絶滅危惧にある東海地方特有の丼物「天南丼」。自分が提供を確認している店は市内で十数軒程度と僅かだが、そんな店も品書きから落ちているのを見つけたりしているので緊急に保護を要している(笑)。ま、この調子だと近い将来の絶滅は不可避だろうなァ…。こちら高辻の南にある麺類食堂「玉扇」には、ある食堂に臨時休業で振られた後に歩いて店に向かった。以前に来たのはゴールデンウィークぐらいだったかな。店は新堀川沿いにあり、店内はテーブル席が4つと壁にくっついた極小テーブル2つとこじんまり。でも老夫婦と息子夫婦(多分)、給仕女性の5人でやっているところをみると時分どきは混み合うんだろう。もちろん「天南丼(玉子入り)」をお願いした。
まだ先客が少なかったので程なくして「天南丼」が登場。刻んだ黄色いたくあんと味噌汁付き。丼の真ん中の中サイズの海老天はつゆでネギと煮込んであり、玉子でとじてある。天ぷらは多分揚げたてとかではないだろうが(未確認)、昔の店では揚げ置きも普通だったし、そもそも故にそれを煮込んで出すという料理のひとつ(その下位互換)でもあったろう。つゆは少し甘めの味わい。ネギは多くない。つゆと溶けた衣が一体になり、玉子がまとめている。自分の天南丼のイメージは玉子の無いものだが、何軒かで玉子入りを経験しているのでどちらがスタンダードだったのかは分からない。少し七味を振ったり、濃い赤出汁を挟んだりして平らげた。勘定してもらう頃には次々とサラリーマン客が入って来た。(勘定は¥770)
めん処 玉扇
愛知県名古屋市熱田区池内町4-3
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