ちょっと前だが、東芝がまたコンプライアンス違反をしたというニュースが流れた。そして決算も延期している。流れたニュースによると、工事進行基準を操作したらしい。工事進行基準?、これ簿記の用語だ。一般の工事と違って、プロジェクトのような長期間に及ぶ工事は、特殊な仕訳が認められている。
例えば3年に及ぶ工事の場合、普通の工事完成基準で仕訳をすると、1年目、2年目工事が終わっていないため、利益が出ず、3年目にまとめでドンと利益が発生する。1,2年目は工事を行っているにもかかわらず、利益が出ない。
そこで、1年ごとに一定の基準で利益を計算して、毎年利益が発生したことにして、仕訳をするのが、工事進行基準だ。簿記検定や建設業経理士検定に登場する。また最近は、情報システムの開発でもこれが適用できるようになったので、話題になった。
さて、報道によると、東芝はこの工事進行基準を操作して、利益を多く見せたという。具体的内容はこれ以上はわからない。もしこれが本当とすると、根は深い。推定だが、こんな処理は一担当が間違えてするようなものではない。経営層も関与していたかもしれない。
私は企業研修で、コンプライアンスの問題も扱っている。それは、現場の1担当者の判断ミスで、会社存続に大きな影響を及ぼすことがるため、普段から報・連・相を欠かさずに、というものだ。しかし、この東芝のはちょっと違う。経理上の操作で利益を多く見せるのだから、かなり上層部まで知っていたんじゃないだろうか。
相変わらず、コンプライアンスの問題が発生しているね。