「犯人の特徴は?」
「容疑者では?」
女は冷静な口調で言った。
「男の特徴は?」
「おじさんです」
少し待っても続く言葉はない。
「他は?」
「他?」
そんなに難しいことだろうか。
「体型とか髪型とか何か……」
「おじさんですね」
なんて薄っぺらい情報なのだ。おじさんがどれほどの数いると思っているのか。そもそもどこからどこまでがおじさんだというのか。
「私くらいの?」
「そうだ。あなたでした!」
「えーっ、私?」
女の記憶は確かによみがえったらしい。
「犯人は私だ! 観念しろ!」
私は私にお縄をちょうだいした。