ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

In Action / Mel Taylor and The Magics

2024年11月14日 | クラシック・ロック

In Action / Mel Taylor and The Magics (1966)

ワゴン・セールで見つけた1枚。ヴェンチャーズ(The Ventures)のドラマー、メル・テイラー(Mel Taylor)の66年に発表されたリーダー・アルバム。自分はヴェンチャーズのことは全く知らないので、最初はジャケットに目が留まったものの手にしても誰なのか分からなかった。そこでその場でスマホで検索。すると概要が出て来てちょっと興味を持った次第。便利な世の中だ。

ドラマーのリーダー・アルバムってどんなだか知らず、ジャズ・テイスト溢れる内容なのかなと思っていたが、プリミティヴなドラム・サウンドから始まり、当時のポップスやジャズのカヴァーをアレンジしたよりラウンジ・ミュージック的な内容。80年代後半から90年代の一時期、”レア・グルーヴ”という捉え方のインスト中心の音楽が再評価という形で人気を博したが、まさにそんな感じでポップな仕上がり。特にメル・テイラーのドラム・ソロが多いとかではなく、あくまで音楽的リーダーというアルバムなんだろう。ギターも”エレキ”と呼びたい音色。

中古店にて購入(¥165)

  • レーベル ‏ : ‎ ダブリューイーエー・ジャパン
  • ASIN ‏ : ‎ B0000566YA
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
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This Note's For You / Neil Young & The Bluenotes

2024年10月12日 | クラシック・ロック

This Note's For You / Neil Young & The Bluenotes (1988)

ニール・ヤング(Neil Young)が1988年にNeil Young & The Bluenotes名義で発表した18枚目のオリジナル・アルバム「This Note's For You」。ゲフィン・レコードから古巣のリプライズに復帰しての第1弾。この時のメンバーはブルーノーツというホーン・セクションを交えた面々で、後にこの時の面子でのライヴ音源が彼のアーカイヴから「Bluenote Café」として発表されている。自分はそちらを先に聴いてしまったので順序が逆になってしまった。自分は当時全くニール・ヤングを聴いていなかったので、タイトル曲のPVが話題になっていたとは知らなかった。当時ロック・アーティストが大手企業とタイアップしてCMを作ることが流行り(実際自分も向こうでよく見た)、バドワイザーの”This Bud's for You”という宣伝文句をもじって作られたのだとか。PVはそうしたCMのパロディになっている(ちなみに監督はジュリアン・テンプル)。さすが反骨心旺盛なニール。

アルバムはミディアム・テンポの曲が多く、リラックスして明るい雰囲気。ライヴ・アルバムでもそうだったがニールとホーン・セクションの相性はなかなか良く、どうして彼があまりホーンを使わないのかが不思議。ニールの音楽は所謂ブルーズに直接的に影響されたような曲は多くないが、ここではギターといい、モダン・ブルーズといった感じのギター・ソロも多く聴けるし、60年代のスタックス・ソウルのような雰囲気の曲もある。ただあまりファンからの評判は良いとは言えなかったらしく、このスタイルは早々に消えて元のニール節に戻って行ったらしい(→もちろんニールだけにそのスタイルは次々と変わっていくのだが)。

ネット・ショップにて購入(¥680)

  • Label‏ : ‎ Reprise / Wea
  • ASIN ‏ : ‎ B000002LE5
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Hackney Diamonds(Live Edition)/ The Rolling Stones

2024年10月02日 | クラシック・ロック

Hackney Diamonds(Live Edition)/ The Rolling Stones (2023)

以前にレヴューした昨年10月に発売されたストーンズ(The Rolling Stones)の24枚目のオリジナル・アルバム「Hackney Diamonds」。発売直後に小さなハコでシークレット・ギグを行ったと情報が入ったのはすぐ後。昔と違ってそういう情報はすぐに映像を含めて広まるので、会場はニューヨークのRacketだったというのもすぐに判明。ゲストにレディー・ガガ(Lady Gaga)が出演したということも分かった。最初にこの音源に触れたのは一部だったと思うが公式映像で、そのすぐ後にこのライヴ・エディションが発売されることが発表されたはず。アルバムが発売されてからあまりにも早かったので驚いたが、残念ながらライヴ盤の単独発売は無く、オリジナル・アルバムとのバンドル…。こういうの止めてよね、ホント(苦笑)。演奏された曲は以下の通り。

Disc 2 - Live at Racket, NYC

01. Shattered
02. Angry
03. Whole Wide World
04. Tumbling Dice
05. Bite My Head Off
06. Jumpin' Jack Flash
07. Sweet Sounds of Heaven (Feat. Lady Gaga) 

観衆はたったの500人程だったらしい(羨ましい…)。もちろん演奏の出来は最高とは言えないかもしれないが、アルバム発表すぐ後とは思えないほど熱が入っていて充実した演奏。もちろん映像のシューティングや録音前提だったろうから、”カメラが入ると強い”ストーンズの本領発揮(笑)。お歳を召してきて若い頃のような流麗なフレーズが弾けないのはキース(Keith Richards)もロニー(Ronnie Wood)も一緒だが(そもそもそういうギタリストじゃないわな)、スティーヴ・ジョーダン(Steve Jordan)の溌溂としたドラミングが加わってもったりしたところは無い。にしてもミック(Mick Jagger)。80歳を越えてもヴォーカルは健在(映像で観ると動きや体型も)。妖怪か何かかな、この人(笑)。07でジョイントしたレディー・ガガ。彼女には全く興味が無かった自分だが、その度胸と熱唱には度肝を抜かれた。なるほどそういうことか。

ネット・ショップにて購入(¥1,500)

  • Label ‏ : ‎ Geffen Records
  • ASIN ‏ : ‎ B0CNHD215G
  • Disc ‏ : ‎ 1
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The Best Glam Rock Album In The World... Ever ! / Various Artists

2024年09月13日 | クラシック・ロック

The Best Glam Rock Album In The World... Ever! / Various Artists (1998)

「The Best ○○○ Album In The World...Ever!」という英EMI/Virginが出しているコンピレーションのシリーズ。コンピ盤好きな自分はこのシリーズも好きで30タイトルほど所有している。今回購入したのは1998年に発表された「The Best Glam Rock Album In The World... Ever ! 」というグラム・ロックに焦点を当てたCD2枚組。収録アーティストと曲は以下の通り。

Disc 1

1-01 Queen - Killer Queen
1-02 The Sweet - Blockbuster
1-03 Mott The Hoople - All The Young Dudes
1-04 David Bowie - John, I'm Only Dancing
1-05 Roxy Music - Virginia Plain
1-06 Iggy Pop - The Passenger
1-07 Faces - Stay With Me
1-08 T. Rex - Children Of The Revolution
1-09 Alice Cooper - Elected
1-10 Slade - Mama Weer All Crazee Now
1-11 Sparks - This Town Ain't Big Enough For The Both Of Us
1-12 Bryan Ferry - Let's Stick Together
1-13 Golden Earring - Radar Love
1-14 Lulu - The Man Who Sold The World
1-15 Steve Harley & Cockney Rebel - Judy Teen
1-16 Lou Reed - Perfect Day
1-17 Electric Light Orchestra - 10538 Overture
1-18 Roy Wood & Wizzard - Ball Park Incident
1-19 David Essex - Rock On
1-20 Steve Harley & Cockney Rebel - Sebastian

Disc 2

2-01 Roy Wood & Wizzard - See My Baby Jive
2-02 Mott The Hoople - All The Way From Memphis
2-03 T. Rex - 20th Century Boy
2-04 The Sweet - The Ballroom Blitz
2-05 Mud - Tiger Feet
2-06 Suzi Quatro - Devilgate Drive
2-07 Geordie - All Because Of You
2-08 Slade - Gudbuy T'Jane
2-09 New York Dolls - Personality Crisis
2-10 Roxy Music - Do The Strand
2-11 Ian Hunter & Mick Ronson - Once Bitten Twice Shy
2-12 Chris Spedding - Motor Bikin'
2-13 Brian Eno - Seven Deadly Finns
2-14 The Runaways - Cherry Bomb
2-15 T. Rex - Solid Gold Easy Action
2-16 Blackfoot Sue - Standing In The Road
2-17 Mud - Dyna-Mite
2-18 The Glitter Band - Angel Face
2-19 Cozy Powell - Dance With The Devil
2-20 Hello - New York Groove
2-21 Arrows - I Love Rock And Roll
2-22 Suzi Quatro - Can The Can

いきなりクイーンで始まるのが意外だが、本場ではそういう捉え方もされていたんだろう。確かに当時の派手な化粧を施して煌びやかな衣装をまとった容姿は間違いなくグラム・ロックの要件のひとつ。イギーの1-06だけは発表年代も曲も座り心地が悪い感じがするが、日本ではあまり取り上げられないロイ・ウッド&ウィザードや、スティーヴ・ハーレイ&コックニー・レヴェルなどがしっかりフィーチャーされていて聴き応えがある。グラム・ロックの”ロックンロール・リヴァイヴァル”という重要な側面もしっかり感じ取ることが出来てなかなかの好編集。楽しめた。

ネット・オークションにて購入(¥680)

  • Label ‏ : ‎ EMI Import
  • ASIN ‏ : ‎ B00000FYGO
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Carnegie Hall 1970 / Neil Young

2024年09月04日 | クラシック・ロック

Carnegie Hall 1970 / Neil Young (2021)

次から次へと発表されるニール・ヤング(Neil Young)の貴重音源。色々な括りでアーカイヴを次々と発表しているニールだが、こちらは2020年から始まった「Official Bootleg Series」と名付けられたシリーズの第1弾、1970年のニュー・ヨークはカーネギー・ホールでのライヴ録音CD2枚組。ジャケットがもろにブートレグ(海賊盤)風なのが面白い(←実際このジャケのままだったのかどうかは不明)。ただ当時ブートレグで発表されたのは1日2公演のうち2回目のセットで、ここに収録されている1回目のセットは初出なのだとか。ややこしいなァ。

ギター1本かピアノの弾き語りのシンプルなセットで切々と歌うニール。録音状態も素晴らしく、とてもお蔵になっていた50年も前の音源だとは思えない。まだ若いが絶頂期を迎えているとあって、リラックスした雰囲気の中にも艶のある歌声で、高音の伸びも素晴らしい。内容は実際のセット通りだそうで、途中観客をからかってやり直したりするような場面もあるが、次々と名曲が丁寧に歌い上げられていく。この歌声は胸に響くなァ。観客も1音も聴き逃すまいと耳を澄ませているようだ。こんな密度の濃い演奏を毎夜繰り広げていたのだからこの時期のニールの充実度といったら…。

ネットショップにて購入(¥1,500)

  • Label ‏ : ‎ WARNER RECORDS
  • ASIN ‏ : ‎ B09CRNQ8FV
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Live At The Hollywood Bowl : August 18, 1967 / Jimi Hendrix Experience

2024年08月27日 | クラシック・ロック

Live At The Hollywood Bowl : August 18, 1967 / Jimi Hendrix Experience (2023)

令和の御代に衝撃的な音源発売!といっても今では洋楽のニュースなんて見かけもしないからアレだが、このジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix Experience)のライヴ盤発売には驚いた。何とアメリカでのデビュー・アルバム発売前のハリウッド・ボウルでのライヴ音源。メジャー活動はたったの3年程だったから残っているありとあらゆる玉石混交の音源が掘り起こされているジミだが、このライヴ音源はブートレグでもオフィシャルでも全く世に出ていなかったもの。まだそんな音源が眠っていたとは!ビックリ。全米デビュー前だからまだ一般には無名のバンドとしてのライヴで、ママス&パパス(The Mamas & the Papas)の前座での登場。観客は17,000人も居たらしいが、ほとんどママス&パパスのファンだったはずだ。

お堅いオープニングMCの後、ジミ、ミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)、ノエル・レディング(Noel Redding)の3人がステージに登場。いきなり当時発売されたばかりのビートルズ(The Beatles)の「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」のハードロック・ヴァージョンで幕を開ける。そして2ヵ月前のモンタレー・ポップ・フェスでも披露した疾走感満載の「Killing Floor」。残念ながら観客の反応までは聴き取れないが、ラヴ&ピースのメロウな雰囲気でママス&パパスを待っていた観客は唖然としたに違いない(笑)。音も時代を考えたら充分聴けるクオリティー。

当時のステージはまだPAシステムやバンドのバック・アップが確立されていなかった時代。基本的にジミが持っているギターは1本のはずなので曲間に頻繁にチューニングが入る。面白いのはノエル・レディングがMC役をやっていること。後にジミとの関係が悪くなるノエルだが、この時はまだやる気満々でそういうことも任されていたのだろうか。何度聴いても素晴らしいアレンジのディラン(Bob Dylan)の「Like A Rolling Stone」、そしてラストの「Wild Thing」まであっという間。こんなに凄い音源の発表なのに、こちらから探さないとニュースに辿り着けないとは、日本での洋楽の落日もここに極まれり。

ネット・ショップにて購入(¥1,936)

Label ‏ : ‎ Legacy Recordings
ASIN ‏ : ‎ B0CGZDN4MT
Disc ‏ : ‎ 1

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Pendulum / Creedence Clearwater Revival

2024年08月19日 | クラシック・ロック

Pendulum / Creedence Clearwater Revival (1970)

1970年に発売されたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival、以下CCR)の6枚目のオリジナル・アルバム「Pendulum」。自分はCCRのCDはボーナス・トラック付きの40周年シリーズ(角が丸いCDケース)で集め直していて、1枚だけ買いそびれていた。一般的にはそれまでのアルバムのような高評価は無いようだが、ヒット曲を2曲も出しているし、およそCCRに駄作なんて無い(いやホント)。自分は若かりし頃アメリカに行った時に一緒に住んだ年上の男性に「CCRをほとんど聴いたことがない」と言ったら、「お前、ストーンズとか古いロック聴くのにCCR全然聞いたことないの?(なんてこった…)」と呆れられたことがある(苦笑)。今ならそれも当然と思えるのだが…。

印象的なギターから始まり、ジョン・フォガティ(John Fogerty)のあのヴォーカルが出てくるともうあの音世界に突入。どの曲も彼らの代表曲に劣らぬポップさとハードさを併せ持ち、ジャム的な展開の曲でもアイデアたっぷりで飽きさせない。バンド内でジョン・フォガティがどの程度イニシアチヴを握っていたのか分からないが、やはり彼の存在感は大きい。ボーナスの11、12はどういう意図で作られたトラックなのか分からないが(←ライナー読め)何か企画があったのか、おふざけで作ったのか、インタヴュー等が挟まれている奇妙なトラック。他にもオルガンをフィーチャーしたインスト曲もあってサイケデリックな雰囲気が漂っているのは時代がそうさせたに違いない。因みにジョンの兄Tom Fogertyはこのアルバムで脱退することになる。ここで自分ちのCD棚を見て唖然。このCDと全く同じCDが棚に…。自分が持っていないのは最後の「Mardi Gras」だったか。どおりで聴いたことがある曲ばかりだと思ったんだ(←オイオイしっかり聴いてないナ…)。

中古店にて購入(¥792)

  • Label ‏ : ‎ CONCORD
  • ASIN ‏ : ‎ B001AKTZOG
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Deep Cuts 2 / Queen

2024年08月03日 | クラシック・ロック

Deep Cuts 2 / Queen (2011)

2011年に出たクイーン(Queen)の「Deep Cuts」と題されたちょっと捻ったコンピレーション盤の第2弾。前作と同様に通常のコンピ盤ではなかなか選ばれないような曲が多く収録されている。今回は70年代中後期から80年代初めという括り。クイーンの中でも異色の構成を持った01から始まる。78年の「Jazz」収録曲で中東の雰囲気を纏っていて、なぜかフレディ(Freddie Mercury)のイメージ(髭?)にも合って面白い曲なのだが、イントロ~Aメロの入力レベルが低く、それに合わせてヴォリュームを上げていると2Aメロでいきなりびっくりするというのを毎度繰り返している(笑)。

このコンピが発売されたのはクイーンがEMIからユニバーサルに移籍したタイミング。新たにリマスターがされたのでそのショーケースという形で廉価で発表されたのだろう。ただ前作同様に何かこう、この2011リマスターの音にはしっくりこない。時代やアルバムで音質や耳障りに違いがあるのは理解しているが、このコンピを通して聴くとリマスターの結果なのか、より曲毎のデコボコ感が顕著に感じられる気がする。選ばれている曲がそうなのか、曲順でそう感じるのか。それが面白いんじゃと言われれば、確かにコンピの面白さはそういう所にもあるのだが、何だか聞き辛いんだよな…。次は「3」か…(←買うのか!)。

ネット・ショップにて購入(¥741)

  • Label ‏ : ‎ Island
  • ASIN ‏ : ‎ B004WS7QYE
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Tattoo You (Deluxe Edition) / The Rolling Stones

2024年07月30日 | クラシック・ロック

 

Tattoo You (Deluxe Edition) / The Rolling Stones (2021)

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の1981年作品「Tattoo You」の40周年を記念して発売されたデラックス盤2枚組。1枚目はオリジナル・アルバム、2枚目には「Lost & Found - Rarities」と名付けられた未発表曲が収録されている。ちなみに82年ウエンブリーでのコンサートを収録した2枚を加えたスーパー・デラックス盤もあるが、そちらはまだ未購入。飢餓状態だった80、90年代頃には数多のブートレグにまで手を出してボロボロの音質のレコード盤にかじりついて聴いていたというのに、こうして毎年のようにいくつもいくつも発表されるようになると途端に出足が遅くなるという情けない状態…。実際「From The Vault」シリーズや、各デラックス・エディション、発掘ライヴ盤だって、昔なら擦り切れる程(CDなので擦り切れないが・笑)聴いたろうと思うが、今は流して聴く程度の熱の低さ。酷いファンだ。

「Rarities」収録の楽曲はブート時代からお馴染みの曲もあれば、全く初めて聴くものもあった。当時は粗悪な音だけでしか聴けなかった「Start Me Up」のレゲエ調の初期ヴァージョンなんて感涙もの。そもそもオリジナル・アルバム自体が当時お蔵になっていた曲を掘り起こして造られた寄せ集め。当時はそんな事情は知らなかったのでニュー・アルバムとして捉えて聴いていたが、当時純粋な新曲は2曲ぐらいしかなかったはず。それでも名盤と呼ばれるようになったのは、プロデューサーとしての彼らの技量でもあるし、10年そこそこのストックからの放出だったから違和感が無かったということもある。この盤はもちろん現時点で正規発売するためにオーヴァー・ダブされていたり改変されていたりするので、当時のままでないのは承知の上。でもやはりオリジナル・アルバムの「Lost & Found」というなら、せめてヴォーカルはランスルーや未完成でも全て当時のままのミック(Mick Jagger)の声でないとしっくりこない。いっそのこと、これらの曲(他のデラックス盤の未発表曲も含めて)を完全に現在のバンドのメンバーとミックのヴォーカルで新曲として録音し、つまり新「Tattoo You」としてニュー・アルバムにしてしまった方が良かったんじゃないか。と、贅沢なことを言ってみる。

ネット・ショップにて購入(¥1,805)

  • Label ‏ : ‎ Polydor
  • ASIN ‏ : ‎ B09CG5RBHZ
  • Disc ‏ : ‎ 2
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The Soul Cages / Sting

2024年07月02日 | クラシック・ロック

The Soul Cages / Sting (1991)

1991年に発表されたスティング(Sting)の3枚目のソロ・アルバム「The Soul Cages」。プロデュースはスティング本人と、ポリス(The Police)時代からお馴染みのヒュー・パジャム(Hugh Padgham)。レコーディングには後に現在に至るまでずっとコラボレーターとなるドミニク・ミラー(Dominic Miller)が初参加。サックスであのブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)も参加している。当時は興味が無くて知らなかったが、アルバムは本国イギリスでチャート1位にもなったのだそう。アルバムにはのちにベスト盤に含まれたり、昨年の来日公演でも演奏された曲が収録されていて、スティング本人が今も愛着を持っていることが分かる。自分が今頃になってこれを買ったのも馴染みのある曲が収録されていると知ったから(遅い)。

ファーストから続くジャジーな雰囲気は維持しつつも、独特の静謐な感じが前面に。後から調べて知ったが、何でも数年前(当時)に父親が亡くなってから曲が書けなくなっていたそう。このアルバムはそんな父親の死にまつわるコンセプト・アルバムで、船乗りだった父に影響を受けた公開や海をテーマにした曲が並んでいるのだとか。うーん、この辺りはネイティヴでないとなかなか直接歌詞が頭に入ってこないなァ。テーマからいくともっとダークな音楽性なのかなと思っていたがそうでもなく、前知識無しでも十分に楽しめた。いわゆるロックっぽい曲は少ししか見当たらず、彼のキャリアで後々にも顔を出すスパニッシュ・ギターに影響を受けたような演奏が印象的。

中古店にて購入(¥330)

  • Label ‏ : ‎ A&M
  • ASIN ‏ : ‎ B000002GL2
  • Disc ‏ : ‎ 1
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