第三日、第四日
朝6時出発、間ノ岳に向かって歩き始めたが、とにかく風が強い。一部の予報では風速20m/s と出ている。そして空は厚い雲。晴れそうにはない。二人で話し合って、引き返すことにする。事故があっては遅い。登る人、引き返す人が出ているようだ。
再び仕切り直しで、北岳方面に出発。今日の予定は、間ノ岳ピストンで、北岳を経由して肩の小屋までの予定だが、ピストンを省略だ。
登り始めてすぐに、雲が切れて晴れる。信じられないような快晴になる。15分くらいだろうか、今回の登山で唯一晴れた瞬間だった。天空の稜線、北岳に、富士山、間ノ岳を撮影することができた。
北岳
富士山
間ノ岳
そして、スマホで三山を捕えたビデオをとることができた。こちらです。高望みはしない、これだけで、もう十分だ。
そして、登る最中にウスユキソウを発見、今日はついてる。
登るにつれて、ガスが出てきて、風も強くなる。岩のある角度によって暴風になる。このルートは、肩の小屋から北岳山頂への登りと違って、ペンキの印が少なく、しかも剥げている。従ってどの岩を進むかよくわからない。また、濃いガスで視界が聴かず、メガネが曇り、そして強風の登り。手袋が濡れて寒い。これが続くと低体温症になる。昨日歩いてきた場所だが、別の道を歩いているようで、緊張して登る。
3百mの登り、コースタイムの1.5時間にプラス30分で北岳山頂に到着。ここで、二人ともやれやれ、緊張の糸が解けた。もう1時間も続いていたら、どうなったろうか。緊張で写真を撮る暇がなかった。そしてその後、ゆるゆると肩の小屋に到着。9時。早い時間だが小屋に入れてくれた。
部屋は、改修したそうできれいだ。寝床は蚕棚のタイプ。これはいいね。そして、同じ風が強いため早々に戻ってきた登山客(高齢者が二組)とダベって過ごす。休憩時のコーヒーに、昼食時のラーメン・おでん、午後の休憩でお汁粉と、食べまくる。話しているうちに、まだキタダケソウが咲いてるそうで、案内してもらった。小屋のすぐ前だ。
ホントに咲いてる、初めて見るキタダケソウ、ラッキー。
北岳、間ノ岳の稜線を歩いた記念に。
夕食は、肩の小屋名物、豚肩のロース、ごはんの大盛りには北岳盛りというのがあるそうだ。一度見てみたいな。
肩の小屋は快適に過ごせた。が唯一、トイレが外だ。夜中に二度ほど出かけた。
翌朝は、6時出発。風が強いかと思いきや、それほどでもない。途中、雷が鳴って大雨になった。大急ぎで草滑りから、御池を下り、肩の小屋から広河原まで、所要4時間、ほぼコースタイム通りに下山できた。
今回の登山、北岳・間ノ岳の稜線の素晴らしい展望を一瞬目にすることができた。一方、強風の恐怖も味わった、思い出多き山旅でした。