蝶ヶ岳から下山して、上高地から白骨温泉へ。もちろん、日本百名湯の一つだ。到着時間が早かったため、旅館には入れず、時間つぶしで、特別天然記念物「噴湯丘」へ。昔、温泉が噴出していた場所だ。
旅館の前には、飲泉所がある。石灰が析出して、白い石になってる。飲泉ができるというのは、名湯の証拠だ。
そして今夜のお宿、新宅旅館へ。この旅館は源泉を持ってる。というか、源泉のある旅館を探した。
温泉には都合三回入浴したが、まず、成分の分析。含硫黄ーカルシウム・マグネシウム・ナトリムー炭酸水素塩温泉(硫化水素型)低張性中性高温泉 という。
泉温は、48.9℃とやや高温だ。ぺーハーは6.66、中性。そして溶存物質は、1,448mg/kg、溶存ガスは2,000mg/kg だ。 有名な割に意外に薄い温泉だね。
一般に、美人の湯と言われるのはアルカリ性又は、炭酸水素泉、硫酸塩泉、硫黄泉だが、この温泉は何と、炭酸水素と硫黄の二つが、これをクリアしている。炭酸水素はツルツル&美白、硫黄はメラニンの分解でシミ予防だ。
高温で、これだけいい成分が入ってるから、100%かけ流しだろう。登山で荷物を軽くするため、電位センサーは持ってこなかったが、測っていればすごい数字だろうね。
湯船は撮影禁止のため、写真はないが、お湯は、内湯、露天とも白濁している。このお湯は、炭酸ガスが入っており、空気に触れると、カルシムと反応し、炭酸カルシムとなり、白く濁る。湯船が、白く析出するため、昔は「白船温泉」と呼んだそうだ。
もう一つ、白骨のどこかの宿で、お湯が白濁しなくたったため、入浴剤を入れていたのが、発覚して問題になった。この白濁は、源泉の温度、浴槽、成分濃度の微妙な差で濃淡は変化するそうだ。今は濁らない場合は、そのままにしているという。
ついでの話だが、酸化還元電位の資格取得の際の講習で、大学の専門の先生から、あの温泉で入れていた入浴剤は、温泉成分としては最高のものだった、マスコミが取材に来た時に、話したが相手にしてもらえなかった、という。まあ、そんなもんかね。
この白骨温泉、沢渡ターミナルからかなり奥に入った山の中の温泉、だ、温泉好きなら一度入浴をお勧めする。