ある晴れた日に 第545回
「膵臓脾臓、胆管胆嚢、十二指腸、五つの臓器を取りし安藤忠雄
ああ確かに世の中はこのようなものと得心させる奥村晃作「ただごと」の歌
世界中の指導者の大半がジコチュウの気違いばかり
右奥歯の歯茎の下が膿なので穴をあけて掃除するとか
健君のバースデイケーキの蝋燭を自分で吹き消そうとする佐々木耕君
薬品を薬品が入ったチュウブから取り出す時はお薬の蓋の裏の突起を使って
どこを撮っても空が広く映ります地方に住む人の風景写真は
道端に「大抜擢」という焼酎酒瓶が捨ててある買うのも飲むのも勇気がいりそう
今は亡き有名人と会うために今日もお昼に「徹子の部屋」みる
なにゆえにいつも断言できるのか「私絶対失敗しないので」
5年間さんざん悪さをした男このたびは平和憲法を殺そうとする
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」最終幕歌いに歌いしカルロス・クライバー
雑草という名前の草は世にあらずすべての草に名前あるなり
ひさかたの光のどけき春の日に魑魅魍魎が蠢く政界
夏のツバメはじゅじゅうと鳴くあやしゅうこそものぐるほしげに
テレビでは誰もが「ウマイ!」と叫んでる「マズイ」と言えない訳でもあるのか
嘉風も勢も負けましたあとはどうでいい大相撲初場所
お日柄もよく全国的に晴天でみな元気なれど政治だけが悪いなり
「完全かつ最終的に解決する」そんなことなど誰にも出来ない
苦虫を噛み潰したような顔である車体番号8888の男
我らには見えぬ金銀銅のメダル胸に4年間の精進
めくるたびジョーカーだけが出てくるの世にも不思議なトランプのトランプ
その昔七冠独占の羽生選手いまはただ裸一貫となる 蝶人