ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

丸小 @名古屋市中区・新栄

2024年12月12日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋で精肉店と言えば必ず名前の挙がる新栄の「丸小」。創業は明治28年(1895)だそう。昭和25年には料亭を開き、現在は「本格肉料理 丸小」として精肉店の横に店がある。資本関係があるかどうか知らないが、浄心円頓寺、星が丘にも同じ系統と思われる同名の精肉店がある。この日は昼から何の用事も無かったので昼食をゆっくりこちらでいただこうと店に向かった。ビルの1階に大きな白い暖簾が掛かっている。中に入って1人だと告げると着物姿の仲居の女性に奥のピカピカの鉄板があるステーキコーナーのカウンター席に案内された。外はまだ暑いが、店内は涼しいし入口にも「寿喜焼」と木製看板が出ていたので「お昼のすき鍋・竹」をお願いする。もちろん「瓶ビール」(キリンラガー中瓶)も付けてもらった。

先に届いたビールをグイッとやっているとカセットコンロと鉄鍋、生卵が用意され「すき鍋」の具材が登場。サシの入った大きな薄切り肉が4枚としらたき、麩、焼きネギ、人参、椎茸。これにご飯と味噌汁が付く。最初の2枚の調理だけは仲居がやってくれる。まずは卵にくぐらせずそのまま。さすがにいい肉。旨い。サシの加減からいくとオッサンにはこの枚数で充分だな(←情けない)。広くて高級な普請の店内で1人鉄鍋をつつく(ただ厨房が近いのだろう、静かなので従業員の無駄話もちょっと聞こえてくる)。残ったビールでやっつけていくも、自分で鉄鍋に具材を並べて調理しているとうちでやるのと変わらない(笑)。やっぱり夜に来ないとなァ(ただし夜に仲居が全部やってくれるかは不明)。いつも思うのだが、すき焼きでは当たり前に焼いた肉を溶いた生卵にくぐらせるが、この食べ方が本当に正解なのだろうか?…などと要らぬことを考えながら平らげた。ご飯のお代わりも可能だそうだがもちろんもうお腹いっぱい。次はぜひ目の前の鉄板でステーキを。(勘定は¥4,200程)

 

 

 

本格肉料理 丸小

愛知県名古屋市中区東桜2-18-24 サンマルコビル1F

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ 丸小本店 肉の丸小 まるこ まるこほんてん 小出商店 精肉店 すきやき すき焼き スキヤキ すきなべ ランチ )

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徳重屋 @名古屋市中区・東陽通 (3)

2024年12月01日 | 名古屋(中区 老舗)

午後の遅い時間にある麺類食堂へ行くも、確か以前は通し営業だったと思ったが中休みになっていた。時間が時間だけに潰しが利かない。この時間でも空いている店は…、と思案して南下した東陽通にある「徳重屋」へ。いつものCSの時代劇専門チャンネルが流れる店内は、半端な時間とあって主人が客席で何か作業中。テーブル席に腰掛ける前に冷蔵庫の上の小さい文字の日本酒一覧を眺める。お願いしたのは「--」(滋賀※銘柄失念)と「板わさ」。

酒(冷蔵)はガラスコップに注がれ、「板わさ」は飾り切り無しの切りっ放しが10切れ程。お代わりは「神開」(滋賀)。主人は甘酸っぱいと表現していたが、まさにそんな感じ。でも誤解を恐れず言えば甘くないりんごジュースといったかんじでピンとこない。麺類食堂なのに日本酒に対する思いの熱い主人。最初無愛想だったがだんだん饒舌になり(笑)、試飲と称して「会津娘」(福島)を舐めさせてくれた。

酒を呑んで忘れそうになっていたが、今回の目的は東海地方に僅かに残る絶滅危惧丼「天南丼」を食べるために寄ったのだった。お願いしてしばらくして運ばれた「天南丼」はしっかりとした大きさの海老天とつゆで煮込まれた沢山のネギ。その中には薄切りの豚肉も入っているのが珍しい。海老天は厚着することもなくいい感じ。つゆの味加減は濃いめ。もちろん旨い。肉の味は要るかな、なんて思ってしまうが、舌の方は正直。味噌汁と漬物を挟みながら、箸を止めることなく綺麗に平らげた。(勘定は¥3,100)

以前の記事はこちら (1)(2

 

和食 手打ちうどん 徳重屋

愛知県名古屋市中区栄5-24-4

 

( 名古屋 なごや 東陽通 とうようどおり 矢場町 とくしげや 食堂 麺類食堂 大衆食堂 居酒屋 酒場 日本酒  天南丼 てんなんどん )

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エーデルワイス @名古屋市中区・栄 (2)

2024年11月28日 | 名古屋(中区 老舗)

炎天下の栄近辺をウロウロしていた時、喉の渇きを癒やしにテレビ塔(現・中部電力MIRAI TOWER)横の喫茶「エーデルワイス」へ。創業は昭和29年(1954)で、元々は「喫茶テレビ」という名前でテレビ塔と同じ日に開業したのだとか。ベロアのソファが並び奥に長い店内は中二階もある。天井絵のある格天井があって本当はそちらを見たいのだが残念ながら喫煙席。サラリーマンが何人も紫煙を吹かせている。以前に汗をかいたまま煙に燻されたら匂いが服に滲み付いてしまって一日難儀したので断念。主人らの居るカウンターの前の席に腰掛けた。店内には世界の民具や彫像が置かれていたり、タオルの蒸し器も古いガス式のものだったりと独特の雰囲気を保っている。お願いしたのは「コーヒーフロート」。

年配の主人夫婦は2人でずっと喋りながら店を賄っている。仲がいいなァ。お二人の様子を眺めながら「コーヒーフロート」のアイスを先にいただいた。コーヒーの方に甘味は加えてないので少しだけシロップを落とす。だんだん汗が引いて、ふぅとひと息。2階は集会用になっているそうだが、この日も実際に何人もが使っている様子。みな思い思いの使い方で店を訪れているようだ。店内の雰囲気は何かに統一されている訳ではないが、無国籍な感じがなんか落ち着くんだよね。ご夫婦は3時になるとしっかりおやつの時間も取っていらっしゃった(笑)。この日は控えたが、こちらビールもあるので、次はビールとサンドイッチか、ピラフあたりを食べてみようかな。(勘定は¥580)

以前の記事はこちら (1

 


 

↓ ○○は高い所に…という訳で建て替えなった「中日ビルの屋上広場に登り、久屋大通公園方面を眺める(写真下左)。青空にそびえる「中部電力 MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)」(写真下右)。写真で見ると爽やかだが、この日は37℃超えの酷暑日…。

 

 


 

 

珈琲 エーデルワイス

愛知県名古屋市東区東桜1-10-1

 

( 名古屋 なごや 栄 さかえ テレビ塔 名古屋テレビ塔 喫茶 喫茶店 純喫茶 珈琲エーデルワイス コーヒーエーデルワイス 喫茶エーデルワイス )

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多門亭 @名古屋市中区・新栄

2024年11月15日 | 名古屋(中区 老舗)

新栄(しんさかえ)にある蔦が絡まる鰻屋「多門亭」へ。HPに創業して120年で現在3代目という記述があるが、後で調べてみると10年程前の何かの記事にもうすぐ”90年”とあったので実際の創業年は不明。どちらにしろ長い歴史がある。何年も前に伺ったことがあるが、その時は満席で断られてしまった。この日は口開けの時間に店に到着。相変わらず店は緑に覆われ入口は見えない程。らしき場所の奥に入ると玄関口に赤い暖簾が掛かっていた。中は入口で靴を脱いで上がるいかにも昔の料亭風情な建物。以前は別の入口(写真下3枚目)から入ることが出来た土間のある客席に案内された。席は小上がり席が4つのみ。年配のご夫婦でやっていらっしゃる。以前は天ぷらなどの品も扱っていたが、今は鰻だけのよう。丁寧な物腰の女将さんに「特製うな重」と「ビール小瓶」をお願いした。

まずはビールの小瓶(アサヒ・ドライ)が出されたのでグイッと。ここまで歩いて来るだけで汗をかいていたので堪らない(訪問9月末)。そしてしばらくして「特製うな重」が登場。盆の上の蓋付きの重箱で、肝吸いと漬物4種が付いている。少なめの品を選んだので鰻は3切れ程。濃いめのたれを纏った鰻はもちろん地焼き。旨い。お重なのでご飯が浅いこともあってたれは少々多めに感じるが、印象は選ぶサイズによって変わってくるかも。普段鰻を食べる時にお重は選ばないのでちょっと新鮮(重の良さはまだよく分からないが)。目の細かい山椒粉も使って綺麗に平らげた。(勘定は¥2,750)

 

 

うなぎ・ひつまぶし 多門亭

愛知県名古屋市東区東桜2-15-22

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ たもんてい たもん亭 鰻 鰻丼 うな重 鰻重 うなじゅう  )

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大黒屋本店 @名古屋市中区・栄 (3)

2024年10月24日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋で最も繁華な場所と言っていい錦3丁目、通称錦三(きんさん)。故に町特有のすえた匂いがあり、あまり日中この辺りは通らないことが多いが(夜は別ね)、歴史ある地域だけにその中には古くからある落ち着いた店も点在している。こちら「大黒屋本店」は落雁(らくがん)で有名な和菓子屋。創業は安政元年(1854)というから凄い。喫茶を併設していて、茶や和菓子、かき氷などをいただくことが出来る。9月半ばの蒸し暑い日に立ち寄った。微かにクラシック音楽が流れるやや暗めの店内は、まだ早い時間と合って先客は無く、静か。ご高齢の主人夫婦は健在。女将さんに「特製くず切りセット」を抹茶でお願いした。

しばらくして蓋付きの椀に入ったくず切りが運ばれた。蓋を取ると半透明なくず切りが盛られている。氷と青紅葉が添えてあって見た目も涼やか。枡に入った黒蜜に漬けていただく。吉野本葛を使っていてぷるんとした口当たり。コシとまでは言わないがしっかりと張りもあっていい感じ。後から抹茶が出された。生落雁付き。小振りな茶碗で淹れられていて、苦味もちょうどいい。きな粉味の生落雁を口に入れて味わいつついただいた。外は暑いので腰を上げるのが嫌になってしまうが、そうも言ってられない。勘定してもらう時には「らくがん袋入り」と生落雁の「加加阿(3個入り)」を味見で購入。家に帰って妻と食べてみるとチョコレートのような味。知らなかったが”かかお”と読むのだそうで、カカオ豆をローストして砕いたカカオニブを使っているのだとか。歴史ある店なのに進取の気性もあるんだなァ。(勘定は¥1,780)

以前の記事はこちら (1)(2

 

大黒屋本店

愛知県名古屋市中区錦3-19-7

 

( 名古屋 なごや 錦 にしき 栄 さかえ 大黒屋 だいこくや だいこくやほんてん 和菓子 上生菓子 落雁 らくがん なまらくがん 干菓子 葛切り 葛きり 甘味 )

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大甚本店 @名古屋市中区・伏見 (9)

2024年07月18日 | 名古屋(中区 老舗)

ある日の夕方、まだ明るいうちに伏見駅を出て歩いていると珍しく「大甚本店」に開店前の並びが見当たらない。珍しい日もあるなと用事を済ませ、また戻っても待ちが出ていなかったのでつい「1杯だけ」と暖簾をくぐってしまった(笑)。それでも店内はきっちり満席。1階は1人でも座れず、若主人に「2階なら…。」と案内された。最近は早い時間には来ていなかったが相変わらずの盛況ぶりだ。自分は2階に上がるのは初めて。その2階もほとんど満席だった。窓に向かったカウンター席も埋まっていて(あそこいいなァ…)、かろうじてテーブル席が1つ空いていた。こちらは給仕の男性が2人で回している。

いつものように賀茂鶴の樽酒を”どん燗”でお願いする。何も訊かれなかったけれど大徳利で出てきた。下まで行って取って来た酒肴は「もろこ」と「白和え」。猪口に注いだ酒をグイッと。ウマイ。この時季は窓も開け放されて爽やかだから気持ちがいい(訪問5月半ば)。「もろこ」は飴色に煮込まれた小魚の甘露煮。たしかこちらの老主人の手造りのはず。この東海地方では当たり前にある魚だけれど他所の人にはあまり馴染みが無いかな。1尾は小さいが量はしっかり。「白和え」は人参、蒟蒻、ほうれん草といったところ。甘い味付け。この2品だけでいつまでも呑めちゃう(笑)。でも2合ってあっという間(笑)。結局30分も座っていなかった。もう1階は完全に若主人が回していて、お元気だが老主人は一歩下がっている感じ。あの野太い声もほとんど聞こえなくなった。上手く代を引き継いだものだ。(勘定は¥1,600)

以前の記事はこちら (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8

 

大甚本店

愛知県名古屋市中区栄1-5-6

 

( 伏見 ふしみ 大甚 だいじん だいじんほんてん 老舗 居酒屋 酒場 賀茂鶴 賀茂鶴樽酒 樽酒 もろこ つくだ煮 かんろ煮 )

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御園丸正 @名古屋市中区・伏見 (2)

2024年07月02日 | 名古屋(中区 老舗)

ある平日の昼間。用があって伏見で弁当を買うことに。向かったのは御園座の隣にある「御園丸正」。この日も開店してすぐの時間というのに既に何人もの客が入店済み。人気あるなァ。鮮魚店が出している弁当屋なので基本おかずは魚介。弁当の他に汁や惣菜、刺身なんかも売っている。この日選んだのは「丸正のり弁」。紅鮭と銀ダラがあったが銀ダラの方にした。ビニール袋に入れてもらい、目的地へ。

着いた先で機を見て弁当を広げる。どーんと銀ダラがのり、その周りを竹輪の天ぷら、白身フライ、玉子焼、きんぴらごぼう、黒豆などが囲む。銀ダラはメインというだけで、こちらにも紅鮭が入っている豪華版。敷いてある海苔とご飯の間には、鰹節、明太子、昆布佃煮がそれぞれ挟んである。のり弁を食べる時にいつも思うのだが、一枚海苔が敷いてあっておかずとの仕切りというのはもちろん分かるのだが、ご飯はひと口づつ食べにくいし、ずるっと取れてしまったりするし、どうしてこのスタイルが定着したんだろうと不思議に思う。魚は2つとも身が厚く、味付けも濃過ぎずちょうどいい塩梅。これはアレ無しではいられないと、仕事でないことをいいことにこっそりスキットルに入れてきた米のジュースをちびちびとやりながらおかずをつつき、3種の味わいのご飯をいただいて楽しい昼食になった。(勘定は¥980)

以前の記事はこちら (1

 

御園丸正

愛知県名古屋市中区栄1-7-20

 

( 名古屋 なごや 伏見 伏見 みそのまるしょう 丸正 鮮魚店 魚屋 御園座 弁当 べんとう 持ち帰り弁当 惣菜 テイクアウト )

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大須亭 @名古屋市中区・大須 (2)

2024年03月31日 | 名古屋(中区 老舗)

大須で呑んでいこうと店を思案。早い時間に開いている店をと「末廣屋」に行くも外で待っている人が居る? 居酒屋に並んでまで入る趣味はないので、移動して久しぶりに新天地通の「大須亭」へ。創業は昭和21年(1946)とのこと。口開けの時間に店に着いた。暖簾をくぐるとさすがにまだ先客は居ない。主人夫婦と若い衆でやっていらっしゃる。カウンター席に腰掛け、早速瓶ビールを注文。銘柄を選べるとのことでサッポロを所望。サッポロも黒ラベルとラガーが選べるというのでラガーをお願いした。グラスもちゃんと赤星のグラス。お通しはがんもや大根の煮物。焼物は「若鶏砂きも」「若鶏つくね」をお願いした。

グラスに注いだ冷たいビールをグイッとやり、お通しに箸をつける。焼き上がった「砂きも」は指定していないが塩2本。「つくね」は丸い粒が3つ。こちらも2本。醤油味で生姜が効いている。旨い。ビールの次は日本酒で。銘柄は「ねのひ」。”どん燗”(ぬる燗)にしてもらった。猪口はなぜか「大関」(笑)。黒板にその日のお勧めの品が書き連ねてある。「ボイルホタルイカ」を追加。生姜醤油でいただく。旨いがまだ小さい。旬はこれからなのでもっと大きくなるかな(訪問2月)。最後に「若鶏かわ」をタレで追加。少し甘いタレでクニュッとした歯応えがいい。この頃になるともう常連客が入って来て賑やかになった。次は「若鶏刺盛り」も頼んでみないと。(勘定は¥3,300程)

以前の記事はこちら (1

 

名古屋味処 大須亭

愛知県名古屋市中区大須3-44-22

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす おおすてい 備長炭焼 焼鳥 焼き鳥 やきとり ヤキトリ 居酒屋 酒場 赤星 黒ラベル サッポロラガー )

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いば昇 @名古屋市中区・栄

2024年03月26日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋市の有名な鰻屋「いば昇」。でも一般的には錦三丁目の「いば昇」を指すことが大半で、メディアに出るのも大抵そっち(混同している人も多い)。今回訪れたのはプリンセス大通沿いにある「いば昇」(”いば”は変体仮名)。暖簾をくぐって戸を引くと店内はやや暗めの照明で、昭和そのままといった風情。テーブル席が6つ程あり、小上がり席もいくつもある。高齢の給仕女性(女将?)に案内されテーブル席に腰掛けた。栄のど真ん中に居ることを忘れるような、何の音もしない静かで落ち着いた店内で卓上の品書きを眺める。まずは「特選酒」と「うまき」をお願いした。燗をつけるか訊かれたが、気分でひや(常温)にする。

徳利に入った「特選酒」と猪口が用意された。徳利はやや小さめなので正一合は無さそう。にしても「特選酒」(特級酒⇔一級酒、二級酒)って、昔はよくそういう分け方をしていたなァと懐かしい気分に。ほんのり温かい「うまき」はちゃんと鰻の身の入ったのが2切れ(当たり前か)。大根おろしが付いていて、玉子焼きの味付けは甘め。「もう1本」と言うのを躊躇するくらい酒の値付けは高めなのに、この「うまき」の値付けは随分安い。あっという間に酒が無くなったので、ここで「鰻丼」を追加した。

しばらくして小振りで銘の入った蓋付きの丼で運ばれた「鰻丼」は、糸底の部分まで熱々。蓋を開けると鰻は4切れ。もちろん焼きはカリッとした地焼き。備長炭で焼いているのだそう。かなり濃いめのたれをくぐっていて、ご飯にも白いところがほとんど無いくらいたれの量は多め。これで甘かったらアレだが、きりっとしていていい感じ。旨い(でも個人的にはご飯の白いところはもう少し残っていた方が好み)。海老と三つ葉と柚子皮の浮いた吸物と、白菜、きゅうり、大根の漬物を挟みながら綺麗に平らげ、勘定してもらった。

錦三(きんさん)の「いば昇」はHPで創業が明治42年(1909)と謳っている。もちろん何らかの関係はあると思うが、あちらのHPにはきっぱりと「姉妹店はございません」との記述もある。以前、錦三の方は戦後の暖簾分けという記述を見たことがあったはずだし(未確認)、ネット上にはこちらが「いば昇本店」との表記が見られるが、店内にそう書かれたものは何も見当たらず。果たしてどういう経緯があったのか気になるな。(勘定は¥3,500程)

 

 

 

専門うなぎ いば昇

愛知県名古屋市中区栄3-8-121

 

( 名古屋 なごや さかえ いばしょう 以ば昇 いば昇本店 鰻 うなぎ 鰻丼 櫃まぶし ひつまぶし )

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寶壽司 @名古屋市中区・大須 (2)

2024年02月07日 | 名古屋(中区 老舗)

大須商店街近辺を散策。昼呑み出来る店も沢山あったが、あまりピンとこず。この日選んだのは大須観音通り東口の「寶壽司(宝寿司)」。創業は明治35年(1902)。いかにも昔からの寿司屋然とした佇まい。暖簾をくぐるとなかなか賑わっていた。入口近くのテーブル席に腰掛け、品書きを眺める。漬け場では老主人も健在。その隣の若いのは息子さんかな。お願いしたのは「ちらし寿司・赤だし付」。「お酒」もぬる燗でつけてもらうことに。落ち着いた店内で出来上がりを待つ。外から聞こえてくるのは向かいのトルコアイス売場の例の”渡さないパフォーマンス”の喧騒のみ(笑)。

銘の入った蓋付きの重箱で「ちらし寿司」が届けられた。蓋を開けるとおぼろ(でんぶ)がまぶされた酢飯の上に、まぐろ、白身、海老、穴子、たこ、玉子が敷き詰められ、いくつかのタネの上にはツメが塗ってある。色からするとかつての名古屋名物「切寿司」にも使っているあのツメだろう。紅生姜とわさび添え。なぜか時間のかかった酒も袴を履いた徳利でやっと来た。次はこれ、次はこれとタネをつつきながら酒をいただく。例のツメは所謂”煮ツメ”とはちょっと違って、色も濃くて酸味もあるし、なんとなく味噌っぽい風味もあるもの。玉子や海老にのせてあるのだが、酒のつまみとしても面白い。自分は昨今流行りの海鮮丼とかには全く興味が無く、ふだん”ちらし”は”ばらちらし”がある時しか頼まないが、このクラシックなちらしはなかなかイイ感じだった。勘定してもらうと申し訳ない位の安さ。次はカウンター席に腰掛けさせてもらおうかな。(勘定は¥1,200)

以前の記事はこちら (1

 

 


 

↓ 白川公園の南、若宮通沿いにある「古民家cafe たとか」(建築詳細不明)。ビルとビルの間にひっそりと建つ。築70年というから戦後すぐ位の建築だろうか。2019年からカフェとして営業していたそうだが、現在は休業中みたい(未確認)。

 

 


 

 

 

大須 寶寿司

愛知県名古屋市中区大須2-17-7

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす 宝寿司 寶鮨 たからずし ちらしずし ちらし寿司 切り寿司 切寿司 きりずし 味噌にこみたから 古民家カフェ 近代建築 )

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