あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第40回

2016-11-02 15:26:03 | Weblog


西暦2016年水無月蝶人狂言畸語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 245



在るものはすべて「ない」のである。「生きる」もない「死ぬ」もない。「きたない」もない「きよい」もない。「ふえる」もない「へる」もない。つまり。「ない」というそのなかには「ある」もない。伊藤比呂美訳「般若心経」より

またしても、「いつ、どこで、誰が始めたか?」。この国では、かの太平洋戦争も、豊洲市場の「もりつち」も、五輪の腕押しも、憲法破壊も原発再始動も、「ガバナンス欠如」とそのときどきの得体の知れない「流れ」の中でいつのまにやら実体化されてゆくのさ。10/1

むかし「朝はどこから来るのだろう」、という歌があった。そこには来るべき明るく楽しい朝への予感が籠められていた。いまこの国の人にとって、「明るい明日」はどこにあるんだろう。10/3

古き良き時代に基礎研究に従事した科学者の沈潜と努力の成果が、地下層を潜っていまごろノーベル賞という形で噴出している。税金を無駄遣いばかりしている安倍蚤糞も少しは見習ったらどうなんだ。10/4

「仮名手本忠臣蔵」を見物している外国人が、判官切腹から表門城明け渡しの場をみながら大いに退屈しながらも、時に奇異のまなざしを注いでいた。大衆化された歌舞伎といえ、平成に生きる現代人にとっても不可解な光景はいくつも現出する。10/6

昨夜は一晩中歯が痛み、その前の晩は背中の1か所が錐で刺されたように痛んだ。もともと狭心症だからそれとこれとが連動しているのかもしれないが、病院にいくとなると泰山鳴動して大変なことになるから少し様子をみよう。10/7

豊洲とか五輪とか小池とか慎太郎とか森とか二階堂とか稲田とか安倍蚤糞とかもうたくさんずら。全部まとめてどっかへ消えてしまえ。10/8

ドラマ「漱石の妻」では鏡子が100円と引き換えに養父塩原昌之助から明治21年の「離縁後の1札」を取り戻して一件落着したように描かれていたが、実際はそう簡単なものではなく、双方の軋轢は明治42年に100円と引き換えに塩原に「離縁誓約書」を書かせるまで続いた。http://www.kanabun.or.jp/souseki/list.html10/9

どうも日本には明るい軽い喜劇がない。大多数の民衆は、芝居でも活動でも、悲劇でなければ見に行かない。彼らは芝居へ泣きに行くのである。谷崎潤一郎「藝談」

作る方の側になると、一つ所に踏み止まって繰り返し繰り返し研きをかけるという、そのことに無限の感興を覚える。音楽家なら「残月」なら「残月」の曲を心ゆくかぎり何度でも弾く。或いは一生を費やして漸くその曲の秘奥を会得するのである。谷崎潤一郎「藝談」

肉体や神経とは繋がっていない文語を、頭の中でさながらラテン語のように操りながら、歌を詠むことは、私にはできない。それは絶滅寸前のネアンデルタール人や日本狼がするような、孤独で誇り高く知的な営為であろうけれど。10/12

安倍蚤糞がもくろんでいるのは、12月の下関でのプーチンとの北方領土交渉。ここで成果を収めるや否や衆院を解散して、総選挙に打って出ようとしている。10/13

憲法よりも安保よりも国の将来よりも、目の前の景気と成長への幻想を優先する。これがいつに変らぬ選挙民の本音である。10/14

A子さん、歯医者に行くなら、できるだけ近場がいいですよ。10/15

小池お七都知事はあちこちに次々に火をつけて回っているが、まだどこも鎮火していないようだ。10/16

敬愛する詩人についにお目にかかったら、「思っていたとおりの人だった」と仰ったので、なんとなく嬉しかったが、果たしてどのように思われていたのだろうと、あとで気になった。自分のことは、ついに自分には分からないものだ。10/17

「生き急いでいる人間だから真夜中に死者と仕事をすることだってあるさ」という元歌が
「生き急ぐ人間だから真夜中に死者と仕事することだってあるさ」に直されて毎日歌壇に掲載されたが、私は何が何でも57577の枠に押さえようとは思っていないのです。10/18

安倍蚤糞の3選に道を開く阿呆莫迦自民党。国民のために百害あって一利なき極右ファショ政党は一日も早く解体するしかないだろう。10/20

「土人」とか「シナ人」などという差別的な言葉が無意識に口をついて出るような精神的風土は石原慎太郎のような暗愚な政治家固有のものではなく、日清戦争当時、或いはもっと遡って秀吉のアジア侵略時代に培われたヤマト優等民族意識の所産なのだろう。10/21

警察や政党や政治家や企業の劣化は国民ぜんたいの知性と感性の劣化が原因だから、俺たちはそおゆう国民にふさわしい素敵な警察や知事や政治家や企業に恵まれているということなんだろうね。万歳、万歳、万歳!10/22

ドラマ「夏目漱石の妻」は余りにも駆け足で残念な出来だったが、三谷幸喜脚本の大河ドラマで漱石を正面から取り上げてはどうだろう。その際、雛子の死、江藤淳の「鏡子の漱石毒殺未遂説」や車谷長吉の「中根家の借財負担説」もぜひ取り入れてほしい。10/23

秋ドラマでは「校閲ガール」が面白い。石原さとみがうまく脚本に嵌って、その天然カワ莫迦性が生かされている。米倉涼子が大活躍する「ドクターⅩ」は完全にマンネリ。中園ミホの脚本も思いあぐねている感じ。大河の「真田丸」がいよいよ佳境に入ってきた。10/24

緊張していい仕事ができるなら、誰でも緊張してみるだろう。緊張することなどは誰でもできるのだ。自然体に勝るものはないのである。安西水丸「a day in the life」10/25

徹夜して30首作ったなどと自慢したりする人がいるが愚かな話だ。そんなものはどうせ碌な代物ではあるまい。歌や詩は作るものではなく、出来るものだ。慌てず騒がず待っていれば、それはどこからともなく降って湧いてくる。10/26

久しぶりに「ブラタモリ」をみたが、なんだか当初の自由さが失われ、珍妙で杓子定規な学術クイズ番組と化していた。どんな番組も定石を求め、それが確立されると当初の新鮮な息吹が失われてマンネリに堕す。10/27

野球解説者でいらいらさせられるのは、衣笠と掛布。妙に視聴者に迎合的で、その必要がないのにまず無意味なへらへら笑いから始まり、空陽気で無内容な言説を振りまく。アナウンサーさえいれば、こういう手合いは要らない。10/28

私は外来のカボチャ祭りと、これにいともたやすくうつつを抜かす連中が大嫌いだ。10/29

いつのまにやら日本シリーズが終ってしまった。黒田と大谷の対決が見たかったなあ。10/30

世界で唯一の被爆国が核兵器禁止条約の制定交渉に反対するとは、いったどういうことだ。米国の言いなりになるこんな奴隷国には、核廃絶を主張する資格はない。フィリピンのドゥテルテ大統領の爪の垢でも煎じて飲め。10/31


アルバムを見ながら昔の私は綺麗だったんだと呟く今でもあなたは綺麗ですよ 蝶人
コメント
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