習甦=羽生三冠に勝つ事を目標に作成された将棋ソフトで、電脳戦で阿部四段と戦った事は記憶に新しいですよね。
事前に習甦を借りて練習していた阿部四段、習甦がノーマル四間飛車にした場合、自分はイビアナに出来るのだが、受けきられて勝てなかったそうで、四間飛車にされるのが怖かったと後に、感想を専門誌に書かれています。
プロの世界では、絶滅危惧種になっているノーマル四間飛車ですが、間違わないコンピュータ・ソフトの世界で、対局データが多い四間飛車は最強なのかもしれない。
米長前会長も、ボンちゃんに四間飛車で敗れている。
印象に残っているのは、深浦王位(当時)と森内九段(当時)の一戦で竜王戦より。
普通の四間飛車に組んだ、森内名人でした。
銀のポジションを歩越しから、歩の中へ入れ替えて端に手を付ける。
角の王手ラインには、△7三金と投入して金銀5枚の堅城を構築する。
駒を交換して斬り合うのではなく、盤上の勢力図で厚さを優先させる、囲碁的な感覚なのだろうか。
その勢力は、だんだん先手の玉頭に迫って来る。
後手の角と先手の桂馬の交換があり駒損しながらも、この△7五桂が何気に光っている感じです。
ラストは、飛車と香車を交換して「上からマリコ」で、先手投了に追い込んだ。
四間飛車ファン必見の将棋です。 ⇒ここをクリック
かつて振り飛車アナグマに左美濃から、玉頭戦で押し潰していた中原十六世名人の将棋を、思い出させるような一局でした。
是非並べてみて下さい。