ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

パーラメント・ファンカデリック(feat.ジョージ・クリントン) @名古屋・DIAMOND HALL

2024年09月22日 | ライヴ(日本公演)

パーラメント・ファンカデリック(feat.ジョージ・クリントン) (9月19日・名古屋・DIAMOND HALL)

パーラメント・ファンカデリック(Parliament Funkadelic)が来日。Pファンク(P-Funk)でもオールスターズ(P-Funk Allstars)でもない名義だがどう使い分けているのかな。今回はフェス出演の為の来日の発表があったが、その後単独公演が大阪と名古屋で開催されると発表があった。過去に名古屋公演があったかどうか知らないが、近年の来日ではフェスだったり名古屋飛ばしだったと思うので、とうとう間近で御大ジョージ・クリントン(George Clinton)の御尊顔を拝謁出来ることに(笑)。当日は9月の後半とは思えない酷暑で、ダイアモンド・ホール入場前の狭い階段での並びが暑くて死ぬかと…。会場は超とまではいかないが、熱烈なファンが集まって満員の盛況ぶり。

始まるとステージはすぐに15人程の大所帯のメンバーに占拠され、大ファンク大会の始まり。御大は後から出てくるのかと思っていたら最初から登場。御歳83だそうだが元気いっぱい。とうとうライヴで観ることが出来て感激だ…。ステージには椅子が用意されていて、御大は後ろ向きに座っていることが多いが(写真下1枚目)侮ってはいけない。ちゃんと指や手振りで指示を出していて、ブレイクするタイミングは全て御大の指示通り(1回失敗していたが・笑)。フリーでカオスなステージのように見えて、その実すべてジョージ・クリントン総裁の統制下にあるのだ。しかもここぞとばかりにステージ前方に進み出て観客を煽り倒す(写真下2枚目)。当人は合いの手中心だが衰えを感じさせない。もちろん会場は大盛り上がり。

 

カオスと言えば殿堂入りメンバーのマイケル・ハンプトン(Michael Hampton)のギター。このバンドのもう一面でもあるヘヴィ・メタルなギター・ソロで弾きまくるのだが、その爆音が耳に突き刺さる。本当にステージでは音やリズムが拾えているのかなと思うくらいの音の塊が押し寄せて来て、久しぶりに自分の鼓膜の心配をした(笑)。

若いメンバーを全然知らないのだが、世代的には当然の如くヒップ・ホップ世代だろう(→この時代に来日メンバーの詳細も分からないとは…)。所有している直近のアルバム(といっても10年前の発表だが)にもヒップ・ホップ要素の強い曲が収録されていた(正直ちょっと違うなァという感じも…)。名前も知らないが、煽り役の若い衆は中日ドラゴンズの帽子とタオルを被って終始ステージを盛り上げ、フロアーにも降りてきていた。

サブ・ヴォーカルの女性2人は全く対照的。1人は70年代ソウルの雰囲気を漂わせ、もう1人(ジョージの娘!?)はチャキチャキの現代っ子風(彼女のボディはアスリート並み!)。残念ながら彼女らのマイクは少々オフ気味だが、ステージに華を添えている。ホーンズはそれぞれのソロも用意され、ステージ上では御大がお手並み拝見とばかりに煽ったりも。ただこのハードなファンクを支えるベースとドラムス担当は、その重要度に比して他のメンバーと比べてあまり表にフィーチャーされないのはどうしてだろう?

セットリストはパーラメント、ファンカデリック、それぞれを取り合わせてファンクの古典が目白押し。贅沢だなァ。とはいえちゃんと先のアルバム収録の新しめの曲や、ヒップホップ・スタイルの曲も挿入。バランスを取っていた。若い世代のアーティストがお爺ちゃん世代の総帥に敬意を表している姿が微笑ましい(←本当は厳しい世界なのだろうが)。大音量の下、レジェンドの姿をしっかり目に焼き付けることが出来て素晴らしいライヴだった。満足。

※このステージがオフィシャルによってライヴ配信(ステージ上でのスマホ撮影)されています Part.1 Part.2

  

 

- Set List -

(Not Just) Knee Deep
One Nation Under A Groove
Flash Light
Pole Power
Meow Meow
Get Low
Do That Stuff
Funkentelechy
Super Stupid
P. Funk (Wants To Get Funked Up)
All Your Goodies Are Gone
Maggot Brain
Jump Around (House of Pain cover)
Give Up the Funk (Tear The Roof Off The Sucker)
Atomic Dog (George Clinton song)
Red Hot Mama (w/ CHITAA on drum)
Up For The Down Stroke

 

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エイドリアン・シャーウッド、クリエイション・レベル、ホレス・アンディ @名古屋・ReNY Limited

2024年09月17日 | ライヴ(日本公演)

エイドリアン・シャーウッド、ホレス・アンディ、クリエイション・レベル (9月13日・名古屋・ReNY Limited)

エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)が主幸するOn-Uサウンド。レゲエ、ダブ中心のレーベルで、自分は80年代後半にリー・ペリー(Lee Perry)のアルバム「Time Boom X De Devil Dead」を買ったのがファースト・コンタクトだったと思う。その後購入したレコードでは、ポップ・グループ(The Pop Group)の故マーク・スチュワート(Mark Stewart)や、ミニストリー(Ministry)、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)、プライマル・スクリーム(Primal Scream)などで彼の名前がクレジットされていた。そのエイドリアンが、伝説のレゲエ・アーティスト、ホレス・アンディ(Horace Andy)とクリエイション・レベル(Creation Rebel)を引き連れてライヴを行うというのだから行かない訳にはいかない。会場のReNY Limitedというライヴ・ハウスは初めて。一体どこかいなとスマホ頼りに辿り着くと松坂屋の北館地下だった。

チケットの整理番号があまりにも若かったので、メジャーな知名度は無いし、宣伝も相変わらず少ないし、知らない会場だしで、PILの名古屋公演の二の舞になるのかと心配したが(笑)、意外にもしっかりとした客入り。名古屋にもこんなにダブのファンが居たか。もちろん会場はこういう形態のライヴには程良い大きさ。オッサンになるともうギューギュー詰めの会場は御免だがそこまでにはならず、客もバーの方へ入れ替わるのでいい感じ。

オープニングはチラシにクレジットの無かった日本人DJ、MASAmidaによるOn-U関連の曲縛りのプレイ。これが1時間もあったのだが、帰りの時間の都合の心配をしないといけなくなってヤキモキ(←的中だった…)。自己陶酔型のDJプレイもちょっと苦手で…。

そしてエイドリアン・シャーウッドが登場。もちろん歳をとったが、昔からスキン・ヘッドなので印象はあまり変わらない。いきなりボウイ(David Bowie)の「Space Oddity」をかけたり、植木等の「スーダラ節」をかけたりと楽しい。いわゆるダンス系のDJと違って流れるようなプレイではなく、強引に曲をかけたり止まったり、MCを入れたりもするが、通常のロックのライヴでは考えられないくらいベースやドラムの低音がオンなのが気持ちイイ。リー・ペリーやボブ・マーリー(Bob Marley)、マックス・ロメオ(Max Romeo)らのお約束もミックスしてゴキゲン。

 

次はレーベル所属のクリエイション・レベル。自分は彼らのことをほとんど知らなかったのだが、元々はあの故プリンス・ファー・ライ(Prince Far I)のバック・バンドとして結成されたのだそう。基本インストで、DJプレイで聴けるようなダブの効果も生演奏で再現したりするのが面白い。腹にズンと響くベースの重低音とカコーンと抜けるスネア、繰り返されるダブの余韻、気持ちいいなァ。ちょっと掘り下げてみたくなった。もちろんミキシング・デスクにはエイドリアンが居てライヴでダブ・ミックスしてサウンドをまとめている。後ろを振り返るとすぐそこにエイドリアンが居て、その肝入りの音楽が聴けるなんて贅沢。途中からホーン(日本人?)が加わるとグッとオールド・スクールなレゲエ・サウンドに。

 

こういうライヴだから仕方がない面もあるが、バー側に立っていた自分のすぐ横ではステージの音楽関係なしで(音に負けじと)大声で延々としゃべっている客が居てうんざり。そのくだらない話、演奏途中でしなきゃダメか?

そしてトリは伝説的なレゲエ・アーティスト、ホレス・アンディ。ヒットした「Skylarking」は1972年。特徴的なハイ・トーンのヴォーカルで、当時の例に洩れずキング・タビー(King Tubby)らによるダブ・ヴァージョンも数多く発表され、ダブ界隈では外すことの出来ない重鎮(自分が持っているホレスの音源はそういうダブのコンピばっかりだ)。御歳73歳だそうだが、体躯もしっかりして元気そう。もちろん若い頃と同じとまでは言わないが、ハイ・トーンのヴォーカルとビブラートは健在で、何より生で聴けているというのが信じられない。バックはクリエイション・レベルが担当していて重低音はそのままだし、エイドリアンのライヴ・ダブ・ミックスもあって最高のサウンド・システム。昨今On-Uから発表されたオリジナル・アルバムは評判だから自分も是非買ってみよう。と、この辺りでタイム・リミット。翌日仕事なので後ろ髪引かれながら会場を後にした。ライヴを最後まで観ずに帰路に就くなんて初めてかな。こんなスケジュールならホテルを取っておくんだった(前座要らないヨー)。

 

・Horace Andy (Live Mix by Adrian Sherwood)
・Creation Rebel (Live Mix by Adrian Sherwood)
   Crucial Tony (G)
   Charlie Eskimo Fox (Ds)
   Ranking Magoo (Perc)
   Kenton "Fish" Brown (B)
   Cyrus Richards (Keys)
   Horns : icchie (Tp), Hashimoto “Kids” Takehide (Sax), Umeken (Tb)
・Adrian Sherwood (DJ Set)
・Opening : MASAmida from audio active (On-U Set)

 

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ザ・ダムド @名古屋・ダイヤモンドホール

2024年03月22日 | ライヴ(日本公演)

ザ・ダムド (3月14日 名古屋・ダイヤモンドホール)

何とダムド(The Damned)の名古屋公演が実現。「PUNKSPRING 2024」での来日予定に合わせて大阪、名古屋、神奈川で単独公演の予定が組まれたようだ。しかもオリジナル・メンバーのラット・スキャビーズ(Rat Scabies)が復帰という嬉しい知らせ。ということは、デイヴ・ヴァニアン(Dave Vanian)、キャプテン・センシブル(Captain Sensible)、そしてポール・グレイ(Paul Grey)と合わせて1980年頃のラインナップの復活。万難を排して行くしかない。

ロンドン・パンクの勃興期に於いて、一等最初にシングルを発売したのがこのダムド。1976年に発売されたそのシングル「New Rose」(ジャケ写真下)は80年代に後追いで中古のスリーヴ付きのを2,000円くらい出して買った。カッコ良かったなァ。その後、ゴス(Gothic Rock)の方向へ行くなど音楽性はより多彩に。解散、再結成を繰り返しつつ現在に至る。50年近く経ってオリジナル・メンバー3人が残ったバンドを観られるなんて奇跡。正直、特に近年のアルバムは全然買っていなかったので、しっかり予習して臨む。

この日は歌舞伎観劇の日と予定が被ってしまった(歌舞伎の後にパンク・笑)。観劇後、あわてて新栄まで移動。ソールド・アウトではなかったらしいが、会場内はほぼ満員。観劇の狭いスペースでの胡坐で身体が参ってしまっていたので、後方の段の上がった楽な場所に陣取った。そしてメンバーがステージに上がる。あぁ、本物だ(笑)。まさかオリジナル・メンバー3人を生で観ることが出来る日がくるとは。もちろん歳をとったが、皆イメージもそう変わらず。ステージが始まると最新アルバム「Darkadelic」からはほんの数曲。フィジカルでの購入は間に合わなかったが、新譜の出来がかなり良かったので予想外。「Machine Gun Etiquette」(’79)、「The Black Album」(’80)、「Strawberries」(’82)という現メンバーがオリジナル・アルバムに参加していた頃の曲がほとんどを占めていた。この頃のアルバムは「Machingun~」しか持っていないし、後は代表曲をコンピ盤で聴いたのみ。なので知らない曲も少々出てきてしまったのは不覚。

曲間はキャプテンが和ませてくれるし(♪ドンドンドン、ドンキー、ドン・キホーテ♪とか・笑)、演奏ではキーボードを担当しているおデブのモンティ(Monty Oxymoron)がムードメーカーで盛り上げてくれ、観客の温まりも良くステージが進んでいく。デイヴはあまりインタビューとかも読んだ覚えが無いし、もっと気難しいタイプかなと思っていたが、ステージ袖ではスタッフと踊っていたり、曲間にキャプテンと丁々発止やったりと明るくてサービス精神旺盛。それに何しろ歌心がある。最初こそマイクかイヤモニの調子が合わず、ヴォーカルも埋没気味だったが、だんだん調子が上がってバランスも良くなり、終盤には素晴らしい声を聴かせてくれた。ラットはパワフルなドラミングだったが、途中で錠剤か何か飲んでいたのが心配。シンバルの不具合でイラついている様子もあったが、ブチ切れることなく完遂。盛り上がって前方ではモッシュやボディ・サーフィンも(←自分は両方とも大嫌いだが)。暴れているのがオッサンなのが物悲しい(苦笑)。終盤のパンク期の名曲連発はさすがにグッと来た。イイもん見れた。

<Setlist> ※以下は前日の大阪公演のもの。概ねこの通りだったと思うが曲順は違ったかも。

Ignite
Wait for the Blackout
The History of the World (Part 1)
Gun Fury (of Riot Forces)
Melody Lee
Generals
Stranger on the Town
Plan 9 Channel 7
Dr. Jekyll and Mr. Hyde
Life Goes On
Under the Floor Again
Beware of the Clown
Eloise
Shadow of Love
Dozen Girls
Fan Club
The Invisible Man
Noise Noise Noise
Love Song
Machine Gun Etiquette
Neat Neat Neat
Smash It Up

(encore 1)

Curtain Call
New Rose

(encore 2)
Looking at You

 

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マイケル・モンロー @名古屋・クラブ・クアトロ

2024年02月10日 | ライヴ(日本公演)

 

マイケル・モンロー (2月8日 名古屋・クラブ・クアトロ)

元・ハノイ・ロックス(Hanoi Rocks)のマイケル・モンロー(Michael Monroe)の来日公演へ。会場はクラブ・クアトロ。ハノイ・ロックスを初めて聴いたのは高校生の頃。容姿からヘヴィメタと混同していた自分に「そうじゃないよ」と教えてくれたのは同級生のハットリ君だった。ただしバンドはメンバーの不幸もあり程なくして解散。後にアナログで購入した83年末のマーキー公演を収録したライヴ盤「All Those Wasted Years」がカッコ良くて痺れた。ヴォーカルのマイケル・モンローの動向は気になったものの、その後追いかけることは無く幾年月。ハノイ・ロックスのオリジナル・アルバムは全部所有しているが、正直ソロ・ライヴまではどうかなと少し迷った。でも元バンド・メイトのサミ・ヤッファ(Sami Yaffa)も参加しているし、とチケットを購入。

久しぶりにクラブ・クアトロに入ったが、流石にハコが小さい。久しぶりにバッド・ボーイズなロック・バンドのライヴだが、会場は元バッド・ボーイズ&ガールズだったろうオジサン、オバサンの姿も多い(笑)。一応ソールド・アウトになったそうだが、ぎゅうぎゅう詰めという感じではなかった。

SEからのオープニングがかっこいい。満面の笑顔でステージに登場したマイケルとメンバーは終止リラックスした様子。マイケルはルックスもスタイルもかっこいいまま。相当節制しているんじゃないかな。どこで仕入れたのか、ペンライトと扇子にご執心(笑)。トレードマークのキャプテン・ハットもいくつ用意してるんだろうってくらい被り替えていた。昔から凄いヴォーカルの持ち主だが、張りも伸びも良く(多分)キーもそのまま。凄い。ブルース・ハープやサックスも駆使してご機嫌なステージを展開。ベースのサミも演奏するのが楽しくてしょうがない感じで、ギターの若い衆との演奏も終止笑顔。2人ともロックン・ロール・スターとして上手く歳をとったなァ。

 

予習の甲斐あって知らない曲も無かったので終始いい感じで観ることが出来た。ソロ曲中心なのはもちろん、ハノイ・ロックスの名曲、そして元メンバーで結成した「デモリッション23.」の曲も交え、終始ハイ・ペースでステージが進む。スタイルよし、声よし、元気よし、機嫌よし。流石にハノイ・ロックスの曲になると、生で聴けた感動で泣きそうになってしまう…。東京ではアルバム全曲演奏とかの特殊なステージだったようだが、ここ名古屋では代表曲中心の内容。このハードなステージを、大幅にセット・リストを変えながら休養日無しで4日間連続でこなすのだからスゴイ! いったいいくつなんだ?(←61歳だそう)。

Michael Monroe (vo, sax, harmonica)
Sami Yaffa (b, vo)
Steve Conte (g, vo)
Rich Jones (g, vo)
Karl Rockfist (ds)

 

<Setlist>

Dead, Jail or Rock 'n' Roll
I Live Too Fast to Die Young
Murder the Summer of Love
Last Train to Tokyo
Derelict Palace
Young Drunks & Old Alcoholics
'78
Trick of the Wrist
Ballad of the Lower East Side
Boiler (Me Boiler 'n' Me) (Hanoi Rocks)
Shakedown
Motorvatin' (Hanoi Rocks)
Hammersmith Palais (Demolition 23.)
Underwater World (Hanoi Rocks)
Boulevard of Broken Dreams (Hanoi Rocks)
Malibu Beach Nightmare (Hanoi Rocks)
Up Around the Bend (Creedence Clearwater Revival)

(Encore)

Nothin's Alright (Demolition 23.)
Don't You Ever Leave Me (Hanoi Rocks)
One Man Gang
Oriental Beat (Hanoi Rocks)

 

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クイーン+アダム・ランバート @名古屋・バンテリンドーム ナゴヤ

2024年02月06日 | ライヴ(日本公演)

クイーン+アダム・ランバート (2月4日 名古屋・バンテリンドーム ナゴヤ)

クイーン+アダム・ランバート(Queen+Adam Rambert)の来日公演初日、バンテリンドーム(ナゴヤドーム)へ。自分はフレディ(Freddie Mercury)在りし日の1985年の愛知県体育館での公演に行っているので、39年振りのクイーンのコンサートということになる。当時は(自分はそう思っていなかったが)クイーンがやや精彩を欠いていたと言われている時期で、愛知県体育館でさえ2階席には空席が目立っていたと記憶している(→その直後のライヴ・エイドで復活したのはご存じの通り)。※大ヒットした映画「Bohemian Rhapsody」で描かれた時系列は事実と異なっています

当初は行くつもりはなく「また来るのか」程度の認識だった。ところが動画サイト等で昨年の北米でのライヴ映像が目に入って、オープニングが自分の大好きな「Machines (Or Back To Humans)」と知ったので(85年と一緒じゃないか!)急に行く気になった。もう公演間近だったがチケットを検索するとドームとあってS席はまだ残っている(しかしどのライヴも物凄く広い範囲の”S席”ってそろそろ何とかしないのかね…)。購入時に自分の席は分からず…、発券も公演の3日前からというシステムにモヤモヤしながら会場へ。席は公演間近に購入したにしてはまあまあの内野スタンド席。よく見渡せるが流石に肉眼では小さい。正直「埋まるかな」と危惧していた客入りはなかなか。超満員ではなかったと思うが、しっかりと入っていた。会場はもちろんオッサンとオバサンばかりだが(←お前もだ)、ちらほらと若いファンや親子連れの姿も。

 

オープニングは期待していたが、アレンジがやや中途半端な感じ。もっとストレートに盛り上がらせること出来るんじゃないかな。歳をとったブライアン(Brian May)やロジャー(Roger Taylor)がヴィジョンに大写しになると流石にグッときた。2人とも演奏、歌も含めてずっと現役を続けてきたこともあって不安感無しのパフォーマンス(インスタとか見るとしっかりとトレーニングしている)。相変わらず一聴しただけでレッド・スペシャル(※ブライアンの愛器)と分かるギターのあの音色は唯一無二。でもミキシングはもっとギターを際立たせて欲しかったな。80年代からバンドに帯同しているキーボードのスパイク・エドニ―(Spike Edney)が健在なのも嬉しいところ。

 

さて古くからのファンにとってはアダム・ランバートをどう捉えるかが難しい。彼の超絶的なヴォーカルはもちろん凄いものだが、年を経るごとにどんどんと容姿がドラッグ・クイーンみたくなってきて、振りも喋りも歌も完全に”オネエ”(苦笑)。オーディション番組に出ていた頃からの変容は自分にとってはやはりちょっとトゥーマッチ。メロディーの崩し方も”歌が上手い人”のアレ。どうしてもディナー・ショー感がつきまとう。ライヴ共演のみと割り切っているんだろうけれど、クイーンの2人と新しい曲を作っていないのも…(ファンの方、すいません)。

ブライアンのアコースティック・ギター弾き語りではヴィジョンにフレディ(Freddie Mercury)の姿を映して合成したり、ファンとのコール&レスポンス「Ay-Oh」ではフレディの映像をライヴ会場に居るかのようにそのまま流すなどの試みも。ま、どうしたってフレディの存在の大きさを感じて引きずってしまうのは仕方がない。

 

ドーム公演なので大仕掛けだが、独特の反響は別として音はさほど悪くなく、技術の進歩を感じさせる。ブライアンもインスタで言及しているように、初日だったのでバンドも観客もちょっと硬かったと思うが、これからどんどんこなれていくんだろう。迷ったけれど行って良かった。残りの公演の「Love Of My Life」と「Teo Torriatte」ではもっと大きな声で歌ってあげてネ。ただ最後、「We Will Rock You」の後「Radio Ga Ga」に戻すのはちょっとやめて欲しいナ(笑)。

<Setlist>

Machines (Or 'Back to Humans') / Radio Ga Ga
Hammer to Fall
Another One Bites the Dust
I'm in Love With My Car
Bicycle Race
Fat Bottomed Girls
I Want It All
Love of My Life
Teo Torriatte (Let Us Cling Together)
Drum Solo (Roger Taylor)
Under Pressure
Tie Your Mother Down
Crazy Little Thing Called Love
I Was Born to Love You
You Take My Breath Away
Who Wants to Live Forever
Guitar Solo (Brian May)
Is This the World We Created...?
A Kind of Magic
Killer Queen
Don't Stop Me Now
Somebody to Love
The Show Must Go On
Bohemian Rhapsody

encore

Ay‐Oh (Freddie at Wembley 1986)
We Will Rock You
Radio Ga Ga (reprise )
We Are the Champions
God Save the Queen / Heroes (David Bowie)

 

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ポール・ウェラー @名古屋・ダイヤモンドホール

2024年01月30日 | ライヴ(日本公演)

ポール・ウェラー (1月27日 名古屋・ダイヤモンドホール)

新栄のダイヤモンドホールで開催されたポール・ウェラー(Paul Weller)の来日公演に参戦。最初はどうしようか迷った。というのも自分は若かりし頃にパンクにハマってジャム(The Jam)のアルバムやシングル盤は集めたものの、解散後のスタイル・カウンシル(Style Council)、それにソロになってからのポールについては少ししか知らない。しかも現在のポールはジャム時代の、特に初期の曲はほとんど演奏しないというのを知っていたので…。でも、もうそろそろ彼を観られる機会っていうのも少なくなりそうだし…ということでチケットを購入。簡単に入手できたが、公演の直前にはソールド・アウトになったそうだから、早めに手を打っておいて良かった。早速、キャリアを俯瞰したボックス・セットや、ソロになってからのベスト盤2種等を購入して予習しておいた。

小さいハコということもあって満員の会場。ほぼ定刻にメンバーがステージに上がった。ポール・ウェラーのカッコイイこと! 綺麗な銀髪にスリムな体型と、とても65歳とは思えない立ち姿。そしてステージが始まると、その歌の上手さが際立っていた。こんなに上手かったか…。キーを落としたり節を変えたりすることなく伸びのあるヴォーカルを響かせる。ノド鍛えてるなァ。ギターのスティーヴ(Steve Cradock、元Ocean Colour Scene)以外のメンバーは皆若そうだが、バンドとしてのまとまりや、ポールに合わせてのコーラスもバッチリ。今回はダブル・ドラムスという体制だったが、特に最近作「Fat Pop」収録のちょっとサイケデリックな曲も難なく再現してかっこいい。ポールは半分位はアコギやキーボードを演奏し、数曲を除いてハードなギター・パートはスティーヴに任せている。

セット・リストは昨年のライヴ実績から予想していたが、ちょっと変えてきていた。やはりジャムやスタカンの曲は数曲づつのみ、しかもソロ曲も誰もが知る有名曲ばかりでない選曲(故に自分も知らない曲があった)。こんな所にもポールの現役感が滲み出ている。彼のインタビューを読んだことがある人なら知っていると思うが、ポールは昔から頑固で強い信念の元に音楽活動を続けていて、それが観客を喜ばせるだろうことは承知の上で、あまりノスタルジーに浸るようなステージはやらないのだとか。故に元バンド・メイトのブルース・フォクストン(Bruce Foxton)にも「彼のように皆が聴きたい曲ばかり演奏しない。」と辛辣(→ジャムのカヴァー・バンドでツアーをした)。

ネオ・モッズの象徴らしく、黒のフレッド・ペリーに着替えたポールはテンポ良くステージを進めていく。1度引っ込んでもう終わりかと思ったら、もう1度アンコールがあった。最後は代表曲「The Changingman」で締め。いいライヴだった。彼の過去のソロ作品にはあまり興味が無かった自分だが、最新作を含めてちょっとしっかりと聴いてみたくなった。

<Setlist>

Rip the Pages Up
Nova
Cosmic Fringes
My Ever Changing Moods (The Style Council)
A Man of Great Promise (The Style Council)
All the Pictures on the Wall
Stanley Road
Glad Times
Village
Hung Up
Fat Pop
More
Shout to the Top! (The Style Council)
Jumble Queen
Saturns Pattern
Nothing
Above the Clouds
Into Tomorrow
Start! (The Jam)
Peacock Suit

(encore 1)

Old Father Tyme
Headstart for Happiness (The Style Council)
That Pleasure
Broken Stones
Tales From the Riverbank (The Jam)
Wild Wood

(encore 2)

The Changingman

 

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テデスキ・トラックス・バンド @名古屋・Zepp Nagoya

2023年10月28日 | ライヴ(日本公演)

テデスキ・トラックス・バンド (10月24日 名古屋・Zepp Nagoya)

テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)の来日名古屋公演。もう何回も観に行っているが、来日すると知るとあの神々しいデレク(Derek Trucks)のギターを聴きたくなる。このバンド、ちゃんと毎回名古屋を飛ばさず来てくれるのが嬉しい。別の場所で酒を呑んでいて開演に遅刻しそうになって慌てて入場(苦笑)。今回はもう最初から2階席を選んだが、なんてことはない1階も普通に椅子席だった。ただ2階2列目とあって観易くていい感じ。

今回の日本公演にあたって最近のセット・リストを調べていて驚いた。当然昨年発売された4部作の力作「I Am The Moon」をメインに持ってくるだろうと思っていたら、その実カヴァー大会。元々多くのカヴァーを演奏するバンドだが、今年に入ってから多い時にはライヴの半分近くをカヴァーが占めていたりしている。それも毎回同じ曲というのは少なく、すでに80曲近いレパートリー! 彼ららしくメイン・ストリームの曲ばかりではないのでとても追いつけず、一部の曲だけピックアップして予習、参加した(それでも最近は某Tubeとかで音だけはすぐに探せるので有難い)。

ゆっくりとメンバーが入場。最初に彼らを生で観てから何年も経つがあまり変わっていない。特に女性のスーザン(Susan Tedeschi)はこの年数が経っても色々と維持しているのが偉い。デレクがギターをかき鳴らした瞬間から完全に場の空気が変わるのが分かる。なんて凄いギター。いつもギブソンのSGだが、これをほとんど素のままで使い、フィンガーピッキングであの透き通りつつド太い音を出すのだから恐れ入る。スーザンのソウルフルなヴォーカル、それに夫に負けないガッツのあるギター、それらを大所帯のバンドが支える。今回は2019年から参加しているキーボードのGabe Dixonをかなり前面に使っている様子が伺える。自身のバンドで歌っていたこともあるのでヴォーカルも旨い。

各メンバーそれぞれの見せどころも作りつつ演奏は進む。寡黙なデレクはほとんど客席の方を向かず、バンドかソロを取っているメンバーの方を見て演奏するが、やはり構成は全てデレクが握っていて(選曲も全て彼だそう)、目配せで合図を送りビタッと決めてみせる。いつもはトーンを外したりはしないが、今回は故意にフリーキーなフレーズの荒くれたソロを弾いたりしていたのが印象的だった。最後はジェフ・ベック(Jeff Beck)追悼の「Beck's Bolero~Freeway Jam」で終了(本当はストーンズの「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbeaker)」もやってくれないかなと祈っていたけれど…)。素晴らしいステージだった。

< Setlist >

Anyhow
Hear My Dear
Playing With My Emotions
Ain't That Something
Bell Bottom Blues (Derek and the Dominos cover)
Why Does Love Got to Be So Sad? (Derek and the Dominos cover)
Gin House Blues (Bessie Smith cover)
Last Night in the Rain
Part of Me
I Must Have Done Somebody Wrong (Allman Brothers Band cover)
Shame
Midnight in Harlem
Yes We Will
Bound for Glory

(Encore)
I Want More - Beck's Bolero (Jeff Beck cover)

 

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加納 秀人 @愛知県小牧市・The SCRATCH

2023年07月24日 | ライヴ(日本公演)

加納 秀人 (7月23日・愛知県小牧市・The SCRATCH)

外道の加納秀人がソロ・ライヴを演ると知ったのはライヴ直前のこと。この地方で近い所では今池と小牧市。最近ライヴ盤を買ってずっと聴いていたので、是非生でレジェンドを観てみたいと駆けつけることに。日程が日曜だった小牧へ行くことにしたのだが、今まで小牧にライヴ・ハウスがあるなんて知らなかった。場所は倉庫が建ち並ぶ場所にある「The SCRATCH(スクラッチ)」(写真下左)。調べてもあまりインフォが無かったので車で行くことに。

 

倉庫を改造したと思しき会場の2階へ。大手プレイガイドでの発売なしとあってか客入りはちょっと心配になるぐらい少ない。キャパは椅子で40人くらいだろうか。結局自分を入れて10人強という寂しさ。日本のロック史に名を残すレジェンドなのに…。車なので酒も呑めず、バーカウンターでノンアルを貰い喉の渇きを癒やす。前座は「BLAKK」というブルーズ・バンド。

そしてあの加納秀人があっさりと登場。今回のライヴは「外道50周年&加納秀人音楽活動55周年記念」と銘打ってのライヴ・ツアー。テンガロン・ハットでラフな出で立ちの加納は70を超えているとは思えない若さ。バンドは連れてきていないのでベース、ドラムス、サイド・ギターの音はオケだが、加納のギターから発せられる音色の色気と迫力たるや。うへぇ、カッコイイ…。MCを挟み、ヴォーカル曲、スライド演奏も交えて演奏されていく楽曲は、ハードロック、ロックンロール、ブルーズ、フュージョン、ポップスと多彩。本人も「ジャンルなんて無いんだよね。」と仰っていたが、タイプの違う曲であってもそこに加納のギターが乗るとちゃんとその色に染まるのはさすが。上手くは説明できないが説得力が違う。1人でもここまで凄いとは。

またほのぼのとしたMCが面白い。遠藤賢司、アントニオ猪木、ミッキー・カーチス、内田裕也、ハワイでのライヴ、史上初の寺でのライヴなど、生き字引の最古参ロッカーならではの面白い話がポンポンと出てくる。

ソロ・ライヴ終了後は前座のメンバーや飛び入りを含むジャム・セッション。いや、これ客席より演奏者の方が多いから(苦笑)。腕に覚えのある参加者に余裕綽々でハイ、どうぞとソロを譲る加納だが、さすがに差が歴然なのはご愛敬。思い切って駆けつけたが、こんなレジェンドをこんな近くで、こんな値段で、(こんな人数で)観られて申し訳ないくらい。これ絶対ペイ出来てないだろうが、自分としては丸儲けな気分。

 

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ボブ・ディラン @名古屋・愛知県芸術劇場・大ホール

2023年04月21日 | ライヴ(日本公演)

ボブ・ディラン (4月18日 名古屋・愛知県芸術劇場・大ホール)

栄にある愛知県芸術劇場で行われたボブ・ディラン(Bob Dylan)の来日公演、名古屋初日へ。実は日本最終公演もチケットを買っていたが、都合により行けなくなり人にあげてしまったので、残念ながら観られるのはこの公演のみ。彼ほどの大物アーティストにあって来日公演は最近だけでも2014年2016年とかなりの頻度(フェス除く)。失礼ながら毎度「これで最後だろう」と思いつつチケットを買っている。にしても凄過ぎないか? もうすぐ82歳だぞ。富も名声も十二分に得ながらこの活動意欲。80年代の終わりから通称「Never Ending Tour」と呼ばれるくらい間断なくツアーに明け暮れるボブ。彼を衝き動かしているのはどういう”欲”なんだろうか。

会場入りしてビックリ。スマホを開封不可の特殊な袋に入れさせられ、双眼鏡の類もNG。アーティスト側の意向だそう。徹底したい気持ちは分かるが、自分は夜でも仕事の電話が入るし、妻からの緊急連絡がある可能性もあるので、会場入りしてしまうと確認出来ず、ヒヤヒヤしてしまった。席は14列目なので見やすいが、この日は3、4階席には客を入れていなかった模様。ま、名古屋で3日間だもの、そんなに入らないわな。客層はもちろん中高年の年齢層が占めている。

定刻を少し過ぎてクラシックが鳴り響き、ボブとメンバーがステージへ。相変わらず素っ気ないセットで、真ん中のピアノにボブが座り、メンバーは彼を囲むように位置を取って演奏中もずっとボブの方を向いて凝視している。これでも東京と比べて暗めだそうだが客席側にライトが当たっているし、ボブへのスポットライトも無いので暗くて表情が全然分からない。いつも使う単眼鏡くらい許してほしかったな。曲は相変わらずボブの崩したアレンジなので、有名曲でも歌い始めて歌詞を聴いて初めて「あぁ、あの曲か」と分かるのはこれまでのツアーと同じ。

にしてもボブのヴォーカルが凄い。本当に80を超えているとは思えない張りがあって圧倒される。素晴らしい歌声! 前回の来日は7年も前だが、その時よりもいいかも。恐るべし。一昨年発売されたアルバム「Rough And Rowdy Ways」が中心なので、さすがにそこに収録された曲は現在進行形のボブによく合っていて、古い曲ももその雰囲気にアレンジされている。というか今のボブが歌いたいように歌うとこうなるという感じ。ボブはピアノを弾きながら、概ね立ち上がって歌うのだが、立ってピアノ弾きつつ歌うってやりづらくないのかな。ピアノに隠れてしまって弾いている手元は全く見えないのだが、かなり強いタッチで鍵盤を叩いていて、荒っぽいし時々外すこともあるが、これがカッコイイ。この日のセットリストには曲順以外概ね他の公演と変わらないが、ツアーを通じて入れているデッド(Grateful Dead)のこの日のカヴァーは「Brokedown Palace」だった(15日は「Not Fade Away」を演ったとか!)。

※この公演の翌日19日にも演ったそうです…(涙)

かつての名曲2曲ではハーモニカも披露。かっこいいからもっと吹いて欲しかったナ。最後のメンバー紹介の他は、3、4回「Thank You!」と言ったくらいで特にMCは無し。アンコールも無しだったが、2時間近く強く歌い上げたボブに感動した。最終公演も行きたかった…。このツアーには珍しくツアータイトルに”World Wide Tour 2021-2024”と終了年の記載がある。これってもしかして…。

 

<Setlist>

Watching the River Flow
Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
I Contain Multitudes
False Prophet
When I Paint My Masterpiece
Black Rider
My Own Version of You
I'll Be Your Baby Tonight
Crossing the Rubicon
To Be Alone With You
Key West (Philosopher Pirate)
Gotta Serve Somebody
I've Made Up My Mind to Give Myself to You
That Old Black Magic (Johnny Mercer cover)
Mother of Muses
Brokedown Palace (Grateful Dead cover)
Goodbye Jimmy Reed
Every Grain of Sand

 

 

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スティング @名古屋・日本ガイシホール

2023年03月15日 | ライヴ(日本公演)

スティング (3月14日 名古屋・日本ガイシホール)

日本ガイシホールでのスティング(Sting)の来日公演最終日に急遽参戦。実は来日することは事前に全然知らなくて、コロナ第8波も下火になったことだし、アーティストの来日スケジュールは増えてくるのかなとチェックしていて初めて知った次第。自分は2008年のポリス(The Police)の東京ドームでの再結成コンサートは逃しているので、是非ともと遅ればせながらチケットを入手した。

長兄が持っていたポリスのファーストとセカンド・アルバムを聴いてからだから、もう40年以上もスティングのヴォーカルを聴いていることになる。それ以降のアルバムは自分で買った。とはいってもポリス以後はファースト・ソロ・アルバムとライヴ盤、コンピ盤を買ったぐらいで熱心なファンとは言えないけれど。一時ちょっとお洒落になり過ぎた感もあったけれど、そのハスキーで特徴的なヴォーカルはやはり唯一無二。最近はシャギー(Shaggy)とコラボしたりもして創作意欲は衰えていないようだ。

時間に余裕があったので近くで一杯やってから会場入り。会場内はスタンド席の一番上の方こそ空席が目立つが、アリーナやスタンド下部まではおおむね満席。自分の席はたった2週間前に慌てて入手した割には、ほぼ横から観る形にはなるもののステージは近くて見やすいし、満足。まずは息子のジョー・サムナー(Joe Sumner)が前座で登場してギター1本で歌を聴かせる。ガタイはデカいがさすが親父そっくりで血の濃さが伺える。声もよく似ているのはあの特徴的な顎の形を引き継いでいるからだろう。信じられないが、自分の隣の席の客なんてこれがスティング本人と疑わず、連れと「さすが、かっこいいねー。」なんて言ってはしゃいでいる(←いやスクリーンもあるんだからさすがにすぐ分かるだろ・苦笑)。にしてもこのジョー、バンドが無いからかあまりにもストレートで普通の曲(失礼)ばかりで驚いた。異母妹はちょっと尖っているのにね。声域も広く、歌唱自体はひょっとしてスティングより旨いかもしれないが、ちょっと”真っ当”過ぎるかも…。

ジョーがたっぷり30分ステージをこなした後に御大登場。歳はとったが(71歳)スリムで腹も出ていないしかっこいい。ポリス時代の名曲からステージが始まるが、もともとハスキーな声だしキーを落としても最初はちょっと声がきつそう。それでもステージが進むにつれてどんどん良くなるのはさすが。バンドの面々は皆スティングにとっては孫世代になるのかな。全員若いが実力は折り紙付き。特にハーモニカ・プレイヤーの演奏は印象に残った。にしてもバンドはキーボードとコーラスを除けば実質3ピースで、ポリス時代を踏襲しているのが興味深い。スティングはもちろんベースも演奏しているが、そういう趣向なのかベースの音の解像度が低く、歪んで演奏が聴き取り辛いのは何なんだろう(席の位置の関係かも)。

中盤はソロ作品が並ぶ。当たり前だがやはりソロ期の曲の方が今の喉にはしっくりくるようでパフォーマンスも素晴らしかった。レゲエ、ジャズ、スパニッシュ・ギター、アラビックなど色々な音楽性の曲とスティングの声の相性も相変わらずいい。手拍子を誘う場面が多いのはまるで昔の外タレのコンサートを見るようだ(昔はみんなずっと手拍子していて鬱陶しかった)。後半はポリス時代の曲を若干アレンジとキーを変えて披露。ガキの頃から聴き続けた曲をとうとう本人の歌唱で聴けて感慨無量。特にリアル・タイムで自分でアルバムを買った「Synchronicity」期の曲は生で聴けて嬉しいナ。最後は静かな「Fragile」。演奏前にスティングが「最後はクワイエットな曲で…。」と言ったら客席から「Next To You!!」(←ポリス初期のパンキッシュな曲)と声がかかってスティングが大受けしていたのが面白かった。

 

<Setlist>

Message in a Bottle
Englishman in New York
Every Little Thing She Does Is Magic
If It's Love
Loving You
Rushing Water
If I Ever Lose My Faith in You
Fields of Gold
Brand New Day
Shape of My Heart
Heavy Cloud No Rain
Seven Days
Mad About You
What Could Have Been
Wrapped Around Your Finger
Walking on the Moon
So Lonely
Desert Rose
King of Pain
Every Breath You Take

(Encore)

Roxanne
Fragile

 

コメント (2)
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