会改革路線に忠実な司教達だ。(この赤字部分は1月16日に追加補足したもの)
私が、一番注目するのは韓国のソウルの大司教になってまだ2年ほどにしかならないアンドリュー・ヨム・スジョン新枢機卿の誕生だ。実は私はこの人物をいささか知っている。(私はその前任者のキム枢機卿の形骸に触れたこともある。)
日本では東京の白柳大司教が1994年に、浜尾枢機卿が2003年に枢機卿に挙げられ、一時は信者50万人に満たないカトリック小国が、経済大国の威光を反映してか、一国2人枢機卿体制にあったが、前者が2009年に死去して以来5年間というが、高齢と病気があってそれ以前から退位同然、後者が2007年に死亡してからは7年間枢機卿のいない状態が続き今日に至っている。
一方韓国は、1969年にキム・スーハン大司教が46歳の若さで枢機卿になっているが、2008年に死去して以来6年間、枢機卿空白が続いて、日本と似た状態にあった。
折しも日本で高松の神学校の存在の是非が問題になった時、バチカンはキム枢機卿を選んで日本に派遣したが、彼は初めから同神学校の対しては反対の立場で、公平な報告は期待できなかったように聞いている。
ところが、新しいソウルの大司教は、私のブログ 「イエスの町カファルナウム ―アジアの教会の未来を占う―」
http://blog.goo.ne.jp/john-1939/e/b3a1349fcdb41fc3051ea6a38bb99426
でも書いたように、キコの「新求道期間の道」に対して極めて好意的で、レデンプトーリスマーテル神学院のソウル誘致についても前向きに発言をしていた。(思い出していただきたい。レデンプトーリスマーテル神学院は福者教皇ヨハネパウロ2世が世界に先駆けローマで開設した全く新しい理念に基づく神学校で,現在世界の100以上の司教区にその姉妹校が存在する。)
教皇フランシスコが、同じような枢機卿の空白が長く続いている日韓両国に対して、新求道期間の道に好意的なヨム・スジョン大司教をわずか2年ほどで枢機卿に登用し、新求道期間の道に対して一貫して反対してきた日本のカトリック教会のベテランの司教達からは枢機卿を誰一人も選ばなかったという、際立った対応の違いに世界の消息通は注目している。
ここからは私の全く個人的な感想だが、今回の教皇フランシスコの対応は、2010年12月13日の教皇ベネディクト16世の御前会議で、「その決定は無効」を告知された《「新求道期間の道」の5年間全面禁止》の決定に同意していた全司教様たち、そして、教皇の明白な意思表示にもかかわらず、その後に自分の教区で新求道共同体の禁止をあらためて文書で確認された司教様たちに対する教皇フランシスコの最初の明白な回答として、今回の枢機卿任命に伴う日韓の明暗が分かれたと考えることは出来ないだろうか。
バチカンから車で15分の近さに住む風見鶏としては、この3-4年の間に任命され、2010年の司教団決定に関与しなかった新しい日本の司教様の中から、ローマの方針に協調的な(つまり、新求道期間の道などに代表される新しい福音宣教のカリスマに理解を示す)勇気ある司教様が生まれたら、その人物こそ次の枢機卿任命に際して最も有力な候補になり得ると観測するのだが・・・。日本的な年功序列など、この際バチカンの気にするところではないだろう。
ブルキナ・ファソ(面積は日本の7割、人口日本の1割強)のようなアフリカ内陸の小国からさえ、この度枢機卿が生まれた。栄光の26聖人を生んだ日本の教会に、今後さらに何年も枢機卿空白時代が続くとすれば、それは極めて異常な事態と言わざるを得ないだろう。