探検家・作家の角幡さんのエッセイ。
雑誌の連載をまとめた本で、著書には書けなかった登山や探検の裏事情、
雑誌の連載をまとめた本で、著書には書けなかった登山や探検の裏事情、
考えたこと等、探検活動に対する著者の想いが書かれていて大変面白かった。
テーマはほぼ困りごと。探検家である著者には常に困り事が付きまとう感じがする。
上手く行っていることは、別段書くことでもないので、困り事が話題になるのは仕方ない。
家庭の事、妻との関係や旅行時の手続きのような些細な出来事から、極地での生死
テーマはほぼ困りごと。探検家である著者には常に困り事が付きまとう感じがする。
上手く行っていることは、別段書くことでもないので、困り事が話題になるのは仕方ない。
家庭の事、妻との関係や旅行時の手続きのような些細な出来事から、極地での生死
に関わるような問題まで、いろいろなテーマを取り上げて考察する。
著者の探検スタイルは、どちらかと言えば結果重視ではなくプロセスを楽しむこと
著者の探検スタイルは、どちらかと言えば結果重視ではなくプロセスを楽しむこと
が重要と考えている。単にどこかに到達するだけなら、便利で安全な手段もあるが、
人間と自然の一体感を感じるためには、多少の不便さ(昔のツール)を使ったほうが良い。
楽しみ方の深さが違うと考えているようだ。
自分も彼の考えには共感できる部分がある。例えば、天体観測の趣味も、GPSを
使った自動導入望遠鏡を利用すれば、簡単に目的の星を見ることができる。単に
天体を見たいという欲望を満足させるには、それでも充分だが、星図を見て、
赤道儀の目盛りを読んで、自分の力で天体を導入した時の満足感は自動導入を
上回る達成感があると思う。そういう不便さに楽しみを見出すのもひとつの方法だ。
ただ、その辺りはそれぞれの考え方次第だし。他人に薦めるものでもない。
自分のスタイルを決めたら、それに従って行動し、ぶれないことが大事。
自分のスタイルを決めたら、それに従って行動し、ぶれないことが大事。
この本を読んでいて、そんなことを考えた。