kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

世界陸上に対して・・・

2007-09-04 | 陸上競技
 世界陸上に出場した選手のblogを見ると、今回の結果は賛否両論だったみたいですね。始まる前まではかなり盛り上がっていましたが、実際に始まってみると日本選手の不調やけいれんなど予定とはかなり異なる結果だった・・・。

 始まる前から実際に出場する選手が様々なテレビ番組に出演してPRをしたり、世界陸上に目を向けさせる努力をしてきた。マスコミはそれに便乗して「メダルが取れる」と大々的に宣伝して視聴率を稼ぐ。それはそれで良かったのではないかと私個人としては思います。もしもマスコミが注目してここまで宣伝をしなかったら「陸上競技」に目を向ける人間は少なかったのではないでしょうか?地元開催だから自然と注目するとは考えにくい。世界陸上の開催する少し前に行われていた世界水泳はそれほどマスコミの注目度も低かったので結果もよく分からないというのが実情です。

 もしも選手が身体を張って宣伝しなければ間違いなく今回の注目はなかったと思います。注目を浴びたからその反動で批判を受ける。表裏一体だと思います。注目を受ければそれなりに批判を受けるのは当然です。今回のように「メダルが取れる」と多くの種目で宣伝しておいてうまくいかなかったときなんかは、普通以上に「選手がテレビに出ているからだ」とか「CMに出過ぎだ」とかいう批判は受ける。でもね、応援するってそういうことではないんじゃないかな?それぞれの選手の全ての取り組みを含めて「応援する」というのが必要だと思います。人気が出た一時的な部分だけ応援して、上手くいかなかった時には批判する。それは選手応援とは別物だと私は思います。
 「結果」が出ることなんてそんなに高い頻度ではありません。人間は大半、上手くいかない、納得いかない「結果」を自分の中に受け入れながら生きています。今回の世界陸上でTV放送を通じて「心から悔しい」という姿を見て何を感じたでしょうか?自分自身がその立場だったら何を感じていたでしょうか?選手達は自分達のやってきたことを後悔しているでしょうか?そこまで感じて欲しいですね。

 テレビを通じてシンプルな競技の面白さが伝わる事って大事だと思います。見てもらわなければはっきりいって楽しさと迫力は伝わりません。一人でも多くの人に陸上競技の楽しさを伝えようとした選手の努力は誰も否定できるものではないと思います。過剰なマスコミ報道に「陸上競技」の本質を好きで取り組んでいる人間は「嫌だな」と思うかもしれません。それでも「興味がない」人に見てもらうためには大きな着色が必要なんですよ。

 選手は本来自分のためだけに競技をします。結局結果は自分にしか返ってきませんからね。別にPRしなくたって良いんですよ。それが自分のためだけでなく「陸上競技」のことを考えて自発的に取り組んだことは否定できるのでしょうか?選手を応援するというのはそこも含めてではないですか?「メダルと狙います」という陸上選手が取れなかったら今回のように否定されます。暑さやプレッシャーも大きく影響していたため自分自身のパフォーマンスができないまま終わってしまった選手も多かった。一番悔しいのは選手自身です。それに追い打ちをかけるようにblogに批判を書く必要があるのでしょうか?野球選手が「優勝します」といって優勝できなかったときにここまで批判されるでしょうか?「応援する」ということは全てを含んでの応援だと思うのですが・・・。

 書いているうちに何が言いたいか分からなくなってきましたが、「応援する」というのは見返りを求めるものではないと感じています。上手くいかなかったときも上手くいったときも含めて「頑張って欲しい」と思うのが「応援する」ってことじゃないかな?今回の経験は出場選手にとって大きな事だと思います。「結果」が出たら言うことはないですが、今回の世界陸上があったから「次」があるのだと思います。きっと次につながる大会になると信じています。

 みんな頑張ってます。私は何もできませんが、地方で陸上の活性化に力を注いでいきます。それがきっと何かにつながると信じて・・・。
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バタバタ&情熱

2007-09-03 | 陸上競技
 本気でバタバタしていました。なんせ子供の夏休みの宿題に追われていて・・・。小学校1年生は本気で勉強してくれません(涙)。やりなさいと言ったら遊び始めるし、やるなといったら「やる」と言い続けて夜遅くまで頑張ります(汗)。結局読書感想文も工作もこの土日でやりました・・・。疲れた・・・。

 色々あってかなり情熱が低下していました。指導力もカリスマ性もそんなに無い私が唯一「これだけは!!」と言えるのが「情熱」だと思っています。それが無いとほとんど普通の人です。結構顕著にそれが出ます。目指すところがどこにあるのか?それが見えてこないと情熱を高めることができないようです。別に高い目標が偉いわけではないと思う。以前男子で入部してきたときに100mが16秒くらいかかっている選手がいた。とにかく「女子に負けない」という目標も持って2年間努力を続け、うちの13秒台の女子には負けなくなっていた。個人種目では県総体には行けなかったけど、女子のマイルを強くするために自分から練習を引っ張ってくれて女子の力を高めてくれた。そういう目標だって良いと思う。何が何でもやるんだっている目標があるかないかってすごく大事なこと。
 この子の目標は「自分でやる」と決めて取り組んだから価値がある。誰かのためとか誰かが言うからとかではなくて自分で「女子には負けない」と決めた目標だったから頑張れたんだと思う。

 ここ数日間申し訳ないですが「何が何でも」という情熱がありませんでした。haradaさんからのメールで少し「何かをしなければ」と思いましたが、「命を削ってでもやり遂げる」という「鬼気迫る情熱」をどこかに落としてきていた気がします。特に何がというわけではないですが、「・・・」という部分が多かった。自分自身のことを考えながら子供と一緒に過ごして「こんな普通の生活も良いのかな~」なんて感じていた。自分自身の「武器」を忘れてしまっていた感じでしょうか。
 
 客観的に練習を見ていて「もっとこうした方が・・・」とか「動きを・・・」とか思った自分がいて、実はまだ「情熱」は失われていないのではないかと感じた。それがどうこうというわけではありませんが、なんとなく感じたのです。色々と話をする中で、「自分は恵まれている」という現実に気がついた。自分自身の取り組みについてアドバイスを下さる方々に囲まれ育ててもらっている。その他の方から頂いている「エネルギー」をみんなに伝えていかなければ意味がないんじゃないかってふっと感じた。一方的に与える「エネルギー」ではなく、共に大きくしていく「エネルギー」でないといけない。先述の男子選手のように「何が何でも」と思わせるくらいの力が私に無ければ「夢」なんてものには届かない。もっともっとみなさんからもらった「エネルギー」を還元していくことが必要になるだろう。そのためにもっともっと高めていかなければいけない。

 少しは情熱が戻ってきた感じでしょうか???まだまだ自分の中で温めてみます。もうしばらく時間を下さい。「夢」を本気で口にする選手がどこまでいるのか?一時的な「夢」ではなく「何が何でも」やってやろうという「強い意志」を感じたい。それから「エネルギー」をもらって「情熱」に変わるはずだから・・・。今目の前にいる子供達と「夢」を追いかけてみたい。今しかできないことだから・・・。前に進めるかな・・・。
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大阪から…

2007-09-02 | 陸上競技
メールボックスを開いてみると、懐かしい人物からメールが来ていた。何度かblogにも書いたことがあるが女子の400mHのyamaguchi県記録を持っているharadaさんからのメールだった…。

関わりとしては非常に微妙な関係なのだが、高校時代に顧問の先生の了承を得て練習メニューを立てさせてもらっていた。月に1~2度練習を見て動きを修正するくらいで、あとは基本的にメールでのやり取りが中心だった。その日の感じやスピードを聞いてメニューを修正していくという感じで「指導した」というよりは「援助した」というくらいの関わりだったのかな…。練習時間が2時間無い状況(6時には学校を出ないといけなかった)と女子特有の「難しさ」を持っていたので、どこまで手助けできるか分からないまま関わっていった。

中学3年生で400mHを65秒位で走っていたんじゃなかったかな?恐ろしいレベルです(汗)。私は本当にたいして役立っていたとは思えませんがメールのやり取りの中で、「顧問の先生がいるから今の練習環境があること」「競技に対する意識」「自分自身にある可能性」等の指摘はし続けていました。まだ25歳位でよくわかっていなかったため出過ぎた部分もあった気はしています。しかし、技術指導だけでは意味がないと考えていたので最低限の事だけは伝えていました。

県記録を更新した後に報告の電話で「先生から言われた『信じて』という言葉でスタート前に頭の中が一杯だった」と言われて涙が出た。

意志が強い子だったので、やると決めたことはひたすらやり続ける事ができていました。進路に関しても「夢」を最優先して陸上とは全く違う道に進みました。それはそれで彼女の選択は正しかったと思います。

前置きが非常に長くなりましたが、そんな関係があったんですよ。今回のメールは世界陸上を見に行ったこと、それによりまた自分も身体を動かしてみようと思ったこと、会場で私に良く似た後ろ姿を見て追いかけたら別人だった事が書かれていました。加えて「先生と一緒に夢を追いかけていた高校時代が思い出された」と…。ありがたいことです(:_;)嬉しいですね。

私の指導はこの子との関わりの中で生まれて育てられた気がしています。今と比べると私自身の知識も意識も低く彼女の力を最大限に引き出してあげることはできなかった「負い目」を強く感じています。本当だったら全国で上位に入る力がある選手だった気がします。感謝すると共に申し訳ないという気持ちが強くあります。
それ以来、私は「400mHの県記録更新」が大きな目標になっています。十分な手助けができない中で県記録を出した選手とのやり取りの中で学んだこと、育てられたことを次の選手に伝えていかなければいけないと思って過ごしてきました。haradaさんのためにも他の指導者ではなく、私が指導した選手と一緒に記録を更新したいと強く願っていました。こんなことを公に書くのは恥ずかしい部分もあったのですが、本人からメールが来た事でharadaさん自身にも私の「想い」を伝えました。インターハイよりも国体よりも、まずはその記録を更新したい。62秒台を出して2つの全国大会に出られないという可能性は低いですから、その記録を目指していき戦えるようにしていきたい。来年の話かもしれないし、10年後になるかもしれません。巡り合わせも大きく影響するのでそう簡単でないのは分かっています。他の学校の選手に先を越される事だってあるだろうし…。
それでも目指したい。可能性がある限り…。素晴らしい選手が出した記録を破って全国で上のラウンドに進む事で県の400mHは初めてスタートラインに立てると思っています。

いつかきっと「更新したよ」と報告ができる日が来ると思います。世界陸上のおかげで、気持ちが陸上指導の「原点」に戻った気がします。いつか…。きっと…。
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