蕎麦の「あさだ」を出るとすぐの所に佃煮の老舗「鮒佐」(創業文久2年・1862)がある。店のHPによると、佃煮の語源ともなった佃島の魚介類の「塩煮」を馳走になった創業主が醤油を使って現在の佃煮を創り出したのだとか。江戸通り(国道6号線)沿いにある店舗には趣ある文字のみの重厚な看板が出ている。店に入るとガラスのショーケースの中に色々な佃煮のサンプルがある。曲物や折詰はある程度の量が入っているのでさすがに値が張るけれど、家庭用の持ち帰りパックなら少量から詰めてもらえて味を試すことができるので自分にはうってつけ。初めてなので5種類(昆布・しらす・あさり・海老・牛蒡)の盛り合わせを注文した。
↓ 下は佃煮に同梱の錦絵
家に持ち帰ってから食べたが、いわゆる今、一般的に出回っている佃煮とは別物で、甘辛い味ではなく、きりっとした醤油の味。多分甘味は加えていないんじゃないだろうか。そのままで食べると醤油辛さが際立つけれど、これが何とも旨い。嫁はこの味がたいそう気に入ったそうで、少ししかないのに知らぬ間にほとんど食べられてしまった(苦笑)。普段あまり自分で買うことのない佃煮は、戴いたりしてもなかなか食べ切れなくて、だんだん風味が落ちて干からびるのが関の山だったんだけど、これは旨い。そうか、本当の佃煮はこういう味か。やはり実際に食べてみないと分からないなぁ。(勘定は¥1,100)
東京都台東区浅草橋2-1-9
(佃煮鮒佐 浅草橋鮒佐 ふなさ)