あまでうす日記

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神奈川近代美術館鎌倉館にて「小金沢健人×佐野繁次郎ドローイング/シネマ」展をみて

2024-03-18 13:37:07 | Weblog

 

蝶人物見遊山記第380回&鎌倉ちょっと不思議な物語第460回

 

現代ビデオ作家の小金沢健人が今は亡きドローイング作家の佐野繁次郎を泉下から呼び出して勝手にコラボレーションした展覧会、とでも称すべきだろうか。

 

佐野の装丁本の数々いがいはあまり興味をそそられないコレクションであったが、受付に置かれた小金沢のジョン・ケージについてのテキストが超面白い。

 

「ケージは後に4分33秒という無音の作品を発表して有名になるが、それ以前の段階では無音を取り囲むいくつかのフレームが用意されていて、作品の印象は花のメタファー、沈黙には祈りという意味を与えようとしていた」というのである。

 

しかし実際に1952年に発表された「4分33秒」では、「作品を満たすはずだった情緒は消されて、中身を問わないフレームだけが残った」のだが、小金沢健人の「433 is 273 for Silent Prayer」では、この4分33秒を「意思のある沈黙を生成するものとして」再生している。

 

50歳の自閉症児が聞いている「吉高さんなんで泣いちゃったの?」 蝶人

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