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キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本:高橋秀実「趣味は何ですか」

2018年03月12日 | Book

自称無趣味の著者がいろんな趣味に嵌まっている人にインタビューしたり、実際に体験した結果を綴ったエッセイ。登場するのは、鉄道マニア、航空ファン(航空無線)、寺社巡り、切手収集、郵便消印スタンプ収集、蕎麦うち、ヨガ、環境マニア、防災マニア、カメ飼育、ボウリング、ゲーム、茶道、スターの追っかけ、ガーデニング、登山など様々な趣味に打ち込む人々が紹介されています。趣味というのは基本的に「暇つぶし」であって、持て余す時間をどう埋めるかということから発生したそうです。日本では江戸時代の士農工商の階級制度の中で趣味人が増えました。農工商に属する人達は生きていくために仕事があり、趣味をやる時間が無いのですが、武士はお役人なのでヒマが多い。彼らが持て余すヒマをいかに楽しむかというところから、趣味という習慣ができたわけです。趣味に嵌まる人は、ただ漠然とやる人はほとんどいなくて、それぞれ独自の動機や考えがありその道ではかなり詳しい。でも趣味に打ち込む理由には?が付くような人も少なくないようです。退職して持て余す時間をいかに過すかというのが中高年のテーマ。若者は自分の趣味の分野で、あまり目立たなくてもいいから「認められたい」という欲望が趣味に走らせるわけです。なので、同じ分野の仲間が増えてくると存在感が無くなり、違う分野に移っていく人もいる。一方、ひたすらマイペースの人も居て、そういう人は自分の満足が重要で他人を気にしない人もいたりする。でも彼らには独特の価値観があって、無趣味の一般人には、なかなか理解してもらえない。
興味があったのは、航空マニアの世界です。航空雑誌の編集者によると、飛行機に流れる人には現在2つの流れがあって、ひとつは鉄道からの移籍組、もうひとつはガンダム等のアニメ、マンガの影響からの流れがあります。鉄道組は、マニアの数が増えすぎて鉄道で自分の居場所を無くした人が、飛行機でもやるか(まだ少数派だから)とやり始める人たち。マニアは増えすぎるとマニアにならないという宿命があります。また、戦争アニメものから軍事に興味を持つ若者は、戦争をイメージでしか捉えられないので、軍用機も自衛隊もアイドル感覚で見ているらしい。中高年とは、別次元で軍事を捉える若者が増えているということかもしれない。
一口に趣味と言ってもいろいろあって奥が深いです。この著者もいろんな趣味人にあって、
趣味をやる動機や理由に対して不思議に思うことが多数あり、とにかく数多くの素朴な疑問を
趣味人にぶつけていますが、最後まで納得できない感じです。まあ世の中にはいろんな趣味人がいるもんだなと思わせるルポで、とても参考になりました。
自分の趣味は、やっぱり読書。自分だけの読書の世界。


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