練習のことについても書きたいなとは思うのですが。忘れないうちに読書について書いておきます。
ずっと図書室にある本を借りて読んでいました。読みたいなと思う本が幾つかあるのですが。そのタイミングでkd先生が「よく本読むね」と言って貸してくださった本が数冊あります。かなりマニアックな本なのでエネルギーが前回の時に読みたいと思います。めちゃくちゃディープな本が数冊。いや、よくこんな本を見つけましたねと感心するくらいの話です。
お借りした本をふと読んでみると「平刃の月」という文庫本がありました。特にこれを選んで読んでみたという話ではないのですが。一番最初に手に取った本がこれだったという感じです。
これまで読んだ本とはまた深さが違う感じです。映画化されるとのこと。元々2018年くらいの初版。
50代の男女が「恋愛」とは異なるお互いに抱く気持ちの中で生活していく。最初は話の流れが良くわかりませんでしたが。読んでいるうちに「死」を意識する部分も大きくなってくる部分もありました。
学生のような熱烈な恋愛ではない。結婚云々を意識するような年代でもない。色々な人生経験を重ねた中での50代。特別なことがあるわけでもない日常の中で病院のコンビニで再開する。抱えているものが大きくて自分を曝け出さない。
会話の流れがアイドリングだという表現がすごく好きでした。久々にあって特別な関係でもないけど慣らし運転みたいな感じで誰にでも話すことを当たり障りなく話す。そこから疾走し始める前段階。
単純に熱烈に恋をする、愛情を抱くということができないのかもしれません。それでもお互いが微妙な距離感で。
同じような表現が何度も何度も繰り返されます。これは「繰り返される日常」だったりする。毎日毎日が刺激的な事ばかりが続くような高校生活や20代ではない。生活があってその中に少しの幸せや気づきがある。その中で惹かれ合う関係。
なんか本当に切なくなりました。青砥さんの気持ちが分かるような、もどかしいようなという場面が何度もありました。客観ししつつも主観で物事を捉えている。そして何故あの時…というような後悔が繰り返される。そして伝えたいことが伝えられないまま…という流れでした。
初めてこの手の作品に触れました。今だからこそ感じることが多い部分です。青春とは全く違うリアルがそこにある。
かなりこころが痛くなりました。グーっと締め付けられる感じがありました。今の自分は本当にこのままでいいのかなという気持ちが強くあります。なんだかな。
感じることの多い作品でした。借りた本は読みたいとは思うのですが、他の本は本当にマニアック度が高いので(笑)読めるかなー。脱北云々とか(笑)