あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ジェラール・ド・ネルヴァル著野崎歓訳「火の娘たち」を読んで

2020-06-12 13:10:02 | Weblog


照る日曇る日第1411回


ネルヴァルといえば松田世紀夫選手のことを思いだす。スロープ下の03部室でいつもブロックフローテを吹いていた年長でインテリの彼はネルヴァルが好きで、それで私はゲーテが称賛した「ファユスト」の訳者にして超現実的な象徴主義文学者で非業の死を遂げたこの精神錯乱者のことを知ったのだった。

この岩波文庫版におさめられたのは、ネルヴァルにとってのファム・ファタールが続々登場する「アンジェリック」や「シルビィ」「ジェミー」「オクタヴィ」「コリッラ」「エミリー」であるが、巻末に8本の「幻想詩篇」がついているのがグリコのオマケのように楽しい。

本書を読んで、イタリアに渡ってハープシコードの製作者になったという松田君に会いたくなった。

久し振りに狭心症の発作あり2波に亘りて5分程続く 蝶人
コメント
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