久しぶりに岐阜県関市の鰻屋「辻屋」へ。関市には人気の鰻屋が何軒もあるが、こちらの創業は幕末の慶応年間(1860頃)という一番の古株。夜になるとひっそりと静まりかえる本町のアーケード街。この日は息子に運転を任せ、高齢の母も連れてきた。絶滅危惧種指定とシラスウナギ輸入の闇などの問題から、最近は鰻を喰うことに罪悪感を感じてしまうのだが、母もこれからは店に足を運ぶのがだんだん難しくなるだろうと決心。母も孫の運転で来られるのは嬉しいだろうナ。道路を挟んだ向かいにある駐車場に車を停めて店へ。暖簾をくぐるとコロナ禍であってもまあまあの客入り。昼や休日は並んでいるのが普通のようだから平日夜はこんなものなのかも。奥には入れ込みの座敷もあるけれど、膝の悪い母の為に手前のテーブル席をお願いした。
嬉しいことに運転手付きなので酒が呑める。年配の給仕女性に「ビール(大瓶)」(キリン)と「お酒」(熱燗)をお願いし、「口取り(お通し)」、「肝焼き」、「鯉の刺身」をお願いした。この日のお通しはとびこと菜の花の和え物。母と乾杯。しばらくして運ばれた「肝焼き」は10個ほども盛られていたろうか。肝はしっかりとした大きさで濃い味付けがしてある。これを口に入れてまずはビールで、次は酒で追っかける。旨いナー。「鯉の刺身」は酢味噌(もちろん赤味噌)で。つーんと効くのは酢味噌に辛子が入っているかな。しっかりとした歯応え。旨い。
肝心の丼は息子が「上丼」を”ご飯大盛り”で、自分と母は「並丼」でお願いした。しばらくして運ばれた息子の「上丼」はご飯がこんもりと漫画のように盛り上がっている。これには蓋が出来ないのだとか。丼も特別なのか金色だ(笑)。すごい迫力。自分たちの並でもご飯はたっぷり。しっかりとたれが滲み込んでいる。どちらも肝吸いと守口漬付き。鰻はしっかりと焼きが入っているが、身はふっくらと皮はカリッと、上々の焼き加減。たれとのバランスも良く、旨い。たれの量も多過ぎず。好きな山椒を振りかけたりしていただく。人気店とあってこの山椒の鮮度も良かった。ここの鰻丼は若い頃から何度も頂いているが、今回が一番良かったかも(酒呑めたから?・笑)。母もかなり気に入った様子。付いてくれた女性給仕がてきぱきと、それでいて慇懃無礼にならない程度に丁寧な応対で居心地を良くしてくれたからかもな。それにしても息子にハンドルを任せて呑むっていうの、いいナ。(勘定は¥15,000程)
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↓ 関市の旭ヶ丘小学校の近くにある銭湯跡「平和湯」(建築詳細不明)◇。営業を止めてから随分と経っている感じ。ここが一番最後まで残っていたらしいが、関市内にはもう銭湯は1軒も残っていない(はず)。近くの吉田川にはモザイクタイルのコンクリート製ベンチが残っていた(写真下最後)。
名代 辻屋
岐阜県関市本町5-14
( 関 せき つじや 辻屋本店 鰻丼 うな丼 うなぎ丼 老舗 鯉刺し しげ吉 みよし亭 角丸 孫六 近代建築 銭湯 )