また東京に行く機会があったので、色んな所を見て廻り、色んなものを食べてきた。
まずは新橋の老舗鳥割烹「末げん」。明治42(1909)年の創業。昔は黒塀がある趣ある建物だったそうだが、現在はビルの中。営業開始時間前になると、サラリーマンが何組か並び始めた。夜は社用が多いだろうが、昼には何種類かの値打ちなランチがある。店に入ると靴を預けて、さほど広くない洋間のテーブル席に案内された。テーブルは7つくらいで、これ以外は座敷に案内されるようだ。
こちらは挽き肉を使った親子丼「かま」で有名。自分もかなり迷ったが、より鶏肉の味を味わえるだろうと、もうひとつの人気メニュー「たつた揚げ定食」を注文。さすがに親子丼よりもかなり時間がかかるようで(事前に確認される)、しばらく待つ。この日は自分も含めて「たつた」を注文した人が多く、先に出てきた旨そうな親子丼を食べる人を眺めながら我慢の時間となる。この親子丼も食べてみたいんだよなァ…。30分以上待っただろうか、やっとお待ちかねの「たつた」が運ばれた。
「たつた」と言っても片栗粉をまぶして揚げたいわゆる竜田揚げではなく、鶏挽き肉のメンチカツといった感じ。大きいのが3つ、淡い色でじっくりと揚げられている。添えられているのは千切りキャベツ、トマトと小鉢、吸い物、香の物、それにご飯。さっそくひと口頬張ると、熱々の肉が肉汁とともに口の中へ。もちろん軽く火傷した(笑)。でも葱と生姜の風味が効いた鶏挽き肉のカツは旨味がたっぷりで、箸が止まらない。他では味わったことのない旨さ。お好みでと置かれたウスターソースもほとんど使わずそのまま食べてしまった。ご飯を大盛にしている人が多かったが、分かるなァ。自分も他の予定が無かったらそうしていただろう。(勘定は¥1,620)
↑ 向かいは先頃再開発報道のあった昭和の殿堂「ニュー新橋ビル」(左・烏森口方面から)、店の横を入ると「烏森神社」(右)
鳥割烹 末げん
東京都港区新橋2-15-7
(すえげん 三島由紀夫 盾の会 最後の晩餐 最期の晩餐)