照る日曇る日第1413回
本書の「赤江川原」の冒頭は、
川原からは髪は見えない。
ではじまり、一行あけて
京都の北、船岡山では為義の
七歳・天王殿
九歳・鶴若殿
一一歳・亀若殿
一三歳・乙若殿
の四人の子どもが
切られようとしていたし、
と続く。保元の乱で崇徳上皇について敗北した源為家の4名の男児の、波多野次郎による斬首の場面だが、その続きを読まずに我慢できる人は少ないだろう。
このように詩人は、古今東西南北に跨って広く題材を捜索し、それらをあんまり深くは掘らないけれど、読者の耳目を上手に引きつけながら、おのが専売特許の磁場へと巧みに誘導する。げに端倪すべき老獪の技である。
何事がおわしますかは知らねども、事物の核はなけれど詩心の核は、ありそでウッフン、なさそでウフン、ほらほら黄色いサクランボ
とでも、歌いながら評すべきか。
78で32番をひいておるポリーニはんのベートーヴェンはええなあ 蝶人
本書の「赤江川原」の冒頭は、
川原からは髪は見えない。
ではじまり、一行あけて
京都の北、船岡山では為義の
七歳・天王殿
九歳・鶴若殿
一一歳・亀若殿
一三歳・乙若殿
の四人の子どもが
切られようとしていたし、
と続く。保元の乱で崇徳上皇について敗北した源為家の4名の男児の、波多野次郎による斬首の場面だが、その続きを読まずに我慢できる人は少ないだろう。
このように詩人は、古今東西南北に跨って広く題材を捜索し、それらをあんまり深くは掘らないけれど、読者の耳目を上手に引きつけながら、おのが専売特許の磁場へと巧みに誘導する。げに端倪すべき老獪の技である。
何事がおわしますかは知らねども、事物の核はなけれど詩心の核は、ありそでウッフン、なさそでウフン、ほらほら黄色いサクランボ
とでも、歌いながら評すべきか。
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