白井聰・望月衣塑子対談集「日本解体論」を読んで
照る日曇る日 第2027回
いよいよ悪名高き帝国を解体する作戦に入ったのか、と胸を膨らませたのだが、あに諮らんや、腐敗と堕落の極に達した帝国の現状を嘆き、暗黒の未来を嘆く憤慨と絶望の書であった。
けれども、今や中途半端な右翼紙に堕した本体から、このようにまっとうな知識人による、まともな書籍を出せる新聞社は、右翼とファシスト全盛のこんにち、まことに貴重な存在とはいえるだろう。
面白かったのは20年前にロシアに留学していたという白井選手のロシア談義で、一時は闇タクの運転手をしていたプーチンが、なぜ権力中枢に呼ばれたか、とか、ソ連崩壊の経済危機を救ったからこそプーチンは支持されているとか、ロシアの現有戦力はたいしたものではない、とかの具体的な指摘は興味深い。
春闘とは資本の大判振る舞いか果報を寝て待つ組合ダラ幹 蝶人