眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

シャドー・ナイト(大逆転将棋)

2021-02-01 16:59:00 | 将棋の時間
 取りたいところをがまんしてじっと金を引く。辛抱の一手が続いていた。さて、次は取るのかというとなかなかそうもいかない。相手は更に厳しい指し手を突きつけてくる。手に入れたいところをがまんして、じっと歩を謝らなければならないのだ。辛抱の時間が続く。
 取りたい駒(取れそうで取れない)があふれている。前に出たい駒がつかえている。自分の手番は一手置きにくるはずなのに、私は自分の本当に指したい手をしばらくがまんしている。耐えているのに笑っていられるのは、楽しみを多く残しているからだ。今だけ厳しい手なんて、その内に燃え尽きてしまうだろう。
 相手の攻めは一手も緩むことなく、辛抱の末に自玉は詰んだ。

「負けました」
 その瞬間、相手の頭も垂れた。
 私は待望の手番を生かして、反撃の一手を繰り出した。

「投了したのでは?」
 投げたのは影武者だ。
 詰んだのは影武者の玉だった。

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【短歌】総理大臣ショー  

2021-02-01 14:59:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
おおよそに似せるしかないたずねても
一理が遠いしあわせの道
(折句「鬼退治」短歌)


カンペなく立ち振る舞えば勇ましきキッズの夢は総理大臣

天国の近場にかけてコーヒーを飲む喜びは冷めない内に

更新が途切れたままのカテゴリに浮かない君の小説はどこ

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孤独の星

2021-02-01 00:54:00 | ナノノベル
 知的生命など存在しない惑星が、どこかにある。宇宙は想像を超える広さのはず。まだ知り得ないというだけで、どこか遠いところに静かな静かな惑星だってあるはずだ。
「どこかにきっと……」
「あるわけないよ。どこに行っても人でいっぱいよ」
「やっぱり、そうか」
 変人扱いされることを恐れて、私は自分の本心を隠した。

 
出会うということは

たまたまそこを通りかかること(運命)
そこにあるものに目を光らせておくこと(意識)

そのどちらかが欠けても成立しない

運命はどうにもならなくても
意識は自分で動いてどうにかなる

道は変えることができる

私はやっぱり行ってみたいと思う


 片道切符を握りしめ、私は探索の列車へ乗り込む。
「私も一緒にいいかね?」
 突然、現れたのはごろうさんだった。
「ごろうさん……。仕事があるでしょ」
 無謀な旅に他人は巻き込めない。
 これは私が孤独をみつけるための旅なのだ。

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