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主はあなたをガリレアで待っている―2
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ドームスガリレアの前のスロープには大きなテレピンの樹が立っている
樹齢2000年以上と言う話だ
乾燥地のパレスチナでは、テレピンやオリーブのような樹は
2000年たっても温帯の屋久杉のような巨木になることはない
今は人の手が入ってし芝生地にポツンとあるが、元々は大小の岩石が累々とした
荒れ地の中に生えていて、他にあと2本あって、
その3本のテレピンの樹の周りにべドウイン(遊牧民)たちがテントを張っていたそうだが
今は枯れ残ったこの一本だけが孤立している
整地が及ばない向こうの荒れ地のはるか下には
曲がりくねった道路の先にキリストの山上の垂訓の教会を包む森がみえ、
その向こうは陽光に光るガリレア湖の湖面が広がっている
その上を鶴ぐらいの大型渡り鳥が群れをなして渡っていく
2000年の12月末にティベリアスの街のガリレア湖畔のホテルに泊まったときには
フラミンゴの大群が、湖面のすぐ上を左から右に渡って何十分も途切れることがなかった
飛ぶ生き物と言えば、足元の敷石に赤とんぼが一匹羽を休めていたが
中学生時代の昆虫少年の頭の中の図鑑には、この腰の細く締まった赤とんぼはいない
私の知らない日本では見られない新種に違いない
大きさはヤンマと塩辛トンボの中間ぐらいだ
昼に、ペトロの首位権の教会の前の大きな樹の下で野外ミサを行った
私がイエスの「わたしを愛するか?」と言う声を聞いた教会の前だ
ガリラヤの風邪薫る丘で-3 (参照)
ミサの祭壇は円形の石のテーブルだが、大勢の会衆に配るパンとブドー酒を乗せるにはやや手狭だ
目を上げると、樹の枝の彼方に船が見えた
ペトロが漁に使った舟よりははるかに大きい観光客を乗せる船だろう
(つづく)