あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

蝶人文月映画劇場その4

2020-07-29 11:07:51 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2217~26


1)市川昆監督の「処刑の部屋」
下らない作家の下らない原作を映画にしても、やっぱり下らない映画ずら。なんでこんなんで若尾文子ちゃんを使ったのか。勿体ない!

2)市川昆監督の「ぼんち」
山崎豊子の原作を1960年に映画化。婿養子の表題役を市川雷蔵が力演、毛利、山田があんじょうアシストしているが、それでも原作者が「しみったれ」と苦言を呈したのは、市川の演出のせいである。

3)市川昆監督の「鍵」
谷崎原作を1959年に映画化したが、話はだいぶ違っている。昔の京が出てくるのは懐かしいずら。京マチ子より、若尾文子で撮ってほしかった。叶順子はどうにもエグイな。

4)市川昆監督の「日本橋」
泉鏡花の原作を和田夏十が脚色した1956年の映画で、淡島千景、山本富士子が競演。山本は古典的なおもざしの美人だが、動きが鈍重で軽快さに欠ける。市川演出はいつもの通り、いいような悪いような。

5)川島雄三監督の「しとやかな獣」
1962年製作のウエルメイド黒喜劇。新藤兼人の脚本が見事な出来栄えで、これなら演劇にしても素晴らしいだろう。本作でも若尾文子は好調だが、高松、伊藤、山岡の助演陣も快調なり。この翌年川島は45歳で死ぬが、なんと勿体ないことだったろう。

6)吉村公三郎監督の「女の勲章」
原作は山崎豊子、脚本は新藤兼人だから面白くないわけがない。京マチ子、若尾文子、叶順子、中村玉緒をモノにしてふあっちょん学校を牛じる田宮二郎が凄い。1961年の製作だがこの頃の邦画は勢いがあったなあ。

7)川島雄三監督の「女は二度生まれる」
1961年製作の若尾文子の魅力全開の傑作映画。最高の若尾文子を、川島選手が自由自在に引き出しました。

8)山本薩夫監督の「金環蝕」
石川建三の原作を1975年に映画化。池田、佐藤自民党政権の暗闘をバックにした政財界の汚職と腐敗堕落を、当時の政争に拠りつつドキュメンタリータッチで描く大胆不敵な暴露映画。内部が腐った金環蝕は、その後さらに悪化しているが、その姿を映像化する根性のある製作会社や製作者は少ない。

9)山本薩夫監督の「皇帝のいない8月」
1978年の映画で、小林久三原作の自衛隊クーデター計画事件を描く。佐分利信、三国連太郎、岡田嘉子、吉永小百合、山崎努など、有名俳優がウンカの如く総出演しているが、三国と主犯格を演じた渡瀬恒彦の、三島張りの狂気に満ちたアジテーションが物凄い。それにしても太地喜和子はいい役者だったなあ。

10)大曽根辰男監督の「顔」
1957年に公開された松本清張原作のサスペンス映画。主犯を女性に変えて、ファッションモデル役の岡田茉莉子が大活躍。ショウにはレナウン商事が協賛しているのが懐かしいが、当時のふあつちょん模様がうかがえる。宮城千賀子がまだ若くて妖艶ずら。

  メイド・イン・チャイナの家電がいっぱいだ「政経分離」堅持の我が屋 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする