眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

星食べよ

2021-02-26 01:19:00 | 短い話、短い歌
しんちゃんが一番星をみつけたとキラキラ笑い僕に言ったの


 僕はそれより先にみつけた星があったとは言えず、こっそりと空から引き抜いてポケットの中に隠した。しんちゃんがうれしそうなことが一番だから、その気持ちを台無しにすることはできないから。言わなかったことは、うそをつくこととは違うよね。ねえ、しんちゃん、明日は晴れるよ、気持ちいいよ、どこか行こうか、ねえねえ、どこ行こうか、海がいい……。
「今日はいつもよりも明るいね」
 しんちゃんが疑いの眼差しを僕に向ける。ポケットの中で、星がだんだんと成長しているからだ。もっと明るくなる前に、僕はこの星をこっそり食べてしまうんだ。
「ねえ、しんちゃん。ジュース買ってきてよ」
コメント
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