僕は決して上手い方ではなかった。スピードもパワーも持ち合わせていない。だけど、たまたま上手く行くこともある。いい形になったり、調子がよかったりして、やたら上手くシュートが決まることもある。相手との力の兼ね合いも大きい。よいパサーに助けられたり、チームのバランスが最大限の力を引き出してくれる場合もある。そんな時には、スーパーなゴールだって決まることがあるのだ。
多くの選手は、瞬間的にはメッシになることができる。
「滅茶苦茶上手いですね!」
休憩中に見知らぬ選手が声をかけてくれたことがあった。
(努力の成果か、トリックか、どちらでもいい。うれしかった)
その時の彼の目に自分はどう映っていたのだろう。
生きることは、よい行いを再現しようとすることかもしれない。