1979 – 1999 ( Box Set ) / The Pretenders (2015)
一番好きな女性ヴォーカリストは?って訊かれたらどう答えるだろう…って考えてみたが、自分は色々な音楽を聴くわりに意外と女性ヴォーカリストのアルバムって買ってない。ソウル系ならまだしも、ロック・シンガーだとなおさら。そんな中で自分の好きな女性ロック・シンガーの筆頭と言えばクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)。彼女特有のコブシを効かせた歌い方は好き嫌いあるだろうが、自分は昔から彼女の声が大好き。濃いマスカラに、ガッツのある低い声、男勝りなギター・ストロークと態度、ファッション。そしてそんな強さの下から時々チラッと見せる女性らしさ。長兄の持っていたファースト・アルバムを小学生の時に聴いてから、ずっと好き。彼女の作る音楽はいい意味で昔から変わらず、ギター中心のロック。「姉御」と呼びたくなる逞しさ、かっこよさがあるが、実生活では恋多き女でもあり、実はラヴ・ソングが多い。そんなギャップも素敵だ。
近年ではとうとうアルバムには「プリテンダーズ(The Pretenders)」とクレジットされなくなり、グループとしての活動は終わったようだが、プリテンダーズは紛れもなく彼女中心のバンド。そんなプリテンダーズのデビューから8枚のアルバム(下参照)が、レア・トラック、レア映像をてんこ盛りにしてボックス・セットに編集された。もちろんすべてのアルバムはすでに所有しているし、既発のボックス・セットまで持っているのでので悩んだが、結局購入。
Pretenders (1980)
Pretenders II (1981)
Learning To Crawl (1984)
Get Close (1986)
Packed! (1990)
Last Of The Independents (1994)
The Isle Of View (1995)
Viva El Amor! (1999)
14枚のCDに8枚のDVDを合わせた22枚組! 彼女の場合、アルバム収録曲以外にも、サントラやコンピ盤、トリビュート盤に提供した曲も多いので、確かにこのレア・トラック集は便利。このボックスでほんの数曲を除いてほぼ網羅出来ているそうです(クリッシー個人名義でのコラボ作品は収録されていない)。こうして初期から聴き直すと、声も驚くほど変わっていないし、音楽スタイルも一貫している。ハードに飛ばすロックな曲はもちろん、しっとりと歌い上げるラヴ・ソングも、クラシック・ロック中心のセンスのいいカヴァー曲も、彼女が歌うとやっぱり、イイ。2枚目のライヴ音源は正式に発売して欲しかったくらいの出色の出来。必聴。
映像の方ではPV(プロモーション・ヴィデオ)の他、テレビ出演時(ほぼBBC)の映像が多く収められている。今はもう結構なバーサンになっている彼女だが、昔からあまり変わっていないなァ(若い頃が老けていたということかも…)。それでも初々しさ、色気、活きの良さは充分に伝わってくる。DVDには亡くなった2人のオリジナル・メンバー(James Honeyman-Scott、Pete Farndon)の姿も(これクリッシー、ピートに惚れてたんじゃないか?)。年を経る毎に彼女の歌が上手くなっていくのもよく分かる。ただ個人的には上手に歌い上げる曲よりも、言葉を放り投げるような粗さが感じられる曲の方がやっぱり彼女らしくて好きかな。どこまで行くのか分からないが、まだまだ頑張って世界一(初?)のかっこいいロック・バーサンになってもらいたいものだ。
オークションにて購入(¥9,782)
- CD (2015/2/24)
- Disc : 22
- Format: Box set, CD, Import
- Label : Edsel