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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

マルセル・カルネ監督の「天井桟敷の人々」をみて 

2019-01-16 15:34:50 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1941



これは確かドイツ占領下で総力を挙げて製作されたフランス映画で、そこには「武の国独逸」に対する「藝の国仏蘭西」の意地が賭けられている。というような評をむかし読んだことがあるが、さもありなんというべき輝かしい傑作である。(原題は「天国の子供たち」であり、天井桟敷とは何の関係もない)。

しかしその内容はと問えば、サーカスの芸人の浮かれ女への宿命の恋物語、というのであるから、物語としてさほどの変哲があるわけはない。

しかし「6年間朝から晩まであんたを思っていた」と妻が自慢するのに対して、他の男と遠く蘇格蘭に旅していた浮かれ女が「ミーツウ」と返すところには度肝を抜かれ、この脚本を書いた人物が他ならぬ詩人のジャク・プレヴェールであったことを知って「成程なあ」と納得したりもするのである。

しかしながら、それほどにも男を愛した2人の愛の深さに、拮抗するほどの愛を持ち得なかった男を、誰も責めることはできない。
「2人の女の愛こそが仏蘭西であり、その前に項垂れる貧しい男こそが独逸である」と、無理やり言い切ってしまいたい誘惑にオラッチは駆られるのである。


  「恋なんてこんな簡単なものだった」と一生に一度だけでも言うてみたい 蝶人


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「夢は第2の人生である」改め「夢は五臓の疲れである」 第67回 

2019-01-15 16:29:17 | Weblog


西暦2018年水無月蝶人酔生夢死幾百夜



原宿本社の5階のエレベーターの前に、伊オリベッティ社のタイプライター、レッテラブラックが捨ててあった。持って帰ろうかなとも思ったが、それがアメリカのボビーブルックス社と提携しているルック社の長老の愛機であることを知っていたので、私にはできなかった。6/1

夕方の退社時間に、大手町のビルヂングを訪れると、無数のリーマン諸君が、どういう訳かエレベーターにもエスカレーターにも乗らずに、9階から地上階に通じている階段に殺到しているので、私もその真似をしてみた。6/2

次々にやって来るリーマンたちは、一丸となって、雪崩を打って猛烈な勢いで下へ下へと落下していくのだが、その疾走感と墜落感が混淆して、堪らない恍惚と酩酊を生み出すのである。私らはそれをもう一度体感したくて、もう一度エスカレータで9階に戻り、階段墜落に参加するのだった。6/2

ともかく各ブースの一番乗りを目指していたのだが、すべてのブースの先頭に、同時に存在することはできないので、結局僕たちは、会場のあちこちを懸命に駆けずり回っているにすぎないのだった。6/3

「今日は最大の勝負どころになるので、夜はたぶん野宿することになるぞ」と脅かしたら、若いネエちゃんが、さめざめと泣きだした。6/4

おらっちが病気で休んでいる間に、会社は4名を採用し、うち1人はおらっちが担当していた、サッカーで例えると、ボランチ的な職種を担当しているそうだ。6/5

彼女の誘いに乗って、渋谷からバスに乗って、どこかの駅まで行って、どこかの店に入って、白い布のついた洒落た木造の椅子を見つけた彼女が、「買おうかしら、それとも止めようかしら」と私に相談してくるが、私は別にどうでもよくて、ベランダのところで蕩けるような接吻を交わす。6/5

部下のタカハシが、私に無断でダーバン社に提案したディスプレイ案は、古今東西の女優のブロマイドを服の周りに張り付けるという阿呆らしいものだったので、案の条、常務のワタナベがワンワン噛みついてきた。6/6

僕らのラストアルバムである「そして緑の樹木は燃え」は、まだ2曲しか完成していないので、あと2,3曲追加しなければならないのだが、すぐに出来そうにみえて、なかなかできないので大いに焦っているわけ。6/7

花形スタアはんの雇われ運転手の私だが、スタアはんを待っている間に、およそ20メートル向うに貼ってある、安倍蚤糞のポスターめがけて石を投げたら、みな命中するので、あっという間に人だかりがして、なかには小銭を恵んでくれる人も現れた。6/8

わたしら民草が、浮沈する位置は一定しているのだが、インフレとかデフレになるたびに、5センチから20センチ間隔で上下するので、その都度、元の位置にまで自力で戻らなければならなかった。6/9

その女は、「いつまでにその準備をすればいいのか、教えて下されば、あなたと一からやり直して完成させます」と、堅い決意を披露するのだった。6/10

その庭園内にある中華料理屋は、浅い池の上に建てられていたので、床板の下を覗くと、浮草の間から、白くほとびた麺や、喰いかけの餃子や、錆びた鍋釜などが見えるのである。6/11

セイさんや、カワムラさん、ウジさん、死んだムラクモさんなど、昔の宣伝部の面々が勢ぞろいしているのに、誰もが押し黙ったまま、朝夷奈峠に至る曲がり道を歩いていた。これは誰かの葬列か? 6/12

キャメラは、どんどんブラに向って迫っていき、最大限にアップしたところで、しばらく考え、一転して、今度は猛烈な勢いで引いていった。6/12

暮れの東京駅の大丸の投げ売りフェアで、酔っ払ったヨッサンと一緒に、「家具あれこれ一式5千円セット」を買ったら、これがまあ、どうしようもない、とんでもない代物ばかりで、家族の顰蹙を買ってしまった。6/13

私は五臓六腑が育んでいる言葉を欲していたので、それぞれの臓器を、傍にある墓石に擦りつけながら、臓器が内蔵する言葉を、ムギュギュッと絞り出して、お気に入りの文化学園大学の手帖に記入していった。6/14

この風呂敷の中には、何が入っているのか?と、怪しみながら開いてみると、せごドンの大きな首だった。6/14

「乾坤」という大仰な文字が、立ち上がった飛車角のようにどんどん迫って来るので、私のささやかな夢は、たちまち崩壊してしまった。

その男は、紙つぶてをボールのように扱って、青空に向かって放り投げ、受けとめては、また放り投げていた。6/15

「また一人、優しい人が、死にました」という句を、ゴルゴタの丘に建てると、その5・7・5の区切りを体現するかのように、3人の十字架が現れた。6/15

宣伝部は本社にしかなかったのだが、事業部が遠方に拡散するにつれて不便になったので、急遽事業部内に支部を設けて、それぞれの業務に必要な宣伝販促活動に従事するようになったために、本社の宣伝部は、次第に有名無実の存在になっていった。6/16

リーマンを辞めて、詩人になったサトウ氏と偶会したら、新しい名刺を頂戴したのだが、そこには「Amazon123.comCOE」と大書されていたので、私は「あのアマゾンの!」と、驚くばかりだった。6/17

「きみきみ、あと1週間ほどで宇宙船がやって来る。それまでこの星で待っていれば、一緒に地球へ帰れるよ」と、その男は教えてくれた。6/18

「おい、お前は金なんかないんだから、そんな無暗に高いだけのスーツなんか買う必要はない。もっと節約しないと、年金どころか税金が払えないぞ」と説教したのだが、そいつは柳に風、馬に念仏だ。6/19

私の左隣の青年は、生物工学専攻の学生で、右隣りは高名な人文学の博士だったが、彼らに挟まれて座っている私は、何者でもなかった。6/20

村の議会で、おじさんが、「クリンしてからトゥクリンしてクリンアウトせんけりゃならん」と演説した途端に、檀上に警官が駆け上がって、「弁士中止! 弁士中止!」と絶叫した。6/21

私たち夫婦が住む家に、どこからか若い娘が転がり込んできたので、同居していたのだが、それが大いなる災いをもたらすことになるとは、当時は誰も思わなかった。6/22

私は超満員電車の中で、どういうわけだか、若い女性とがっぷり左四つで抱き合うようなかたちになってしまい、電車の振動と共に激しく揉み合っているうちに、珍しくも下半身が硬くなり始め、あれよあれよという間に、イってしまったああ。6/23

アフリカ人で黒人の私が住む国では、初めての民主的な大統領選挙が行われ、軍部の与党候補者が、私らが推薦する野党の民間人に大敗したので、村は朝から、お祭り騒ぎなのだ。6/24

さる女流評論家に拾われた浮浪児の私は、彼女の膨大な洗濯物をキロいくら、日々のポートレートを1Pいくら、といった具合に請け負うことで、はじめて自活できるようになった。6/26

三食昼寝付きで、ホテル並みの至れり尽くせりのキャンプ地、という触れ込みだったが、いざ現地を訪れてみると、飲み食いできるものは、なにひとつなかったので、私らは、朝から晩まで狩りをするほかなかった。6/27

コピーライターのアオキさんと、海外担当のカナガワ君、そして私の3人で旅をしているのだが、裸馬の大群が、怒涛のごとく疾走している。どうやらここは、アメリカの西部のあらくれの地らしかった。6/28

ジャングルの中では、赤くて丸い実を食べる。私は、それを絵に描いた。6/29

私は自費出版某社のライターだったが、自叙伝の作者と私の間に、変質狂的な編集者が絶えず介在して、取材や執筆の邪魔をするので、頭にきて抛り出したら、それ以来ぷっつり仕事の依頼が来なくなった。6/30


   陰嚢に溜まりし邪悪かき集め夜来の雨に残らず吐き出す 蝶人


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辺見庸著「月」を読んで 

2019-01-14 12:41:49 | Weblog


照る日曇る日 第1189回



フィクションと銘打ちながらも、相模原やまゆり園の殺人事件を主題とした小説である。後半は「心失者」を大量に殺害した植松聖を思わせる「さとくん」の心中と思想になり変った著者による、穏やかならぬ強烈な記述が、読む者の心を騒がせる。

「さとくん」は、もはや心を喪失した化け物はとうてい人間とはいえないある種の「反社会的存在!?」なので、天に代わってこれを討つと宣言し、驚いたことには実行してしまうのである。

しかしこの本で著者が、「さとくん」のその独断専行に対して、いっさい否定的な見解を表明せず、「その是非については、個々の読者がそれぞれ勝手に考えればいい」というような突き放した態度で終始している。

登場する様々な障害者の心が、あたかも「在る」が如くに描かれているのは救いだが、ある意味では植松聖に加担しているような印象すらあるのは、まあ話半分とは言え片手落ちではないだろうか。

それにしても、誰が重度の障害者の一人ひとりに、心があるとかないとか判定できるのだろうか? 心は意識と呼び変えてもいいだろうが、「さとくん」や植松や専門家が「心失者」と判断しても、どっこい有心者であることも多いのである。

7年前の2012年に義母が危篤になったとき、駆けつけた医師が、ろくろく診察もしないであっさりと臨終を告げたとき、甥のリョウちゃんが、義母の耳元で大声で「おばあちゃん! おばあちゃん!」と叫んだ途端、目をパッチリと開いて「よみがえった」夜の事件をはしなくも思い出した。

たとえ当該の超重度障害者が生れながらに化け物さながらの異形であり、心(意識)が皆無で、禽獣同然の垂れ流しであろうが、生ある限りその者を「人間ではない」と宣言することはできないし、ましてや神ならぬ身の分際で処断する権利など、どこにもないのである。



今朝は4時半に電話してきた息子よお母さんを寝かせてあげて 蝶人
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ジャック・スマイト監督の「ミッドウェイ」をみて 

2019-01-13 13:43:35 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1940


敵空母の損害はたった1隻なのに、出撃した虎の子の空母をまるごと4艦も喪ってしまった日米決戦のミッドウェイ。この映画は既存のフィルムを流用したつぎはぎ作品ではあるが、無能な南雲司令官を起用した山本五十六の無能ぶりをあからさまにしている。

それにてしても、空母なんてわずか数機の雷爆、極端にいうと、たった1発の魚雷で撃沈されるヤワな船だと思い知らされる。げんざい我が国では「いずも」を航空母艦に変身させようとしているが、んなもんたった10秒で中国のミサイルで撃沈されるだろう。

それはさておき、ミッドウェイ大敗北の映画をみるたんびに、にっくき米軍機の空爆によって、我らの父親たちが鮫うようよの重油の海で次々に死んでいく姿がありありと脳裏に浮かび、そのような悲劇なかりせばの思いに駆られるあまり、いっそ極右超ファシズムの大日本帝国が鬼畜米英を撃破し、返す刀でイトレルをも 屠って全世界を征服していたらという奇怪な幻影にとらわれることもある。

そうすれば我らは依然として天皇陛下の赤子であり、かの日本会議や安倍蚤糞が夢見る天皇君主絶対制の世にあわあわと棲息し続けることになったのであろうが。


  我こそは天孫選民と宣る人に真偽のほどを告ぐる人なし 蝶人
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深作欣二5本立てずら。 

2019-01-12 15:29:46 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1935~1939


1)深作欣二監督の「仁義なき戦い」
どんどん殺し殺されてゆくヤクザたちが哀れにも阿呆らしい。されど「オヤジさん、タマはまだ残とるんじゃが」の幕切れはカッコよすぎるずら。

2)深作欣二監督の「仁義なき戦い広島死闘篇」
相変わらずの殺し殺されの連続であるが、若き日の北大路欣也扮する組員の生き方、死に方が心に残る。息の音が止まっているかどうか一人づつ確認する所、口笛を吹く所。

3)深作欣二監督の「仁義なき戦い代理戦争」
第一作の続編だが、我らが主人公菅原文太が先輩であり一流のヤクザ?であるにもかかわらず若輩者の小林旭などの後塵を拝して組織から追いやられてしまうのが情けなく歯がゆいずら。

4)深作欣二監督の「仁義なき戦い 頂上作戦」
ようやっとマスコミと市民の声が登場してヤクザどもを呉・広島から追いやるが、それまではヤクザのやりたい放題。彼らにはまったく民草への視線がなく、みずからの欲望の充足だけに血眼になっている。

5)深作欣二監督の「赤穂城断絶」
お家は断絶するがお城は断絶なんかしないので妙な題名だが、深作欣二が演出しているのでまあ許してやるか。でも内蔵助役の錦之助がブヨブヨしていて締まらない。当初案の吉良役なら面白かったのに。主税から切腹の作法を聞かれてちゃんと答えられなかった不破数右衛門(千葉真一)だったが、2人とも大丈夫だったのかしら。

  1袋700円で夜のやる気が漲ると協和発酵「シトルリン」囁く 蝶人

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自由律詩歌その39

2019-01-11 15:32:42 | Weblog


ある晴れた日に 第542回

はねはねはね
はのはのはの
はまはまはま
はみはみはみ
はむはむはむ
はめはめはめ
はもはもはも
はははははは
はひはひはひ
はふはふはふ
はへはへはへ
はほはほはほ
はやはやはや
はゆはゆはゆ
はよはよはよ
はらはらはら
はりはりはり
はるはるはる
はれはれはれ
はろはろはろ
はわはわはわ
はをはをはを
はんはんはん

ひあひあひあ
ひいひいひい
ひうひうひう
ひえひえひえ
ひおひおひお
ひかひかひか

 三菱でいいのは鉛筆とボールペン 車も船もつくらないけど 蝶人

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鎌倉の2つの展覧会 

2019-01-10 17:40:51 | Weblog


蝶人物見遊山記第300回&鎌倉ちょっと不思議な物語第407回



旧冬押し詰まってから鏑木清方記念美術館で企画展「水野年方没後110年」(1月14日まで)を見物したことを忘れていました。

清方という方の名前は師の年方からもらったのでしょうが、師匠の作品を見ると横山大観ばりの朦隴体であまり共通項がない。おそらく師を乗り越える清方独自の画境を懸命に切り開いたのでしょう。

その清方の弟子の一人が伊東深水ですがこの2人の作風もおおいに異なっている。出籃の誉という言葉もあるが、その逆もある。弟子の関係とはまあそおゆうものなのでしょう。

新しい年を迎えた昨日は鎌倉国宝館の「源実朝そその時代展」(2月3日まで)を見物しました。源氏にもいいのわるいのいろいろあるが、私は800年前の1月27日には八幡様の銀杏の木の下で非業の死を遂げたこの若き三代将軍がむかしから大好きなので、勇んで駆けつけましたが、冒頭陳列品の信濃善光寺所蔵の古色蒼然とした鎌倉時代制作の木造一木彫の「源実朝坐像」が深く心に刻まれました。

外観は享保雛のような瓜実顔ですが、瞼を閉じて彼岸に遊ぶようなその優美で気品ある表情がまるで小林秀雄の作品に描かれた孤独な魂のありようを生き映しにしているようで、心を奪われました。

実朝が父頼朝の追善のために我が家の近所に創建した大慈寺の軒瓦が展示されているのも驚きでしたが、ともかく800年前に人死にした詩人を、生きてあるかのごとく感じさせてくれる稀有の展覧会です。



  「金槐集」読めばたちまち蘇る鎌倉右大臣実朝のこころ 蝶人
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ルイス・キャロル著・高山宏訳・佐々木マキ絵「不思議の国のアリス」を読んで 

2019-01-09 17:45:37 | Weblog


照る日曇る日 第1188回


私は原文を読んだことはないし、読んでも解読できないのだけれど、この本の翻訳はとても難しそうなんだ、と高山選手の邦訳を読みながら思ったことでした。

まあアリスが土手の上で2人のお姉さまとぼんやりしていた間にみた途方もない夢のお話、ということなのでしょうが、
「目の前を胴着のポケットから時計を出して時間をみながら走り去る大きなウサギ」
というビジュアルがあまりにも生き生きしているので、そいつを追ったアリスがウサギ穴を滑り降りるという導入部を思いつけたからこそ、そのあとがいろいと自然に展開できたのでしょう。

その白い大きなウサギをはじめ、リトル・ビルとかイモムシ、女公爵、ブタ、クイーンとキング、サカナ従僕、ネムリネズミ、まがいタートル、帽子屋などなど、星の数ほど魅力的なくキャラクターが次々に登場しますが、一等魅力的なのは、ご存知にやにや笑うチェシャー猫だと、おらっちは思うずら。

そして異形のキャラは、いずれもアリスとはあまり深くかかわることなく、あっさりと退場するので、よけい彼らの存在感が際立ち、物語の展開が難渋してきたな、と思うや否や、作者は、アリスを大きくしたり小さくしたりして、場面の転換を図っています。

伸縮自在とは、よく言うたものですな。


AIのドローンちゃんの命令一下空母いずもは撃沈されたり 蝶人

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ウィリアム・ブレイク著・土居光知訳「ブレイク詩集」を読んで 

2019-01-08 15:08:21 | Weblog


照る日曇る日 第1187回



大江健三郎の小説を読んでいると、やたらブレイク、ブレイクと崇め奉っているので、いったいどういう人物かと思ってこの詩集をぱらぱら読んでみたが、いっこうに要領を得ぬ詩人であり、宗教家であり、銅板画家だった。いな、とても一筋縄ではいかぬ男であった。

その一筋縄のいかなさは、最近どこかですれ違ったような気がしたので、腕組みをしてぐっと思い出してみると、かの「ユリイカ」をあらわしたエドガー・アラン・ポオ(1809-1849)だった。

ブレイクは1757年に英国で生まれ、1827年に亡くなっているので、米国人のポオより前の時代の人だが、18年くらいは同じ地上の空気を吸っていたのである。

本書に収められているのは「無心の歌」「経験の歌」「天国と地獄の結婚」はいずれも初期の作品だが、至って抒情的で木訥な味わいの前2作に比べて、「天国と地獄の結婚」は論理的・預言者的な箴言集であり、それらはまるで別人の著作であるいうても過言ではないだろう。

抒情と叙事、感性と理知、常識と狂信といった相異なる人間的要素の混在と軋轢こそがこの「夢見る詩想家」の内実だったのではないだろうか。

ブレイクは、フランス革命を凝視していたに違いない。

曰く「6千年の後に世界が火で焼かれるという古の伝説は私が地獄から聞いたところによると真実である。火焔の剣を持てる天使ケルビムは生命の木を守る役目を解かれる。かくて今有限になり、また腐敗せる如く思われている万物は焼き浄められて、無限に、神聖になる。このことは感性のよろこびの浄化によって実現されるであろう。」

願わくばその業火が6千年を待たず、安倍蚤糞日本会議内閣存続中に起爆しますように!


「世界中を毎日びっくりさせてやる」ただそれだけがトランプはんの生甲斐 蝶人

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安西水丸文・絵「東京美女図鑑」を読んで 

2019-01-07 15:11:11 | Weblog


照る日曇る日 第1186回



安西水丸死してはや5年、こおゆう本を読むと、彼がまだ鎌倉の鎌倉山で生きているような気がするから不思議である。

本書は「小説現代」に2007年2月号から14年4月号まで毎月連載されたそうだが、彼は2014年3月に亡くなったから、末尾に置かれた「八丈島を歩く」はほぼ絶筆というてもよろしいでしょうが、「もう一泊するか、そんな気分になった」という最後の一文を眺めていると、「そうかあ、まだ八丈島にいるんかあ」というような気がしてくるから、またまた不思議である。

美女を求めて日本橋から後楽園辺りまで東京を歩こうという、まあいい加減な企画であるが、そうそう美女と出くわす訳ではないんで、その代わりに彼が袖摺り交わした女性たちとの思い出話を聞かされる羽目になるんやけど、まあ若い時分からモテルことモテルこと。やっかみの一つも言いたくなるんやけど、それよりも行く先々の土地の歴史や故事来歴が程良く記述されているのに驚く。

それで例えば、「お茶の水から神保町へ」歩いていると、東京医科歯科大が見えたので、彼は昔その大学の学生から学園祭のポスターを描いてくれと頼まれた話を思い出す。
お茶ノ水にある大学だから、「お茶の水博士」はどうかという案が浮かんだので、彼は手塚治虫事務所に許可をもらおうと電話した。

すると手塚治虫本人が出てきて「安西水丸さん、ぼくはあなたの絵好きですよ。頑張ってください」というたそうだが、そのことを彼は次のように書く。

「手塚治虫さんはまだ駆け出しのぼくにそう言ったのだ。ぼくは子供の頃から手塚さんの漫画は読んでいた。その言葉のうれしさは今も忘れられない。因みにぼくの特に好きな手塚作品は、「地球の悪魔(出た時は「地球1954)と「世界を滅ぼす男」の2作。

そうだよなあ、きっとずーっと嬉しかったろうなあ、と私も思うのだが、そのあとの2行がいかにも水丸選手らしい。「因みに私の好きなのは「嚢」と「悪魔の開幕」の2作です。」

ほんでもって「世界に誇る電気街、アキバを歩く」では、かつて対談したことのある真梨邑ケイの「真梨邑ケイ情事Ⅱ」という中古ビデオを買い、青山の仕事場でそれを見る。
そしてこう書くのである。

「真梨邑ケイは異様にセクシーだった。イヤらしかった。彼女は確か1957年の8月生まれだったと思う。熟れきった白い肌のあちこちに小さなホクロが飛び散っていた。目の動き、唇の乱れ、疲れた乳房、うしろから突かれている白いヒップ、すべてが感動的にイヤらしかった。ところどころに彼女の歌うジャズが流れる。ジャズとは本来こんなものではないかとも思った。真梨邑ケイはほんものの女かもしれない。かつて対談したことが誇らしかった」
最後のふたことがいいよね。その前もいいけど。

セクハラでレヴァインもデュトワも追放されたがトランプだけは今なお居直る 蝶人


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家族の肖像~親子の対話その40

2019-01-06 11:31:58 | Weblog


ある晴れた日に 第541回



お父さん、スシの英語は?
スシだよ。
スシの英語は?
スシだよ。
お父さん、スシの英語は?
スシは日本で生まれたから英語でもスシなんだよ。

お父さん、笑うと石原さとみ、なんていうの?
「耕君、アホ笑いしないでね」て言うよ。

お父さん、石原さとみ、笑うとなんていうの?
「耕さん、アホ笑いしないでね」だよ。

ぼく、人名用すきですお。
なに?
人名用漢字ですお。
へええ、漢字辞典かあ。

今日のトンデンの昼食は、耕君ががんばって働いた5千円の賞与で食べました。ありがとう!
ハイ。

お母さん、くつろぐってなに?
ゆっくりすることよ。

お母さん、しまったは?
失敗したなあ、よ。
お父さん、しまった、の英語は?
Damn it!かな。

孤独ってなに?
とても寂しいことよ。耕君、孤独?
孤独じゃないお。

耕君、石原さとみになってください。
私は石原さとみです。
石原さとみさん、こんにちは。
はい。

お母さん、もともとって、なに?
最初から、のことよ。

お父さん、ぼく、戦うラーメンマン好きですお。
そう、お父さんも好きだよ。

「もっと早く着替えなさい」っていわれたお。
いつ。
昔。

いやらしいは、エッチのこと?
まあそうだね。
おじさん、今日小林さんは?
息子はきのう遅かったのでまだ寝ているんだよ。今日はおじさんで勘弁してね。
分かりました。

デリケートは?
複雑で微妙なことだよ。

教室の英語は?
クラスルームだよ。

お父さん、ワガチチハハって、なに?
耕君のお父さんとお母さん、だよ。

木にツと女で桜でしょ?
なに? おお、そうだね。

お父さん、しぐれるは?
寒い時に雨が降ったりやんだりすることだよ。

お母さん、大したことないってなに?
大丈夫のことよ。
ダイジョウブ、ダイジョウブ。

ピンポンって、正解のことでしょ?
そうだね。

ぼく、綿菓子すきですお。
お父さんも。

お盆には、おじいちゃんとおばあちゃん帰ってくるでしょう? そうでしょう?
うん、帰って来るよ。

オグラさん、みんなとバイバイするから泣いたんでしょ?
そうね。
オグラさん、悲しかったんでしょ?
そうね。
みんなとバイバイ、みんなとバイバイするからね。

お父さん、「怒鳴ってごめん」て謝ったよ。
そうね。
お父さん、もう怒鳴らないでね。
はい、もう怒鳴りませんよ。

お父さん、ぼくを信じてくださいね。
はい、信じますよ。

お父さん、「もうけっしてドナラない」、といいましたよ。
大丈夫、お父さん、注意しただけよ。

お母さん、あいつが、ってなに?
あの人たちが、よ、

お母さん、夕方以降、ってなに?
夕方から、ずっとよ。

栄えるって、なに?
元気になる、かな。
サカエル、サカエル。

おかあさん、「すだちの歌」印刷して。
はい、分かりました。

検討って、どういうこと?
次はどうしようかなあ、って考えることよ。

お母さん、しりとりしよ。おぎくぼ。
ぼ、ぼたん。


美女奏者がいるから許すけどゲルギエフ指揮ベルリンフィルのプロコフィエフ詰まらん 蝶人
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すべての言葉は通り過ぎてゆく 第64回

2019-01-05 13:49:24 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.302



年をとると、年があっという間に暮れる。2018年も最早余すところ僅かになってしまった。こんな具合に茫然としているうちに、いきなりどこかからお呼びがかかり、業平のように驚いているうちに、幽冥の境を越すのだろう。12/1

有名無名を問わず、ひとたび人が死んでしばらくすると、その名も、人となりも、業績も、エトセトラも、さながら犬猫や弊履を捨つるがごとく忘れ去られてしまうが、それはそれで良いことなのかもしれない。12/2

これは確かに、いわゆるひとつの、「天国の調べ」かもしれないなあ。ラベルのピアノ協奏曲の第2楽章のおわりのところで、イングリッシュホルンの歌をピアノが伴奏するところ。12/3

最近この国は米国の属国どころか、その尖兵となって箆棒に高価な武器を買い込んで米経済を支えたり、インドと共同戦線を張って無闇に中国と対抗したりしている。馬鹿な指導者を放逐できない愚かな民草が、国を滅ぼすのだ。12/5

武満徹&谷川俊太郎の傑作「系図-Family Tree」を山田和樹&日フィルで2度聴いたが、この指揮者は、大事なことが全然分かっていないずら。小澤のも良かったが、私のベストは、今はどこか遠い所へ行ってしまったデュトワ&N響、遠野凪子の語りによる演奏です。12/6

水道を私企業の運営に任せる。人手不足だからというて外国人を急いで呼びこむ。いずれも全国民の熟考を要する大問題だと思うのだが、諸悪の根源たる安倍蚤糞は、いかなる反対意見にもはなから耳を貸さずに強行突破を図っている。これを独裁者といわずに何と呼ぶ。12/7

なんとかして安倍蚤糞および「自公時々維新国民」による暴政を阻止する方法はないものか?12/8

よんでもよんでも押し寄せてくる本、みてもみても溜まり続ける録画映像、きいてもきいても押し寄せてくるCD。けっきょくはこれらに取り囲まれたまま、死んでいくことになりそうだ。12/9

我が家の玄関の前で若いコジュケイが死んでいた。凶悪獰猛な台湾リスかアライグマ、カラスか野良猫にやられたのではないだろうかと思って調べてみたが、外傷はなかったので死因は不明だが、その鮮やかな色彩は、フェルメールも及ばない天然自然の美しさだった。12/10

Mrゴーンの犯罪容疑は「有価証券報告書」の虚偽記載で、その金額こそ莫大だが、財務省の官僚たちが安倍蚤糞に忖度して公文書を捏造した大犯罪や片山大臣の公職選挙法違反、経産省の偽辞令、与党の国会自壊行為に比べれば微罪に過ぎない。安倍蚤糞に忖度する検察が、ない知恵を絞った「高給取りのセレブ叩きによる民草の鬱憤晴らし」が事の本質ずら。12/11

父ブッシュ大統領が94歳で死んだ。彼は91年1月にイラクのフセイン大統領を退治するべく湾岸戦争をおっ始め、私はその演説をハーフムン・モンテゴベイのロビーで聞いたのだが、彼が短い演説を終え、「神よ我らを守りたまえ!」と祈りの言葉で結ぶと、世界中の観光客の間に異様な緊張が走ったことを、今もありありと覚えている。12/12

(承前)翌日私が人気のない海で泳いでいると、ドイツから来たという青年が近付いてきて、「これから世界はどうなるんだろう?」と訊ねたのだが、「神のみぞ知る」と答えることしかできなかった。けれどもその時世界は、まだ確かなものとして存在していたし、私たちには、辛うじてそれを対象化することもできたのだ。12/13

小説のプロットの完璧性は実際には望みえないし、事実上望みうべきもない。その理由はただ一つ、プロットを構築する人間の知性が有限だからである。神のプロットは完璧である。宇宙は神のプロットである。E.A.ポオ「ユリイカ」八木敏雄訳12/14

均整に対する感覚はほとんど盲目的に信を置いてよい本能である。それこそがもっとも壮麗なる詩にほかならぬ宇宙の詩的真髄である。均整と一貫性は同意語である。ゆえに詩と真実とは一つである。E.A.ポオ「ユリイカ」八木敏雄訳12/15

フランス革命のDNAがいまだ生きているフランスでは、富者優遇大統領に実力を行使して政治的勝利を勝ち取る力があるが、この国の民草は、沖縄県民の声を無視して新基地建設に爆走する安倍蚤糞に対して従順な羊のように首を垂れている。12/16

あまたの候補者を退け、たった2回だけの演奏会体験を経て、ラトルの後任に天才的指揮者キリル・ペトレンコを選んだベルリン・フィルの勇気ある決断には、驚くとともに深甚なる敬意を表したい。12/16

米国の議会やトランプはんにお願いして、安倍蚤糞による沖縄の普天間移転、辺野古新基地建設の策動を止めてもらおうという署名運動があるようだが、そういう他力本願の発想はあんまり頂けないね。手前のケツをてめえが拭かなくて、一体誰が拭いてくれるのか。12/18

どんなに幸福そうにみえる家庭にも、大なり小なり癒しがたい不幸がある。問題は、その不幸にいかにして耐えるかだ。12/19

かつて毛沢東は「青年は午前10時の太陽である」というて紅衛兵を扇動したが、うって変って、我が国の青年は、さながら午後5時の夕陽のようだ。12/20

是非とも見たい映画ですか?そうすねえ、はあちゅうがニキータよりうんと官能的な殺し屋になって、安倍蚤糞を手始めにトランプ、プーチン、習、ムハンマドを次々に暗殺したが、遂に北朝鮮で捕まってリンチされるというのを、旦那のしみけんの協演&監督でみたいかなあ。12/21

羽生敗れ27年ぶりの無冠。「もしかすると」という嫌な予感が当たってしまった。おらっちと同じさ。大丈夫。いま、ここから、出直せばいいのだ。12/22

赤ちゃんだろうが、妊婦だろうが、生ける屍だろうが、老若男女のすべての患者を、「加算金なし」でまじめに診察するのが、医者のつとめずら。12/23

トランプからどんな無理難題を言われても、のようにハイハイと跪いて命令に従うかわりに、自国民がどんな当たり前の要求をしても、いっさい無視して、居丈高に弾圧する。安倍蚤糞は阿呆莫迦SM野郎ずら。12/24

なぜ皇族は民草の上に立ち、時おりは「寄り添ったり」はするものの、基本的には民草を下に見る資格と権利があるとア・プリオリに思いこんでいるのか、生まれた時からこのかた、私にはさっぱり理解できない。12/25

一握りの商業捕鯨生活者のいうことは、世界の顰蹙を買っても聞くくせに、沖縄県民の民意は、徹底的に無視する安倍蚤糞。それでも彼奴等を支援する連中の了見が分からない。12/26

鯨肉には小学校時代の給食でお世話になったが、もう食用にしなくてもいいのではないだろうか。捕鯨は地場産業で古式豊かな漁撈文化だというけれど、ペリー来航時代のアメリカなんか、もっと本格的だったもんね。鯨をやめても他に獲る魚なんかいっぱいあるでしょうに。12/27

貧乏人から1円1銭まで阿漕に取り立てる癖に、国の借金などいっさい顧みず、かえって外国に野放図にまきばら撒き、トランプの言うがままに高価な兵器を言い値で買って軍事費を青天井に膨張させ、震災復興などはもう終わったことにして、我が家の春を謳歌する安倍蚤糞。12/28

それにしても、アメリカも、日本も、ロシアも、中国も、北朝鮮も、揃いも揃って想定しうる限り最低最悪の政治家に国家の支配権を握らせてしまったものだ。どこかの町内会や学級委員会の籤引きで選んだとしても、こんな酷い奴らは誰一人選ばれないだろう。12/29

近所の「橋上女」が、また橋の上に佇んでいる。年齢職業不明のおばさんなんだが、ときとすると1時間以上も立っていることがある。いったい何を考えているんだろう? もしかすると鮎川信夫の親類縁者なのかしら。12/30

「今年はどういう1年でしたか?」と聞かれたら、「やれやれ、の年でした」と答えよう。
さて来年はどういう年になるのだろう? やれやれ。12/31


 セクハラで共に楽壇を追われたがレヴァインはデュトワより遥に優れた指揮者 蝶人


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なにゆえに第59回~西暦2018年師走蝶人花鳥風月狂歌三昧 

2019-01-04 12:54:50 | Weblog


ある晴れた日に 第540回
 

なにゆえに皇族が政治に嘴を入れるよしんばそれが正論なるとも

なにゆえに安倍プーチンが勝手に北方領土を切り分ける誰一人同意などしていないぞ

なにゆえに「ディール、デイール」とトタンプはほざく政治は商取引ではない

なにゆえに毎朝食後に2回も排便 最初はグーニ度目は下痢で

なにゆえに朝まで頭に血がのぼる映画「ミッドウェイ」を昨夜みて

なにゆえに我が家でコジュケイが死んでいるもう一度鳴け「チョットコイ」と

なにゆえに頼みもせんに外人を呼ぶ邦人だけで滅べばいいじゃん

なにゆえに歩かねば全身がいらだつ 寝た切りの人の苦痛を思えり

なにゆえにプールで泳ぐと気持ちがいい人は水から生まれてきたので

なにゆえに皇室のゴシップに夢中になる縁無き衆生の由無き話に

なにゆえに「かとうかずこが60歳でもキレイ!」てんでそうとは思えないけど

なにゆえに若者たちは安倍蚤糞を支持するその親たちの教育が悪い

なにゆえに「ほぼほぼ」などと抜かすのかどうせいうなら「ぼぼぼぼ」とドモレ

なにゆえに今頃ティーレマンがニューイヤコンサートを振るのか鈍才ドダメルの後塵を拝して

なにゆえに息子は昨日から熱が出る大船から鎌倉まで歩いて帰った

なにゆえにⅤサインなどして写真に撮られるお前は還暦過ぎの男ではないか

なにゆえにガス爆発で大騒ぎする大事な事件が他にあるだろ

なにゆえに軍事費最大27兆!それらを全部民草に返せ

なにゆえに納屋から臼をひっぱり出すのお正月にお餅を搗くため

なにゆえに賞味期限はとく過ぎる談志は過ぎたやつばかりで飲み食い

なにゆえに検察は安倍蚤糞に肉薄しない身代りゴーンでお茶を濁して

なにゆえに安西水丸が懐かしい あの漂漂とした人柄が

なにゆえに左手のハサミは宙を切る右手ならなんでも切れるのに

なにゆえに「辺野古中止」のローラを叩く西川、デーブ、ホリエモンの阿呆莫迦トリオ

なにゆえにIWCを脱退するの松岡やトランプの真似がしたくて

なにゆえに歳末という意識が淡いひたすら日々が過ぎてゆくのみ

なにゆえに死刑執行に手を下す君は人を殺したんだよ

なにゆえに27億を「大嘗祭」に蕩尽するそれっておらっちの税金じゃんか

なにゆえにお笑い芸人が司会する政治報道はバラエティにあらず

なにゆえに風邪ひきそうと妻がいう正月2日の餅搗きがあるのに


  24時間全自動忖度機が稼働している1億総白痴社会ニッポン 蝶人
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西暦2018年師走蝶人花鳥風月狂歌三昧

2019-01-03 17:04:15 | Weblog


ある晴れた日に 第539回



犬猫はしばらくすると人になりやがては立派な家族として死ぬ

ユリイカとヤリイカは相異なるが距離の2乗に反比例して惹きつけられる

7億円の大当たりが出た鎌倉の籤売場にて連番買いけり

本当に世の中が変わるのではないかと思ったよ1960年

「ササキ君、カラヤンてメクラなの」と尋ねしは芸大デザイン科出身のカモシタさん

蒲焼の臭いがすれば蒲焼に喰らいつくのが検察だろうが

気違いのトランプ選手が気違いと名指しする人は気違いではない

「いつの日か国境のない医師団の看護師さんになりたい」と妻

念力を送ることしかできません寝たきりになったあなたのために

「我良し」の世の中なればおのずから不意の戦もまたぞろ起こるであろう

ネトウヨの祖先を辿ればアラマあらまっチョン彼奴らが嫌う中国朝鮮

平成も昭和も明治もなににせむ西暦のみで足りる世の中

元号も皇族なども打ち捨てて民草だけで進みゆく世かな

最近は光君はどうしているのか? なお生きるべし大江健三郎

蒼海に土砂投げ入れる狂者あり八大龍王止めさせ給え

海外ではお辞儀せぬようにしていても帰国すればペコペコお辞儀す

鎌倉から新宿駅まで918(キュウイチパー)で私を運ぶ湘南新宿ライン

チコちゃんよ安倍蚤糞を叱ってやれ「ボーと生きてんじゃねーよ!」

お向いのテラオさんちに鳥が来てよく鳴いていたその木切られる

ヒトラーの母国オーストラリアでも極右が伸びて危機が高まる

耕君は「4人暮らしです」という次男はよそで暮らしているのに

紫色の細く尖った鉛筆を松明として走りゆく耕

ピカピカの五段切り替え高級自転車を2度盗まれし息子の心

あんれまあ世界中で出てきたよ「オラが国サ」の大統領が

もう一回アメリカに負けたとこからやり直せば今よりましな国になるかも知れん

道端に全巻揃いで捨てられて荷風散人悔しかないか

のど自慢の鐘は誰でも二つ以上 NHK流の優しさなるか

「良い年を」とはなかなか良い言葉なり「皆さん良い年をお迎えください」



 「雑草」と言わずその名で呼ばれたのでナズナすっくと立ち上がりたり 蝶人
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