あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

柳田國男原作・京極夏彦文・伊野孝行絵「でんでらの」を読んで

2024-04-27 09:00:33 | Weblog

 

照る日曇る日 第2041回

 

「でんでらの」という言葉は本来は「蓮臺野」で、「れんだいの」と呼び、京の鳥辺山のように「墓のある土地」を指す。

 

遠野の人々は60を過ぎて老人になると、みなこの「蓮臺野」に集められ、生涯この地で過ごすことになっていたらしい。というとあの姥捨て伝説を思い浮かべるが、遠野の老人たちは朝は村で働き(ハカダチという)、夕べは「蓮臺野」に「ハカアガリ」したそうだから、「姥捨て伝説」のような悲劇性はかけらもない。

 

さりながら、この絵本では「蓮臺野」をそこと隣接する古代の囚人の処刑地の「ダンオハナ」と強引に一体化し、「蓮臺野」=墓地=死の曠野という暗いイメージに色づけようとしているので、いささか抵抗を覚える。

 

MIDORI嬢はどこがいいのか分からんがHIMARIの良さならわしにも分かる 蝶人

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする