中小企業診断士一次試験に企業経営理論という科目がある。診断士学習の最初のため結構学習したことを覚えている。この中にリーダーシップ論という章があって、いくつかの説が載っている。その一つに、SL理論というのがある。有効なリーダーシップは部下の置かれた状況(成熟度)によって異なるというものである。私はこの理論が好きで、企業研修でも何度がこれを使って説明している。
少し具体的に言うと、リーダーは、手段として部下へ「横軸:仕事に対する働きかけ」と「縦軸:人間に対する働きかけ」の2種類がある。仕事を全く知らない人(右下:例えば新入社員)、仕事を十分知っている人(左下:研究所の研究者など)は人間への働きかけは重要ではなく、仕事への働きかけを十分に行う。図の真ん中上の人は(例えば入社数年の中堅社員)へは、仕事に対する働きかけより、人間への働きかけを強くするとよいという。
入社数年程度の部下は、仕事を知っているのだから、課題の解決には、部下に提案してみてくれというべき。 一方、研究所員や新入社員へは、仕事をきちんと指示すべきという。研究所など専門的な仕事をする人は、期待と大まかな指示をするだけ、人間関係は重要ではない。また、新人に提案してごらんといっても新人は仕事を知らないのだから困るだけなのである。従って細かな仕事の指示が必要となる。このように部下のおかれた状況で使うべきリーダーシップは異なる。
さて、現実のリーダー-シップはどうだろうか? 民主党の菅総理は、総理の時、怒鳴ってばかりの指示命令型であった。原発の時など電源のサイズを部下に聞き、指示していたという。総理の使う部下なんだから、仕事は十分知っていたろうに、新人に対する指示のようだった。これでは部下はやる気がなくなってしまう。
今度の安倍総理のリーダーシップはどうなっていくだろうか。興味津々である。新・中小企業診断士の実像 | |
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