あまでうす日記

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高橋源一郎著「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」を読んで

2018-05-18 11:04:41 | Weblog


照る日曇る日 第1067回



源ちゃんが脳白紙状態の子供たちの領域に降り立って、一緒に国や憲法についてゼロから考える本ですが、これをいま話題の「道徳」の時間のテキストにするといいのではないでしょうか。

例えば、こんなことがサラっと書いてあります。

「モンテヴィデオ条約第一条」によれば、「国orくに」、であるための条件は、
 1)そこに住人がいること
 2)そこに場所があること。
 3)そこに政府があること。
 4)他の国orくにと関係を結ぶ能力があること。
の4つであり、他に条件はありません。

 また同条約の第3条は、
「国orくにには、他の国orくにによって承認されなくても、存在している。だからいつでも自由にその国orくにの権利を行使して、国orくにとしての仕事をすればよろしい。

どうやら国orくにというものは、それほど肩を怒らせ、悲壮な決意を固めなくても、気軽に作ったり、やめたりしていい制度のようですね。

本書によれば、実際に1973年にはジョン・レノンとオノ・ヨーコ両選手が「ニートピア」という領土のない国を創立し、その国旗は「白いハンカチ」だったそうです。

また2014年には、米国ヴァージニア州アビンドン在住のエレミア・ヒートンさんが、彼の7歳の娘のエミリーちゃんが、「わたし王女様になりたいワ」というので、エジプトとスーダンに挟まれた砂漠の中の「主権空白地」に、エミリーちゃんがデザイした「国旗」を立てて、「北スーダン王国」を樹立したそうです。

本邦では、かつて井上ひさし選手が、伝説の「吉里吉里国」を旗揚げしたのも記憶に新しいところです。

そういえば、現在の沖縄は、かつて琉球王国であった時代が長く続いていましたから、そろそろ悪辣非道な安倍蚤糞が独裁するヤマトンチュウの版図から軛を脱して、軍事基地ゼロの「沖縄共和国」などに変身してみてはいかがでしょう。


 「国」よりは「くに」の方が柔らかで自由な組織のような気がする 蝶人

コメント
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