ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

井筒屋 @滋賀県米原市

2024年08月04日 | 滋賀県(老舗)

新幹線の停車駅でもある滋賀県米原市のJR米原駅。こちらの構内では創業安政元年(1855)という歴史ある会社「井筒屋」が弁当を販売している。元は旅籠屋として創業したのだそう。駅弁屋の創業は東海道線の開通と同じ明治22年(1889)。「米原停車場構内立売営業人」という許可で営業を始めたのだとか。その本社は駅のすぐ横にあり、以前にそちらまでわざわざ弁当を買いに行ったことがあるのだが、当時本社は日曜休みで購入出来ず、結局駅に戻って購入したことがある。

最近になって本社内にイートイン・スペースが出来たと知って再訪。社屋に「キッチン井筒屋」という文字看板が出ていた。いかにもな会社の玄関を入ると事務室があり、そこで弁当を注文して先に勘定を済ませる。購入したのは「元祖面構え鱒壽し」と「かけうどん」。案内された社内の奥に入って行くとイートイン・スペースの入口(写真下)があった。

 

先客はおらず、静かな場所で1人。窓の外には駅舎やプラットホームが見える。そちらで待っていると、工場が隣接しているのだろう、白衣を着た方が弁当とうどんを持ってきて下さった。水はセルフで。テーブル席に腰掛けて弁当を拡げる(写真下)。

 

鱒寿司は頭から尻尾まで丸っと1匹が開いてある。昭和12年から発売されていて、養殖で有名な醒ヶ井の鱒を使っているのだそう。寿司は8切れ。山椒の粒がのせてあり、醤油とねりわさびの小袋、生姜が添えてある。弁当に付いてくる箸も駅弁と同様のちょっと短いもの。酢締めの具合は強くなくすっきりとした味わい。醤油をちょこんと垂らしていただく。旨い。流石に頭の部分は少し口に残るがいい感じ。「かけうどん」はかまぼこと刻みネギがのっていて、すっきりとした昆布出汁のもの。ここが東海地方でないことを認識する(笑)。うどんのつゆがあるものの、寿司には水でなくて熱いお茶があるとなお良かったな。返却口に鉢を返して工場内を玄関口まで戻った。(勘定は¥1,700)

 


 

↓ 岩脇(いおぎ)という地区に残る「岩脇機関車避難壕」。こちら太平洋戦争末期に米原駅に停車する蒸気機関車を空襲から守るために掘られ始めたという戦争遺構。直線距離で駅から1.6kmぐらいの岩脇山という山の岩肌に掘られた跡が2つ残っているが(1本は未貫通)、終戦により未完成のまま放置され、近年になって地元の有志の方々の手によって整備保存されたのだそう。まだ到底機関車が入るような大きさにはなっていないが、今の感覚ではこの頑強な岩山を手掘りで貫通させて機関車を隠そうなんて狂気の沙汰にしか…。

 

↓ 岩脇山の反対側からも見ることが出来る。この壕はずっと長い間ゴミ捨て場のようになっていたらしい。

 

 

↓ JR米原駅の東側に古い町並みが少し残る場所がある。そこにある「角田家住宅主屋」(文政~慶応年間・1830-1868・建造)。出格子や虫籠窓のある町家の建物。袖壁があるのでもちろん往時はこういう建物が連なっていたのだろう。国の登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 米原市のJR坂田駅近くの琵琶湖畔に温泉(正確には冷鉱泉)が湧き出ている所がいくつかあると知って訪れてみた(世継温泉)。こちらはそのうちのひとつ、田んぼの中にある「南世継外れ温泉」。冷泉なので触ってみると冷たい。こちらは何かに利用されている風でも無かったが(農業用?)、こんな場所にぽつんと湧き出ているなんて面白い。

 

 


 

 

キッチン 井筒屋 (お弁当の井筒屋

滋賀県米原市下多良2-1

 

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しろ平老舗 @滋賀県愛知郡愛荘町

2023年05月14日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の湖東地域の古い建物や有形文化財巡りドライヴ。この日は運悪く(というか調査不足)で何軒もの飲食店や商店に振られ、結局土産に買って帰ったのは旧中山道の愛知川宿にある「しろ平老舗」の1軒のみ。こちら創業が慶応元年(1865)で現在5代目だという150余年もの凄い歴史のある和菓子屋だ。所々に古い建物が残る街道沿いにある店に着き、駐車場に車を停めてガラス木戸を引く。店内にはガラス・ケースの中に色々な菓子が並んでいた。購入したのは「しろ平最中」「湖東三山」「米どころ」「びん細工てまり」の4品。

家に帰って妻と分けっこ。「しろ平最中」は、家紋だろうか3つの葉がデザインされた最中種の中につぶ餡、そして緑色の柚子餡が。爽やかな風味もあって旨い。「湖東三山」は容器に3つのきな粉餅。こちらは上品な甘さ。黒糖のコクを感じられる。「米どころ」は俵型をした最中。最中種には”近江米”の文字が。オーソドックスなつぶ餡かと思いきや、中には餅(求肥)が。あんこも旨いなァ。最後の「びん細工てまり」は郷土の伝承具を模した抹茶味のくず羊羹で、中には小さな栗の粒が入っている。滑らかな口当たりでこれもいい感じ。ゆっくり食べようと思っていたのに結局立て続けに全て味わってしまった。(勘定は¥1,200程)

  

 


 

↓ たまたま車を停めた所にあった東近江市西中野町の住宅(建築詳細不明)。本当に一般の住宅なのだろうか、立派な煉瓦塀が広い邸宅を取り囲んでいる。

 

↓ 東近江市西中野町の御代参街道沿いに建つ住宅(建築詳細不明)。「宮路医院」に隣接している。残念ながら目当ての古い醫院の建物は取り壊されてしまったようだ。こちらが医院宅の主屋と思われる。塀で見づらいが玄関横に洋館がくっついている。

 

↓ こちらも御代参街道沿いの施設「レンガのえんとつとまれ(旧・マルハチ醤油醸造所)」(大正~昭和初期・建造、改造)。この日は閉まっていたが、NPO法人が運営していてレストランもあるそうだ。

↓ 近江鉄道八日市線の「新八日市駅(旧・湖南鉄道・八日市口駅)」(大正11年・1922・建造)。パステルカラー、下見板張りの洋風建築。現在は塞がれているが、実は1階に特等客用待合室があるのだとか。

 

 

 

 

↓ 愛荘町の旧中山道沿いにある料理屋「近江商人亭(旧・田中家住宅)」(主屋:大正8年・1919・建造)。国の登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 「愛知川ふれあい本陣(旧・近江銀行愛知川支店)」(大正15年・1926・建造、改造)。現在は綺麗にリノヴェーションされて愛知川宿の交流館として利用されていて、裏手にはレストラン等もある。

 

 

 

↓ 旧中山道の愛知川宿(えちがわじゅく)近辺を散策。そこで見つけた一風変わった一般住宅(建築詳細不明)。きっとかつては何かの商売をされていたんじゃないかな。屋根や玄関周りの意匠が特徴的。

 

↓ 愛知川宿の日本料理店「竹平楼」(建築詳細不明)。創業は宝暦8年(1758)だそうで、元は旅籠だったのだそう。

 

↓ 犬上郡豊郷町の畑の真ん中にある「龍ヶ池揚水機場」(明治43年・1910・建造)。ボイラー用の煉瓦の煙突には片仮名で「タツガイケ」とある。現在は電化されているそうだが、ちゃんと現役で稼働中とのこと。

 

↓ 「龍ヶ池揚水機場」からあまり離れていない「砂山池揚水機場」(明治44年・1911・建造)。こちらは稼働しているのかどうかは分からなかった。

↓ 彦根市犬方町を通った際に気になった建物(建築詳細不明)。事務所か何かに使われていたろうか、1階部分の木枠の窓面が大きい。

↓ 彦根市犬方町にある「若林家住宅洋室棟」(昭和3年・1928・建造)。大きな屋敷の塀の中に日本家屋と並んでポップな色の瓦を使った洋館が建っている。敷地内の建物は全て国の登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 彦根市高宮町の旧中山道・高宮宿にある「不破家住宅主屋」(安政3年・1857・建造)。江戸時代の建物だが現在も普通に住宅として使われているようだ。国の登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 同じく高宮宿の旧中山道沿いにある「座・楽庵(旧・布惣<加藤家住宅>)」(文政期・建造、改造)。麻布で栄えた高宮宿の問屋の主屋。大きなむくり屋根が素晴らしい。現在は県内の大学生が運営する「ギャラリー喫茶おとくら」が入っている。国の登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 高宮宿の高宮神社参道に建つ「馬場家住宅」(天保4年・1833・建造)

 

↓ こちらも高宮宿の中仙道沿いにある「馬場提灯店」(建築詳細不明)。古い建物かどうかは分からないが軒先には提灯が並ぶ。建物のすぐ脇には用水が流れていて落ち着いた雰囲気。

 

 


 

 

しろ平老舗

滋賀県愛知郡愛荘町愛知川1504-1

 

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ABC食堂 @滋賀県東近江市

2023年05月04日 | 滋賀県(老舗)

久しぶりに遠出をしようと滋賀県東近江市の八日市へ。朝からいくつかの名所旧跡を廻り、昼に向かったのは「八日市ほんまち商店街」。日曜とあっても人通りは少なく、開いている店も多くない。商店街から路地に入ったところにある洋食の「ABC食堂」に入った。創業は大正14年(1925)という長い歴史がある。洒落た造りの店はそう古い感じではなく、店内は大テーブルが1つと小さめのテーブル席が5つ。フロアーには若い店員が3名。開店したばかりの時間だが、テーブル席は自分の後から次々に入った客ですぐに埋まる人気ぶり。自分は大テーブルに腰掛けるも店員はなかなかメニューを持って来てくれない。痺れを切らして訊くと入口近くにある黒板に書いてあるとのこと。遠くて読めないので近寄ると、そこにはランチ・メニューのいくつかに加えて「公民館」だの「本日の村川」だの不思議な品名が。こういう歴史のある店では単品から好きな物を選びたいなと思ったので他のテーブルからグランド・メニューを持って来てもらった。しかしそうこうしている間にもどんどん注文を抜かされ自分の注文は後回しに…。結局内容が今ひとつわからないまま慌てて「Aランチ」というのを注文することに。

しばらくして運ばれた「Aランチ」は、エビフライ、ハンバーグ、コキール、それにいんげんや人参、そしてフレンチドレッシングのかかった千切りキャベツがワンプレートに盛られたもの。ライスは平皿に。エビフライにはタルタルソースではないが玉子を使ったソースがそえられている。中サイズで弾力があり旨い。ハンバーグは濃いソースが使われておらず、肉の風味がしっかり。食感からいくと肉はここで挽いたりしているかも。これもいい感じ。耐熱皿に入ったコキールはホワイトソースの中にチキンが入って、表面にはパン粉が振られオーブンで焼かれている。それぞれどれも旨いものだったが、せっかくだからこの店ならではっていう品をもっと味わいたかった。後客にどんどん注文を抜かされて焦っちゃったナ。次に立ち寄る機会があったら「公民館」か「村川」か。(勘定は¥1,350)

 

 


 

↓ 「八日市ほんまち商店街」。立派な商店街だが開いている店は多くなく、なぜかジーンズ屋が幅を利かせていた。2013年頃からデニム・ジーンズで町おこしをしているのだとか。

 

↓ 商店街を歩いていて目に留まった建物「旧・住井歯科医院」(昭和5年・1930・建造)。事前情報は持っていなかったがピンと来た。後から調べてみるとやはりヴォーリズの建築。現在は複数のカフェなんかに使われているようだ。

 

 

 

↓ 駅の南の呑み屋が集まる地域をウロウロ。いくつか古い建物はあったが、他はスナックとかの店ばかり。昼間に歩いてもなかなか様子は分からない。

 

 


 

 

ABC食堂

滋賀県東近江市八日市本町15-17

 

( 滋賀 しが 東近江 ひがしおうみ 八日市 ようかいち エービーシー食堂 洋食 ランチ ハンバーグ ウイリアム・メレル・ヴォーリズ 近代建築 )

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ミツワ食堂 @滋賀県彦根市

2021年12月05日 | 滋賀県(老舗)

バイクを駆って久しぶりに滋賀県彦根市へ。途中関ヶ原で小雨に振られてどうなることかと思ったが、何とか雨も上がって無事辿り着いた。腹ごしらえに向かったのはいつもの銀座商店街。新しい店が集まる観光地は他にあるのに、どうしてかこの古い商店街に引き寄せられてしまう。西の端にある「ミツワ食堂」に入ってみた。創業は昭和22年(1947)で甘味処から始まったのだそう。店の表は少し新しく造作してあるものの、入口に立てば昔からずっとある店だろうことは分かる。ご高齢のお母さんが給仕して下さった。テーブル席に腰掛けメニューを眺める。迷ったが、結局先頭に書いてあり外看板でも推していた「中華そば」をお願いした。

しばらくして澄んだスープの「中華そば」が運ばれてきた。チャーシューとかまぼこ2枚、沢山のメンマ、刻みネギが散らしてある。スープはあっさりとした味。どこかに”昆布と鰹出汁”だと書いてあったのを見たが、鶏ガラとかの動物系も入っているように思ったんだけれど、どうかな。麺は細ストレート麺。茹で加減はやや軟らかめ。チャーシューは噛み応えのあるタイプ。強い所は見当たらないのでスルスルと啜っていける優しい味だった。次の機会があったら「肉吸い」を頼んでみよう。(勘定は¥680)

 

 


 

↓ 同じ銀座商店街の「旧・滋賀銀行彦根支店(旧・第百三十三国立銀行本店)」(大正14年・1925・建造)に行くと「滋賀銀行」の看板が外されていた。どうも移転したらしい。あと何年かで100周年を迎える建物だというのに、これからどうなってしまうんだろう…。

 

 

↓ 近くの「登り町グリーン通り商店街」にある以前から気になっていた建物は「滋賀銀行彦根志賀寮」(建築詳細不明)というのだそう。大きな敷地にある邸宅には洋館部分もちらりと見えている。ただ立派な黒塀があった周囲が工事の壁で囲まれてしまったのが気になるところ。

 

 


 

食事処 ミツワ食堂

滋賀県彦根市銀座町6−1

 

( 滋賀 しが 彦根 ひこね 銀座通商店街 ミツワ 食卓代行ミツワ 大衆食堂 麺類食堂 ラーメン ちゃんぽん )

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つるやパン (3) @滋賀県長浜市

2020年12月30日 | 滋賀県(老舗)

母を連れて滋賀県長浜市の木之本町を訪れた際、北国街道の通り沿いを散策していると母が「私ここテレビで見たわ。ちょっと買って帰りたい。」と言うので店に入ることに。相変わらず食べ物には好奇心旺盛(笑)。店の前は相変わらず人の出入りが多く、路上駐車していく車がひっきりなし。道幅が狭いので歩いていると結構危ない。歩みの遅い高齢者を引き連れて店内へ。店内ではパンこそたっぷりと陳列されていたが、レジに行列が出来る繁盛ぶり。相変わらず凄いなァ。母はもちろん「サラダパン」を。自分は食べたことのなかった「ランチパン」を購入した。

駐車場まで遠いので母を待たせて車を取りに走り、母をピックアップして木之本を離脱。長浜市街方面へ向かう車中で「ランチパン」を味見。長細い揚げパンの中に半割りにした魚肉ソーセージが入っていた。ここらしいチープな味わいだが、これが何とも”憎めない”味。今の若い人達がこういうパンを食べて”懐かしい”とは思わないだろうが、自分達世代だと、商品そのものは今まで食べたことないはずなのに、やはり「懐かしい」と言ってしまうパンやソーセージの独特の味わい。そういえば母に「サラダパン」の感想を訊くのを忘れたな…。(勘定知らず)

以前の記事はこちらこちら

 


 

↓ 店の向かいにある「竹内薬館(本陣薬局)」(建築詳細不明)。漢方を扱う薬局で現在の店舗は駅側にあり、明治26年(1893)にこちらの22代目が政府認定の薬剤師第1号なのだという歴史ある店の旧店舗。前に来た時は修繕工事の最中だったと記憶するが、すっかり整い、尚且つ風情はしっかりと再現されていた。風格ある薬の木製看板が並んでいる。

 

 

 

 


 

 

つるやパン

滋賀県長浜市木之本町木之本1105

 

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山路酒造 @滋賀県長浜市

2020年12月24日 | 滋賀県(老舗)

余呉湖からの帰り道、酒を求めて寄ったのは木之本の北国街道沿いにある酒造「山路酒造」。創業は天文元年(1532)。なんと日本で5番目に古い酒造なのだとか。以前から買って帰る機会を伺っていた。風格ある建物の脇に立っている赤い郵便ポストが可愛らしい。店の横の駐車場に車を停め、杉玉のぶら下がる店の中へ。ガラス戸を引いて中に入ると、木製台の上に酒瓶が綺麗に並べて陳列してあった。並ぶ酒瓶の中から選んだのは、こちらの代表銘柄「北国街道」の純米酒。4合瓶ではあっという間だし、1升瓶だと重いので車で来る機会を狙っていたのだった。

  

ついでにお土産代わりにこちらの名前が入った利き酒用猪口も一緒に。底には蛇の目の代わりにニッコリマークが入っていて可愛らしい。こういう酒造が用意する猪口は家に山ほどあるから置き場所に困って妻が嫌な顔するかな…。

なんとなくイメージで荒々しい男酒を想像していたが、こちら「北国街道」の純米は飲み口が柔かく、優しい口当たり。酸味は控えめで、決してライトではないけれど呑み易い女酒(※)。ニッコリマークの猪口に酒を注ぎ、ゆっくりと杯を空けていく。ぬるめで燗をつけたときに鼻腔に立ち昇る香りも優しい。酒米は「玉栄」というのだそうだ。豆腐を昆布を入れた小鍋で温めて、東海地方ではお馴染みの田楽味噌(市販のチューブに入った物)をつけて、庭で採れた山椒の実をミルで挽いていただいた。するするといけてしまうので無くなるのも早そう…。次はこちらの名物「桑酒」を買ってみようかな。(勘定は¥2,900、¥300/猪口)

※実際の酸味度や仕込み水の水質は知りません。個人のイメージです。

 

山路酒造

滋賀県長浜市木之本町木之本990

 

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菊水飴本舗 @滋賀県長浜市

2020年12月18日 | 滋賀県(老舗)

木之本から足を伸ばして余呉湖へ。余呉湖に来るのは初めてかな。冬を迎えようという寒々しい湖畔を眺めた後に寄ったのは「菊水飴本舗」。創業は寛永13年(1636)と言われているそうで、とすれば何と380余年もの歴史がある凄い店。店は現在の幹線道路から入った旧・北国街道沿いにある。店の前の駐車場に車を停めて中に入ると、土間の小さなガラスショーケースの他に店の歴史を伝える物が控えめに飾ってあった。こちらの名物「菊水飴」は水飴。白く泡だって砂糖も使っていないのだとか。箸に巻き付けて食べるものだが、それだとどうしても持て余してしまいそうな気がしたので、「菊水飴」を食べ易い飴玉にしたという「菊水のつぶあめ」(写真下)を買って帰ることにした。

帰ってから個包装の飴玉が沢山入った袋の封を開けてみる。色は淡い薄茶色。口に入れてみると最初は頼りない感じだが、だんだんと素朴な甘さが伝わってくる。味としてはべっこう飴のようだが、そこまで強い味わいでもなく、さっぱり。何ともじんわり旨くて、ついまたひとつと袋を開けてしまう。これ、いいなァ。妻も「美味しい」と気に入った様子。そうなるとやっぱり水飴の方も食べてみたくなる…。水飴を買いにまた余呉まで行く口実が出来た。(勘定は¥520/袋)

 


 

↓ 「旧・余呉小学校・講堂」(昭和2年・1927・建造)。平成17年まで使われていたのだとか。玄関口などにもう少し近寄りたかったが、ロープがしてあったので遠慮。基礎部分が煉瓦造りになっている。

 

 

↓ 講堂の隣、元は体育館だったろう建物の脇には立派な銀杏の木が見事に色付いていた。

↓ 講堂からさほど遠くない所に建つ「余呉べんがら座」(昭和25年頃・建造)。元は幼稚園だったらしいが、それを改築し、劇場、ギャラリーとして使っていたのだそう。2年程前に閉館したとのこと。

 

↓ 「余呉湖」はもう冬の景色(訪問11月)。湖面には水鳥が集まっていた。

 


 

菊水飴本舗

滋賀県長浜市余呉町坂口576

 

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ダイコウ醤油 @滋賀県長浜市

2020年12月14日 | 滋賀県(老舗)

滋賀の木之本の北国街道沿いを散歩。立派な「木之本地蔵院」(浄信寺)境内を巡った後は街道沿いにある「ダイコウ醤油」へ。創業は嘉永5年(1853)で現在6代目という歴史ある醸造所だ。この木之本の地には他にも酒や醤油の醸造所がある。風格あるガラス木戸を引き店内へ。最近の若い方が後を継いでいる老舗はどこも店内ディスプレイは洒落ているし、商品開発にも積極的だ。こちらにも醤油の他に塩や菓子、それに酒屋の前掛けを利用したバッグなど面白い物が並んでいた。購入したのはラベルに”あまいろ”とある醤油の小瓶(写真下)と、「甘じょっパイ」と名付けられた菓子。

「あまいろ」は濃口醤油で、杉樽三年仕込みの諸味を使用しているのだとか。早速帰ってから刺身や豆腐で味わってみた。とても香りの良い醤油で、名前からかなり甘いのかなと思っていたがそうでもなく、しっかりとしたコクがあるが主張し過ぎないので、使い方を選ばずなかなか使い易い。こういう土産で買う調味料はあまり主張が強いとなかなか減らず、冷蔵庫の中で眠ることになるからね。「甘じょっパイ」は砂糖と醤油を使ったパイ生地の焼菓子。近くの「角屋」の名前が入っていたのでこの店で作っている訳ではないようだ。醤油を使ってある菓子なのでこちらの醤油を使ったコラボ商品か何かだろうか(※そのようです)。醤油の味は強くないが、ほんのりと香ばしくて美味しい菓子だった。(勘定失念)

↓ 「ダイコウ醤油」の主屋は国の登録有形文化財に指定されている。

 

ダイコウ醤油

滋賀県長浜市木之本町木之本1137

 

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すし慶 @滋賀県長浜市

2020年12月08日 | 滋賀県(老舗)

紅葉にはまだ少しだけ早いタイミングだったが、いつでも行ける訳ではないので高齢の母を誘って車でドライブ(訪問11月初旬)。何年も前に、難儀して母の運転免許を取り上げたので自分が”足”にならなければいけない。バイクで走るのが気持ち良くて好きな303号線を岐阜方面から滋賀県の木之本町方面へ走る。途中、揖斐峡、藤橋を通って徳山ダムへ。そして木之本町に抜けた。この日は完全晴れ予報だったにも関わらず、道中で小雨がパラついたり、すぐに陰ったりしてしまう運の無さ。それでも陽が差した時には素敵な紅葉を眺めることが出来、母も喜んでいた。

木之本では以前に寄ってとても気に入った「福田屋」の鍋焼きうどんを食べようと勇んで出掛けたが、これまた運悪く休み(日曜昼は営業のはずじゃ…)。母をあまり遠くまで歩かせられないので近くの「すし慶」に寄ることに。創業は大正元年(1912)。”北國街道”と刻まれた石柱の向こうにアプローチがあり、中に入ると庭園のあるとても大きな建物だった。案内されたのは立派な大広間。ぽつぽつとテーブル席がセッティングしてあるも先客は無し。母と向かい合わせに座ったが間に透明アクリル衝立板が。他人との相席ならまだしもこれは…。何だか某所で面会しているような感じ(笑)。注文したのは自分が「棒鯖寿司」のハーフサイズ、母が「田上山」という八寸と鯖寿司のセット。

運ばれた「鯖棒寿司」は6切れ。白板昆布で押してあり、鯖の身は厚く旨い。すし飯に山椒の実が混ぜてあるのが珍しく、なかなかいい味のアクセントになっている。熱いお茶を飲みながら美味しくいただいた。量的にはまだまだ食べられるが、こういうのはこれくらいにしておいた方がいいだろう。母も鯖寿司が気に入ってお土産に買って帰ろうとしたら、これから作るので少し時間がかかるとの事だったので又の機会にする。(勘定は¥4,400)

 


 

↓ 岐阜県揖斐郡揖斐川町の景勝地「揖斐峡」。この辺りはまだほんの少し紅葉には早かったか。

↓ 同じ揖斐川町の日本最大級のダム「徳山ダム」(平成20年・2008・竣工)。残念ながら陰って上手く写真には収められなかったが、陽が当たると木々の色付いた葉がとても綺麗だ。

 

 


 

すし慶

滋賀県長浜市木之本町木之本988

 

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鍋庄商店 @滋賀県長浜市

2020年05月09日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県長浜市の普段賑やかな黒壁スクエア辺りから南側の地区へ行くと昔ながらの商家の建物が残る風情ある通りがある。もう夕方であかりが灯り始め、しっとりとしたいい雰囲気になりだした頃、自転車で「鍋庄商店」の前まで来た。創業明治2年(1869)という歴史のある店。外壁に貼ってあったチラシを読んでいたら、ここ長浜の名だたる名店、老舗の多くがこちらの醤油を使っていることを知る。「へぇー」なんて感心していたら、店じまいを始めていた若い店員(跡継ぎ?)がこちらに気付き「よかったら味見できますよ。」と誘ってくれたので、暖簾をくぐって中へ。香ばしくいい匂いが漂う店内には様々な醤油をはじめとする調味料が並んでいる。屋号は「鍋庄」なのに商標が「ヤマショウ」なのはどうしてだろう。いくつかの種類の醤油を小さなプラスチック・スプーンですくって味見させてくれた。こうして味わうとそれぞれの違いが面白く、片っ端から味わってみたくなる。何を買っていこうか思案。そこで自分の住む東海地方では馴染みの薄い「うすくち醤油」の1ℓペットボトル(写真下1枚目)を買って帰ることに。おまけに小さな容器に入った「まろやか濃口醤油」と「しょうゆ胡麻」を付けてくれた。

家に帰ってさっそく出汁を引く。シンプルに昆布と鰹節。そこに買ってきた「うすくち醤油」を垂らす。ご存じのように「うすくち醤油」は名前の印象とは違い、普通の醤油よりも塩分濃度は高い。こちらの物は1~2%高いとのこと。入れ過ぎないように加減をして出汁と合わせると色付きは淡くても味わいがビシッと決まった。なるほど、これはいい。東海地方は一部を除いて濃口醤油とたまり醤油の使用頻度が高く、出汁の色も濃くしがちなので、スーパーに行ってもそれらの種類は多いが薄口醤油の選択肢は多くない。うちにも常備はしていないが、料理をしているとあればいいのにと思うことが多々あった。シンプルに出汁を味わいたくて季節外れの雑煮を作ったり、茶碗蒸しを作ったりして楽しんだ。まだまだ出番が多くなりそう。(勘定は¥500程)

 

 

 


 

↓ 店の前の通りを東に向かうと、もう営業はしていないだろう銭湯(名称不明・建築詳細不明)の跡を発見。コロナ禍で大好きな銭湯巡りをしづらくなって寂しいナ。

 


 

鍋庄商店 (ヤマショウ)

滋賀県長浜市朝日町6-6

 

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