熱力学で理解する化学反応のしくみ―変化に潜む根本原理を知ろう (ブルーバックス) | |
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講談社 |
表題の本は、講談社のブルーバックスである。何十年ぶりかにブルーバックスを読んだ。最近は、技術系なのに経営本ばかり読んでいる。
きっかけは、ガス主任技術者試験の講師だ。私はこの仕事し始めてもう、3年になる。 ガス主任技術者試験の科目は、基礎理論、ガス技術(製造、供給、消費機器)、法令だ。ガス技術の供給、消費機器の方は、仕事で専門分野だ。製造は工場に勤めたことはないが、関連部署でよく設備や運転の話を聞き、現物も見た。法令も時々、仕事で紐解いた。従って、不都合はない。
問題は基礎理論である。「基礎」という名称だが、その内容はなかなか難しい。工学ではなく、理学の世界だ。受験講座をやっていて、質問も一番多い科目だ。その中でも、特に、熱力学と化学反応がとっつきにくい。エネルギー管理士の資格を取得したため、いくらか、熱力学になじみが出てきた。そこで本書を手に取ってみたたものだ。
ちょっと前置きが長くなったが、なかなか良書である。数式は簡単なものだけで、あまり出て来ない。特によくわからなかったエントロピーと自由エネルギーの理解が進んだ。自然界はエントロピー増大の法則だそうだが、なるほど、という感じ。また低温ほど、エントロピーの効果は大きいというが、その意味。自由エネルギーは、エンタルピーとエントロピーから簡単に計算できるなど。
今度、機会があれば、受講生に、エントロピーを簡単に説明しよう。