照る日曇る日第1422回
「万軍の王」の怒りをかってバビロニアに拉致され、屈辱と悲惨な亡命生活を強いられたイスラエルとユダの民を嘆く哀しい歌。
「哀歌」の前にはエレミヤ書が置かれているので、この「哀歌」もエレミアの作と称されているようだが、私はそうは思わない。
無造作に歌われていたソロモンの「雅歌」などとは違って、イスラエルやユダのような民族、シオンのような地名、イスラエルの古名を擬人化して、美しい娘の気の毒な受難に身を寄せたりする「華麗な」文飾は、あの苦渋に満ち満ちた人世を閲した預言者の文体ではないだろう。
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「阿呆、ド阿呆!」翫右衛門はどやしつける小津「浮草」で若尾文子を 蝶人